金曜日, 5月 25, 2007

無効電力補償装置の問題、の補足

ここの補足。

無効電力補償装置についての問題です。
1.受動形無効電力補償装置
問題文にあるもの、ですが、さらに補足分を。
サイリスタと、リアクトル及びコンデンサを用いて構成したもので、
リアクトル制御形と、コンデンサ・リアクトル併用制御形とがある。

リアクトル制御形の回路構成は手書き左図に示すとおりであり、
サイリスタの点弧角を制御することでリアクトルに流れる
無効電流を可変制御して、無効電力を制御する。
この方式では、ここでもあるように高調波が多く含まれる波形となるため、
LCフィルタを併設して高調は電流を吸収している。
リアクトル制御形は連続制御が可能で、応答が速いという特徴がある。

一方、コンデンサ・リアクトル併用制御形は、手書き右図に示すように、
コンデンサ側に設けたサイリスタをON/OFF制御して、
無効電力を粗調整するとともに、
リアクトル側に設けたサイリスタを位相制御して無効電力を微調整する。
このように制御する事によって無効電力を連続的に制御する事が可能となる。
コンデンサ・リアクトル併用制御形は、リアクトル制御形に比べて、
その回路構成がやや複雑となるが、遅相電力だけでなく、
進相電力の連続制御が可能である。
また、損失が少ないという特徴がある。

2.能動形無効電力補償装置
能動形無効電力補償装置は、自励式インバータを用いて構成したものである。
能動形には、電圧形インバータ方式と、電流形インバータ方式とがある。

(a)電圧形インバータ方式
この方式は、電圧形インバータ系統と同じ周波数で、
ほぼ同一位相の正弦波電圧を発生させ、変圧器を介して系統に与えるものである。
この方式では、インバータの出力電圧を高くすると進相無効電力が発生し、
電圧を低くすると遅相無効電力が発生する。
電圧形インバータ方式は、このようにインバータの出力電圧を可変する事によって、
進相および遅相の無効電力を連続的に制御することができる。

(b)電流方インバータ方式
電流形インバータ方式は、電流方インバータと系統とを変圧器を介して接続する。
そして、インバータに流れる電流の位相を変化させて、
進相、または遅相の無効電力を連続的に調整する。