金曜日, 5月 04, 2007

直流回路の補足(長め)

さて、まずはここでの予告通りテブナンによる解法を。

まず、負荷抵抗Rの端子から見た回路網抵抗は、電圧源は抵抗0と見るので、
Z0=R1〃R2=R1R2/(R1+R2)

また、負荷端子を開放した時の、開放電圧は、
電源E1から見て、R1、R2の直列で、R2での電圧降下分、
電源E2から見て、R1、R2の直列で、R1での電圧降下分、
これらの和となるので、
E0=E1R2+E2R1/(R1+R2)

これらから、負荷電流I=E0/(R+Z0)なので、
I={E1R2+E2R1/(R1+R2)}/{R+R1R2/(R1+R2)}
分子分母にR1+R2掛けると、
I=(E1R2+E2R1)/(R1R2+RR1+RR2)

となります。

テブナンの定理において、消費電力が最大となる時は、
負荷抵抗=回路網抵抗の時なので、
(厳密には複素数の時には共役複素数になっているとき
→実部が等しく、虚部の大きさが同じで符号が逆)

消費電力が最大となる負荷抵抗Rは、
R=Z0=R1R2/(R1+R2)
が求められます。

出題者によると…、
よく使っている方法で、分母に変数(ここではR)を纏めた多項式とし、
分母の各項の積が一定の時、項が等しいとおけばその時分数は最大、
という解き方でも解けますが、「あえて」微分する解法で、だったらしいです。
「2種らしく」との事。
たしかに、分数の微分が解けることも大事ですが…、
この数年受験してきて、特に理論は、
「早く、速く解ける方法をチョイスすべき」
が最重要かと思われます。
ここにおいて、出題者の「2種らしい」解き方には甚だ疑問だなぁ。

と、これはさておき、この問題のポイントは、
「負荷抵抗=内部抵抗の時、消費電力は最大になる」
という所。
このことは、進行波やインピーダンスマッチングの話とも共通する所。
計算問題ができるだけでなく、横の関連も視野に入れながら勉強すると面白い、らしい。
(個人的にはわからなくはないけど、試験対策としては?)
で、上でも触れているように、交流回路で複素演算の場合は、
共役の関係になる場合が最大、となります。解説では、
「各自、導出を試みてもらいたい」と締めていますが…、

単純に、消費電力→抵抗分(有効分)の電力で、
負荷インピーダンスに無効分はない方がいい。
なので、虚部は±の関係にし、実部に関してはこの問題と同じ考えで、
回路網=負荷 の時、と考えるとまぁ、そうでしょうね、と。
全然導出していませんが…、

電気を学んできて、実務でも活用して、その上での実感として、
大事な事は、学問として+意味を理解する事、かと。

そういう意味では、この程度の理解でも十分OKだと思うんですが…。
(と、熱く語っても同調してくれる方は少ないのが残念です…)