木曜日, 8月 23, 2007

機械、電力用素子の問題(3種)補足。

ここの補足、です。



問185

図において、電源電圧が正の半サイクルの間は点弧されたサイリスタTbを介して半波整流された電圧が抵抗RとインダクタンスLからなる負荷に印加され、順方向の負荷電流idが流れる。負荷電流が増加している間、インダクタンスLにエネルギーを蓄えつつ流れるから、点弧時点から負荷電流最大値に到るまでの間は、次第に増加し、最大点を超えた後ゼロにいたす間はエネルギーが放出され、電源電圧の正弦波形よりもなだらかに減少する。次いで電源電圧vacが負の半サイクルに入った後は、ダイオードD(フリーホイーリングダイオード)と負荷との回路によってインダクタンスLからのエネルギー放出が継続し、次第に減衰する電流が流れる。したがって、



“点弧”から“負荷電流最大値”まで…【電流ゼロから次第に増加】

“負荷電流最大値”から電源電圧の“正の半サイクルのゼロ点”まで第1のエネルギー放出期間…【正弦波に放電電流が加わった波形】

電源電圧の“半サイクルのゼロ点以降”の第2のエネルギー放出期間…【電源が正の半サイクルが終わった後もフリーホイーリングダイオードDを介して電流が持続し、ゼロに到るまで減少する】、として考える。



注意点として(他の選択肢が違う理由)

・サイリスタThyは電圧ゼロ点で消弧するし、逆電流を流す事もない。

・インダクタンスLの影響を考える。

・フリーホイーリングダイオードDの影響が機能しているかどうか

・インダクタンスLにエネルギーを蓄え、その後放出する電流も加味する



問186

・光トリガサイリスタは、ゲートに加えられる光信号によってターンオンするが、ターンオフする事はできない。

・逆阻止三端子サイリスタは、一般にサイリスタと呼ばれており、広く普及しているもので、ゲート信号によりターンオンできるが、消弧能力はない。

・ゲートターンオフサイリスタ(GTO)は、その名の通りゲート信号によってオンの外にターンオフも可能なように構成されている。

・ダイオードは、制御機能を持たない最も簡易な整流素子で、交流を整流して直流とする際に使用される。

・TRIACはサイリスタ2個を逆並列にしたものに相当し、正逆相方向の電流のターンオン制御ができる。



問187

パルス幅偏重方式(PWM)の直流チョッパは、周期が一定で電圧パルスの幅を変化させる事により出力電圧を変化させるものである。直流電動機を減速させるには、周期一定でパルス幅が次第に狭くなる波形を選べばよい。



問188

三相交流電源に端子U,V,Wを接続した際に、例えば端子Uに接続された上側のダイオードを順方向に流れて(+)端子から出た直流電流が、図示されていない付加を通り、下側のダイオードを経て入力側のいずれか、たとえば端子Vにイたる回路を考えればよい。



問189

GTOはその名の通り、ゲートに負パルスを加える事によりターンオフできる自己消弧形の素子であるため、転流回路が不要となるた大容量インバータなどに多く用いられている。また、パワートランジスタに比べて高耐電圧化が容易であり、高電圧・大容量装置に適するもの、とされている。

冷却装置は不可欠。



以上です。