日曜日, 6月 24, 2007

昨日に引き続き。今度は変流器、の補足。

ここの補足。

<計器用変流器の特徴>(計器用変圧器との比較)
1.一次巻線は線路に直列に接続され、一次電流は線路電流そのものである
2.励磁電流が誤差の原因のすべてである
3.正確な変流比を得るため二次側で巻もどしを行っている

<具体的解答>
等価回路図の電流則から解答、は、手書きを見ていただくとして…。

<補足1>
計器用変流器では励磁電流が直ちに誤差となるため、良質の鉄心を使用し、
磁束密度も電力用変圧器の1/10程度と低く設計している。
定格二次電流は5Aが標準で、定格負荷は5~100(VA)の間、
数段階に分かれている。

計器用変圧器は、常時定格電圧の近傍の電圧で使用されるが、
計器用変流器の場合の一次電流は常時零から低格値まで変化し、
事故時には定格電流の数十倍の電流が流れる。
この広い使用範囲にわたって許容誤差に納めなければならない点は
計器用変圧器より厳しい要求である。
一次電流の少ない負荷のとき、比誤差・位相誤差ともに大きくなる。
これは、一次電流に占める励磁電流の割合が大きくなるためである。

また、大電流域においても、Eの増加で鉄心の磁束密度が高くなるので、
磁気飽和により励磁電流I'が急増し、誤差が大きくなる。

計器用変流器の比誤差εは次式で定義される。

比誤差ε={(公称変流比)-(真の変流比)}/(真の変流比)
    =(K-1/m)/(1/m)

この式から、K/(1/m)=1+ε となる。
ここで、Kは銘板に書かれた公称変流比である。

位相誤差とは、一次電流と二次電流の相差角のことで、
二次電流が進む場合を正(+)とする。

<補足2>
電力用変圧器と計器用変流器の最も大きな違いは、
計器用変流器の一次電流が二次負担に関係なく流れる事である(手書き図1)。
この一次電流による起磁力のほとんどが、二次負担に流れる電流の
起磁力により打消される(二次側は各種機器のコイルなどで、
インピーダンスが小さく、ほとんど短絡状態での使用と考えてよい)。
一次電流のごく一部が、励磁電流(手書き図2のa曲線)となる。
もし、二次回路が開放されると、一次電流のすべてが励磁電流となるため、
(同図2b曲線)鉄心は正弦波の過大な電流により励磁され、
鉄心の飽和特性から同図2のほうな方形波に近い磁束となり、
磁束が急激に変化するところではe=dΦ/dtより、
二次巻線に以上な高電圧を発生する。
これが絶縁を脅かしたり、人体へ危害を及ぼしたりする。
当然、鉄心内の磁束密度は異常に高く、鉄心の温度を上昇させる。

つまり、「CT二次側は、開放するでない!」
ですね。電気屋さんなら、知っておかなければならない事です…。
たとえ、理由は知らなくても…。