水曜日, 5月 09, 2007

同期機の問題、の、補足。

同期機です。
メインはここです。

各始動法について、ちょっと詳細に…。

1.自己始動法
停止中の同期電動機の、電機子巻線に直接電源を接続する始動方法であり、
回転子の始動巻線(制動巻線)を利用し、誘導電動機の原理により自己始動して加速する。
回転速度が同期速度に近くなった時、励磁を与えて系統への同期引き入れを行う。
なお、自己始動法は、始動時の突入電流が大きく、電源系統へ動揺を与える事がある。
この電源系統へ及ぼす動揺を軽減させる方法として、
始動補償機(リアクトル、単巻変圧器)を用いた低電圧始動方法がある。

2.始動電動機による始動
同期電動機と機械的に結合した誘導電動機または誘導同期電動機などを用いて始動させる方法。
始動電動機として誘導電動機を用いる時は、その極数を同期電動機の極数より1極対だけ少なくし、
同期速度以上に加速した後、電源を遮断し、減速の途中で速度を合わせて同期投入する。

3.同期始動法
始動用発電機と同期電動機とを、停止状態であらかじめ電気的に接続しておき、
両機に励磁を与えた状態で始動する方法がある。
電動機は、発電機に同期しながら加速されて定格回転速度になったとき、系統に並列する。
揚水発電所の発電電動機の始動用としてよく用いられる。

4.低周波始動法
自己始動法と同期始動法を組み合わせた方法である。
始動発電機を定格速度の80%程度まで加速し、
端子電圧を60%~70%程度になるような励磁で運転しておき、
これに同期電動機を電気的に接続する。
電動機は自己始動の原理で加速される一方、発電機は減速する。
両機の速度がほぼ同一となったとき電動機に励磁を与えて同期化し、
以降は同期始動の原理で加速する。
低周波始動法の特徴は、電源系統に動揺を与えない点、
同期始動法と異なり始動発電機を停止する必要がなく、複数台を起動するとき順次起動が容易で、
始動時間が短縮される点にある。

5.サイリスタ始動法
停止中の同期電動機にあらかじめ励磁を与えておき、電動機の回転子磁極位置に応じた電流を
サイリスタ変換器により電機子に供給して始動する方法である。
サイリスタ始動法は、電動機に与える電源周波数を徐々に高く変えることで、
この電源周波数と同期して回転する電動機の回転速度を停止状態から定格速度まで上昇させる。
始動完了後の系統への同期投入は、電動機をいったん同期速度以上に加速して
変換装置を引き離した減速途中で同期引入れする方法と、
せん速制御を行って同期投入した後、変換装置を切り離す方法とがある。