金曜日, 4月 11, 2008

07年電力管理 問5(補足)

ここの補足、です。
問題文、解答内容については、ここ参照で。

問5
【解説】
1999年の二次試験、問5に類似問題がでています。とりあえず、考え方等は同じはずなので、そのまま転記します(手抜き)。


変圧器の絶縁耐力試験の具体的な試験回路に関する実務的な問題である。

一般に、定格電圧110(kV)以上の変圧器は中性点側に絶縁方式を採用しており、誘導法により絶縁耐力試験を行うため試験方法の自由度が大きい反面、各部分の発生電圧に十分注意する必要がある。

問題の回路の一次側Y巻線U相、W相を2相直列に接続して単相電圧を印加する場合、中性点Oの電位が印加電圧の1/2になる保障はない。鉄心が三脚鉄心の場合を考え、各相の巻線の作る磁束をΦ,Φ,Φとすると、

Φ+Φ+Φ=0

五脚鉄心、外鉄形、単相変圧器3台接続の場合はさらに多くの磁路が存在するが、デルタ巻線があるので必ず同じ関係式が成り立つ。

したがって、残りのV相の巻線を短絡してΦ=0とすれば、

Φ=-Φ

となり、中性点Oの電位は印加電圧の1/2倍になる。

変圧器二次側の誘導電圧を計算するときは、Y-Δ結線なので、変圧比は154000/√3(V)/6600(V)であることに注意しよう。

また、電気設備技術基準の解釈第17条で示されている単相交流電源による試験方法は、「試験される巻線の中性点端子及び接地される端子以外の任意の1端子と大地との間に単相交流の試験電圧を連続して10分間加え、さらに中性点端子と大地との間に最大使用電圧の0.64倍の電圧を連続して10分間加える」ものである。問題の回路はW相を接地してU相に試験電圧を印加する回路を示しているが、接地相を取替えて合計3回試験する。さらに、それだけでは中性点には試験電圧の1/2倍の電圧しか印加されないので、1.1/√3=0.64倍の電圧を印加して試験する。


これ、じっくり考えれば他の問題より簡単でしたね。例が出てるし。文章題部分も、さほど難しくない。下手に他の計算問題に手を出すよりも、確実にこの問題を半分解くほうが懸命だったように感じています…。このあたりも、次回の課題ですね。

以上です。