土曜日, 6月 23, 2007

久々の理論。計測の問題、の補足。

ここの補足。

変成比Kは、巻線比mよりも大きくなる。
そこで、K=mとなるよう、Nを少なくしている。
(通常は1%程度)
これを「巻戻し」という。

計器用変圧器の比誤差εは、次式で定義される。

比誤差ε={(公称変成比)-(真の変成比)}/(真の変成比)=(K-m)/m

この式から、K/m=1+ε となる。
ここで、公称変成比とは銘板に書かれている
(定格一次電圧)/(定格二次電圧)
であり、真の変成比とは実際の変成比のことである。

また、位相誤差とは、一次電圧と二次電圧の相差角のことで、
一次電圧に対して二次電圧が進む場合を正(+)とする。

一般に巻もどしをしなければ誘導性の負担を接続した場合、
比誤差は正、位相誤差は負(遅れ)になる。
(画像のベクトル図で電圧と電流の関係を確認しましょう!…わかりにくいけど)

さらに<補足>
/Vの式の右辺( )内の第2項はZとZで決まり、
負担とは無関係で、これを「固有誤差」または「絶対誤差」という。
第4項は通常小さい値なので無視できる。
(第4項:Z'Z/Z'Zの事)

計器用変圧器は電力変圧器と同じように作ってあるが、
良質の鉄心を使用していること、各巻線インピーダンスを小さくするなど、工夫がされている。

低格二次電圧は110Vが標準で、容量は15~500VAの間、数回急に分かれている。

計器用変圧器の誤差であるが、Kの式でわかるように、
二次負担Zの大きさや力率などで比誤差、位相誤差ともかなり複雑に変化する。
このため許容誤差範囲により各種の階級がある。