火曜日, 7月 17, 2007

法規、接地と高圧機器。の補足。

ここの補足です。

接地の問題と、高圧用機器の問題。

【接地】
問1
【解説】
a.の項は、電気設備技術基準第10条からの出題である。b.、c.の項は、技術基準の解釈第28条から、d.の項は解釈第29条からの出題である。

接地の目的として、問題のa.項にあるように、異常電圧等による感電・火災等によって人体及び物件に危害・損傷を与えない為である。また、絶縁協調や事故時の保護継電器の確実な動作のために接地している。

b.項では、接地極の近くにおいて、歩幅電圧や接触電圧等を低く抑えるほか、大地電位上昇を抑え、通信線や水道管等に障害を与えないように施設する必要がある。

【技術基準第10条(電気設備の接地)】
電気設備の必要な箇所には、異常時の電位上昇、高電圧の侵入等による感電、火災その他人体に危害を及ぼし、または物件への損傷を与えるおそれがないよう、接地その他の適切な措置を講じなければならない。ただし、電路に係る部分にあっては、第5条第1項の規定に定めるところによりこれを行わなければならない。

【技術基準第11条(電気設備の接地の方法)】
電気設備に接地を施す場合は、電流が安全かつ確実に大地に通ずることができるようにしなければならない。

【解釈第28条(電気設備の接地)】
電路の保護装置の確実な動作の確保、異常電圧の抑制及び対地電圧の低下を図るため特に必要がある場合において、電路の中性点に接地を施すときは、次の各号によること。

一 接地極は、故障の際にその近傍の大地との間に生ずる電位差により、人若しくは家畜または、他の工作物に危険を及ぼすおそれがないように施設すること。

二 接地線には、引張強さ2.46kN以上の容易に腐食し難い金属または直径4mm以上の軟銅線(低圧電路の中性点に施設するものにあっては、引張強さ1.04kN以上の容易に腐食し難い金属または直径2.6mm以上の軟銅線)であって、故障の際に流れる電流を安全に通ずることのできるものを使用し、かつ、これを損傷を受けるおそれがないように施設すること。

三 接地線に接続する抵抗器、リアクトルその他には、故障の際に流れる電流を安全に通ずることのできるものを使用すること。

四 接地線、抵抗器、リアクトルその他は、取扱者以外の者が出入できないように設備した場所に施設する場合を除き、人が触れるおそれがないように施設すること。

2 前項に規定する場合以外の場合であって、低圧電路に施設する保護装置の確実な動作の確保を図るため特に必要がある場合で、電路の中性点に設置工事を施すとき(低圧電路の使用電圧が300V以下の場合において電路の中性点に接地工事を施し難いときは、電路の一端子に接地工事を施すとき)は、接地線に引張強さ1.04kN以上の容易に腐食し難い金属線又は直径2.6mm軟銅線であって故障の際に流れる電流を安全に通ずることができるものを使用し、かつ、第20条第3項各号の規定に準じて施設すること。

3 変圧器の安定巻線若しくは遊休巻線又は、電圧調整器の内蔵巻線を異常電圧から保護するため特に必要がある場合において、その巻線に接地工事を施すときはA種接地工事によること。

4 特別高圧の直流電路の保護装置の確実な動作の確保および異常電圧の抑制を図るため特に必要がある場合において、その電路に接地工事を施すときは、第1項各号の規定に準じて施設すること。

5 燃料電池について電路の保護装置の確実な動作の確保又は対地電圧の低下を図るため特に必要がある場合において、燃料電池の電路又はこれに接続する直流電路に接地工事を施すときは、第1項各号の規定に準じて施設すること。

【解釈第29条(機械器具の鉄台及び外箱の接地)】
電路に施設する機械器具の鉄台及び金属性外箱(外箱のない変圧器又は計器用変成器にあっては、鉄心)には、表1の左欄に掲げる機械器具の区分に応じ、それぞれ同表の右欄に掲げる接地工事を施すこと。

ただし、外箱を充電して使用する機械器具にさくなどを設け人の触れる恐れがないように施設する場合は、この限りでない。

2 次の各号のいずれかに該当する場合は、前項の規定によらないことができる。

一 使用電圧が直流300V又は交流対地電圧150V以下の機械器具を乾燥した場所に施設する場合。

二 低圧用の機械器具を乾燥した木製の床その他これに類する絶縁性の物の上で取り扱うように施設する場合

三 低圧若しくは高圧用の機械器具、第33条に規定する特別高圧電線路に接続する配電用変圧器若しくはこれに接続する電線に施設する機械器具又は第133条第1項に規定する特別高圧架空電線路の電路に施設する機械器具を人が触れるおそれがないように木柱その他これに類するものの上に施設する場合。

四 鉄台又は外箱の周囲に適当な絶縁台を設ける場合。

五 外箱のない計器用変成器がゴム、合成樹脂その他の絶縁物で被覆したものである場合。

六 電気用品安全法の適用を受ける2重絶縁の構造の機械器具を施設する場合

七 低圧用の機械器具に電気を供給する電路の電源側に絶縁変圧器(2次電圧が300V以下であって、定格容量が3kVA以下のものに限る)を施設し、かつ、当該絶縁変圧器の負荷側の電路を接地しない場合。

八 水気のある場所以外の場所に施設する低圧用の機械器具に電気を供給する電路に電気用品安全法の適用を受ける漏電遮断器(定格感度電流が15mA以下、動作時間が0.1秒以下の電流動作型のものに限る)を施設する場合。

【ポイント】
表2を参照のこと…。

【高圧用機器】
問1 高圧用機器の施設
【解説】
技術基準解釈第30条からの出題である。
高圧や特別高圧の機器は、取扱者以外が容易近づくことができないように施設する必要があり、その具体的な施設法が解釈第30条に記載されている。

さく・へいを施設する場合と地表上に施設する場合で距離や高さが異なるので注意すること。また、特別高圧の場合は解釈第31条に定められている。

【第30条(高圧用の機械器具の施設)】
高圧用の機械器具(これに付属する高圧の電気で充電する電線であってケーブル以外のものを含む、以下この条において同じ)は、次の各号のいずれかに該当する場合又は発電所若しくは変電所、開閉所若しくはこれらに準ずる場所に施設する場合を除き、施設しないこと。

機械器具の周囲に人が触れるおそれがないように適当なさく、へい等を設け、さく、へい等との高さとさく、へい等から充電部分までの距離との和を5m以上とし、かつ、危険である旨の表示をする場合

二 機械器具(これに附属する電線にケーブル又は引下げ用高圧絶縁電線を使用するものに限る)を地表上4.5m(市街地外においては4m)以上の高さに施設し、かつ、人が触れるおそれがないように施設する場合。

三 工場等の構内において、機械器具の周囲に人が触れるおそれがないように適当なさく、へい等を設ける場合。

四 機械器具を屋内の取扱者以外のものが出入りできないように設備した場所に施設する場合。

五 機械器具をコンクリート製の箱又はD種接地工事を施した金属性の箱に収め、かつ、充電部分が露出しないように施設する場合。

六 充電部分が露出しない機械器具を人が容易に触れるおそれがないように施設する場合。

七 充電部分が露出しない機械器具を温度上昇によりまたは故障の際にその近傍の大地との間に生ずる電位差により人若しくは家畜又は他の工作物に危険のおそれがないように施設する場合。

2 第1項に規定する引下げ用高圧絶縁電線は、第3条第3項の規定による他、清水中に30分間浸した後取り出し表面の水分を拭き取り、10cmの間隔で2箇所に直径1mmの裸線を巻き、これらの裸線の間に5000Vの交流電圧を連続して1分間加えたとき発煙、燃焼又は線絡を生じないこと。

3 前項の性能を満足する引下げ用高圧絶縁電線の規格は次の各号のとおりとする。

【第31条(特別高圧用の機械器具の施設)】
特別高圧用の機械器具(これに附属する特別高圧用の電気で充電する電線であって、ケーブル以外のものを含む、以下この条において同じ)は、次の各号のいずれかにより施設すること。ただし、発電所若しくは変電所、開閉所若しくはこれらに準ずる場所に施設する場合、又は第239条第1項第二号ただし書、若しくは第241条第2項及び第3項の規定により施設する場合を除く。

機械器具の周囲に人が触れるおそれがないように適当なさくを儲け、さくの高さとさくから充電部分までの距離との和を表3の左欄に掲げる使用電圧の区分に応じ、それぞれ同表右欄に掲げる値以上とし、かつ、危険である旨を表示すること。
(以下省略)

【ポイント】
表4を参照のこと。

問2 避雷器の施設
【解説】
技術基準解釈第41条からの出題である。
技術基準第49条に「高圧及び特別高圧の電路の避雷器等の施設」が定められており、原則として架空送電線から供給を受ける需要場所には避雷器設置を義務付けているが、解釈では具体的な箇所を定めている。

【技術基準第49条(高圧及び特別高圧の電路の避雷器等の施設)】
雷電圧による電路に施設する電気設備の損壊を防止できるよう、当該電路中次の各号に掲げる箇所又はこれに近接する箇所には、避雷器の施設その他の適切な措置を講じなければならない。ただし、雷電圧による当該電気設備の損壊のおそれがない場合は、この限りでない。

一 発電所または変電所若しくはこれに準ずる場所の架空電線引込口及び引出口

二 架空電線路に接続する配電用変圧器であって、過電流遮断器の設置等の保安上の保護対策が施されているものの高圧側及び特別高圧側

三 高圧又は特別高圧の架空電線路から供給を受ける需要場所の引込口

【解釈第41条(避雷器の施設)】
高圧及び特別高圧の電路中次の各号に掲げる箇所又はこれに近接する箇所には、避雷器を施設すること。

一 発電所または変電所若しくはこれに準ずる場所の架空電線引込口及び引出口

二 架空電線路に接続する第33条の配電用変圧器の高圧側及び特別高圧側

三 高圧架空電線路から供給を受ける受電電力の容量が500kW以上の需要場所の引込口

四 特別高圧架空電線路から供給を受ける需要場所の引込口

次の各号のいずれかに該当する場合は、前項の規定によらないことができる。

一 項各号に掲げる箇所に直接接続する電線が短い場合

二 使用電圧が60000Vを超える特別高圧電路の場合において、同一の母線の常時接続されている架空電線路の数が、回線数が7以下の場合にあっては5以上、回線数が8以上の場合にあっては4以上、のとき。この場合において、同一支持物に2回線以上の架空電線が施設されているときは架空電線路の数は、1として計算する。

【解釈第42条(避雷器の接地)】
高圧及び特別高圧の電路に施設する避雷器には、A種接地工事を施すこと。ただし、高圧架空電線路に施設する避雷器(前条第1項の規定により施設するものを除く、以下この条において同じ)を第24条第2項から第4項までの規定によりB種接地工事が施された変圧器に近接して施設する場合において次の各号のいずれかに該当するとき、又は高圧架空電線路に施設する避雷器(第24条第1項から第4項までの規定によりB種接地工事が施された変圧器に近接して施設するものを除く)のA種接地工事の接地線が当該A種接地工事の接地抵抗地が30Ω以下であるときは、当該A種接地工事の接地抵抗地は、第19条第1項の規定を適用しないこと。

一 避雷器のA種接地工事の接地極を変圧器のB種接地工事の接地極から1m以上離して施設する場合において、当該A種接地工事の接地抵抗地が30Ω以下であるとき。

二 避雷器のA種接地工事の接地線と変圧器のB種接地工事の接地線とを変圧器に近接した箇所で接続詞、かつ、次により施設する場合において、当該A種接地工事の接地抵抗地が75Ω以下であるとき又は当該B種接地工事の接地抵抗地が60Ω以下であるとき。

イ 変圧器を中心とする半径50mの円と半径300mの円とで囲まれる地域において、当該変圧器に接続するB種接地工事が施されている低圧架空電線(引張強さ5.26kN以上のもの又は直径4mm以上の硬銅線に限る)の1箇所以上に省令第20条第3項及び第4項の規定に準じて接地工事(接地線に引張強さ1.04kN以上の容易に腐食し難い金属線又は直径2.6mm以上の軟銅線を使用するものに限る)を施すこと。ただし、当該B種接地工事の接地線が第24条第3項から第5項までに規定する架空共同地線(当該変圧器を中心とする直径300mの円内にB種接地工事が施されているものに限る)である場合は、この限りでない。

ロ 避雷器のA種接地工事、変圧器のB種接地工事、イの規定により低圧架空電線に第20条第3項及び第4項の規定に準じて施した接地工事及びイただし書の架空共同地線における合成接地抵抗地は、20Ω以下であるいこと。

三 避雷器のA種接地工事の接地線と第24条第2項から第4項までによりB種接地工事が施された変圧器の低圧架空電線または架空共同地線とを当該変圧器が施設された柱以外で接続し、かつ、次により施設する場合において、当該A種接地工事の接地抵抗地が65Ω以下であるとき。

イ 変圧器に接続する低圧架空電線及びそれに施す接地工事又は当該変圧器に接続する架空共同地線は前号イの規定により施すこと。

ロ 避雷器のA種接地工事は、変圧器を中心とする半径50m以上の地域であって、かつ、当該変圧器とイの規定により施す接地工事との間に施すこと。
ただし、架空共同地線と接続する場合、当該避雷器のA種接地工事は変圧器を中心とする半径50m以内の地域に施すことができる。

ハ 避雷器のA種接地工事、変圧器のB種接地工事、イの規定により低圧架空電線に施した接地工事及びイの規定による架空共同地線における合成抵抗値は、16Ω以下であること。

※ポイント
【避雷器設置場所】
1.発電所等の架空電線引込口及び引出口
2.架空電線路に接続する配電用変圧器の高圧側及び特別高圧側(解釈第33条)
3.高圧架空電線路から受電電力500kW以上の引込口
4.特別高圧架空電線路からの引込口

以上です!