金曜日, 5月 11, 2007

電圧変動率の問題。

ここの補足です。

電圧変動率は、定格周波数において、指定の力率、指定の出力(特に指定がなければ定格)の下に、
二次巻線の端子電圧が定格値となるように二次電圧を調整しておき、
これを変えずに変圧器を無負荷にしたときの二次端子電圧の変動の割合をいい、次式で表される。

電圧変動率ε=(V20-V)/V ×100(%)

ただし、V:定格二次電圧、V20:無負荷二次端子電圧

ベクトル図及び等価回路は手書きの図参照ですが…、
これにより、V20はVと巻線抵抗Rの電圧降下、巻線リアクタンスXの電圧降下、の、
ベクトル合成となっている事がわかる。
つまり、ここからεの式を変形できるが(式が混むので割愛)、
ここで、インピーダンス電圧が定格の20%を越えない範囲では、
この式は二項定理を用いて展開すると近似的に、
ε=p×cosθ+q×sinθ+{(p×sinθ-q×cosθ)^2}/200
となる、らしい。

ここで、pは百分率電圧降下で、IR/V×100(%)
qは百分率リアクタンス降下で、IX/V×100(%)

インピーダンス試験は、変圧器の一方の巻線を短絡して、
他方の巻線に低角周波数の電圧を徐々に上昇させて、
電流が定格電流に達した時の電圧、消費電力を測定する。
この時の電圧V2Sがインピーダンス電圧、消費電力がW2Sがインピーダンスワットである。

この関係を、p、qの式に代入すると、
p=IR/V×100=I^2・R/(VI)=W2S/P×100
ここで、Iは定格電流で、Pは、定格電流×二次電圧、という事で容量、となる
また、I^2・Rは、定格電流×巻線抵抗、という事で、上の試験で求めたインピーダンスワット、となる。

ここで、百分率インピーダンス降下について考える。
これは、インピーダンスR+jXによる、合成の電圧降下であり、
単純に開放時の端子電圧(定格)Vと、
負荷短絡時、定格電流時の電圧(巻線合成インピーダンスによる電圧降下分)、のV2S
の、比となる。
つまり、V2S/Vとなる。
また、これはR+jXによる、という事で、インピーダンスの大きさは、√(R^2+X^2)。
つまり、ここから逆算すると、リアクタンス降下は、√(z^2-p^2)となる。

これらから、電圧変動率を求める事ができる。

ん~。時間あったらもちょっと突き詰めてみたいところですが、
割り切るところは割り切らないと、ですな。

以上!