水曜日, 5月 02, 2007

電流帰還バイアス回路について、補足。

恒例ですが…、ここの補足です。

電流帰還バイアス回路。もっとも使われているバイアス回路、らしいです。
(本文ではR等添え字を大文字で表記してますが、面倒になったのでこっちでは小文字で…)

Ra、Rbは電圧Vccを分割するもので、ブリーダ抵抗と呼ぶ事もあるらしいです。
Reはエミッタ抵抗で、安定抵抗とも呼ばれます。文字通り、バイアスを次のように安定させる働きがある。

1.ベース電流Ibの10倍以上の電流Iaをブリーダ抵抗Raに流すと、
トランジスタ特性のばらつきでベース電流が変化しても、
Raの端子電圧Vraはほぼ一定に保たれるようになる。

バイアス電圧Vbeは、Vbe=Vra-Ve=Vra-ReIe で表される。

2.トランジスタの温度が上昇し、Icが増加しようとした場合、次の1~6の過程を経て、
コレクタ電流Icの増加が抑制される。
1.Icが増加する
2.Ieが増加する
3.Ve=ReIeによりVeが増加する
4.Vraはほぼ一定で、Vbe=Vra-VeによりVbeが減少する
5.Vbeの減少でIbが減少する
6.Ibが減少すればIcも減少し、Icの増加が抑えられる。

このように電流帰還バイアス回路は回路は複雑で消費電力も多いが、
温度変化に対する安定度が良い。

補足の補足になりますが…、
この回路ではエミッタ抵抗Reに交流分が生じる、らしい。そうすると増幅度が低下する、と。
そのため、Reと並列にバイパス用コンデンサCeを接続するそうです。