日曜日, 5月 13, 2007

ポンプの動力についての問題。

ここの補足。

羽根車をケーシング内で回転させて流体にエネルギーを与える装置を、
ターボ形ポンプと称する。
ターボ形ポンプは、羽根車出口の流体の流れ方向によって、
遠心ポンプ、斜流ポンプ、軸流ポンプに分類される。

まず、比速度について。
水力発電、水車の所でもよく出てきますが…、
比速度とは、1mの揚程、1m^3の水量を送るのに必要な回転速度、
で定義されます。
最高効率点での性能に対し、ポンプの比速度Nsを求めると、

Ns=NQ^(1/2)/H^(3/4)
ただし、N:回転速度(min^-1)、Q:吐出量(m^3/min)
H:全揚程(m)
この式から求められるNsが小さい場合は、
一般に小流量・高揚程のポンプに、
Nsが大きい場合は、大流量・低揚程に適する。
ちなみに、各ポンプの比速度の概要は、
遠心ポンプ:100~800
斜流ポンプ:350~1300
軸流ポンプ:1000~2500
である。

一定回転速度におけるポンプの特性
手書きの図参照(左と中央)。
これでもわかるように、全揚程曲線(左図)は、
垂下特性を有しており、揚程が高くなると水量低下、
揚程が低くなると水量増加、の特性をもっている。
しかし、所要動力(中央図)によると、
遠心ポンプでは水量の減少に伴って動力は減少するが、
軸流ポンプでは水量の減少に伴って動力は増加する。
(これが不思議だけど、詳細が書いた資料発見できず…)

これより、遠心ポンプでは吐出弁を全閉にして起動する。
(流量がなし→動力が少なくてOK)
逆に、軸流ポンプでは吐出弁を全開にして起動する。
(最初から、極力流量を出す)

回転速度が変化する場合の特性
回転速度N1,N2,N3の場合の、全揚程及び軸動力の、
特性が手書き右の図。
実揚程と管路損失曲線との和で求められる抵抗曲線と、
各回転速度における全揚程曲線とが交わる点、
H1,H2,H3が、おのおのの運転点となり、
その時の軸動力がP1,P2,P3となる。
相似則が成り立つ範囲においては水量は回転速度に比例し、
揚程は回転速度の2乗に比例する。
また、軸動力は回転速度の3乗に比例するので、
速度制御を行う事によって効率的な水量調節が可能である。

使用される電動機
メインにもあるように、主にかご形三相誘導電動機。
しかし、始動電流が大きい為、電源容量に余裕がない場合、
また、速度制御を行う場合には巻線形~が用いられる。

ポンプの問題でした。