土曜日, 6月 16, 2007

02年の法規シリーズ、問3,4の、補足。

ここの補足。

問3
a.は電気設備技術基準第13条「特別高圧を直接低圧に変成する変圧器の施設制限」
からの出題である。
b.は電気設備技術基準の解釈第34条「特別高圧を直接低圧に変成する変圧器の施設制限」
からの出題である。

低圧と特別高圧とを直接結合する事は、事故時に低圧電路に特別高圧が入り込むおそれがあるため、
具体的に規定されたもの以外は施設が禁止されている。

低圧の電路は、一般公衆の身近に設置され、かつ絶縁耐力が低いので、
特別高圧から直接降圧しないで、特別高圧から高圧に、
さらに高圧から低圧と言うように変圧するのが一般的である。
しかし、2段階で降圧することが、経済的、技術的に適当でない場合もあるので、次のように、
具体的な場合を規定して施設が認められている。

bの1は、電気炉など大電流を必要としている場合で、2段階で降圧する事により、
電力損失が増加したり、機器や配線が高価になって不経済である。電気炉などは、
大地から絶縁されないのが一般的で、混触による電位上昇の可能性も低く、
地絡保護がしやすいことから認められている。

2は、発電所、変電所の所内用変圧器は、一般公衆が立ち入らない場所に設置することから
例外とされている。

3は、11.4kV特別高圧用架空電線路に設置する変圧器で、
高圧配電用変圧器と同等とみなされている。

4は、35000V以下の変圧器であれば、混触時に自動的に遮断する事により
危険性を低く抑える事ができる。

5は、巻線間に混触防止板があれば、低圧側に高電圧が侵入するのを防ぐ事ができる。

6は、使用される変圧器は、巻線間に混触防止板が入っており、
一般の低圧機器が接続される電路もないので例外となっている。

問2
電路は原則として大地から絶縁しなければならないことを電技第5条ならびに解釈第13条で
規定しているが、解釈13条では例外として(a)B種接地工事の接地点、
(b)計器用変成器の2次側の接地点、(c)電路の中性点接地の接地点、
(d)特別高圧架空電線路に併架した低圧架空電線の接地工事の接地点、
(e)試験用変圧器や電車線の帰線(レール)などの電路の一部を絶縁しないで
電気を使用することがやむをえないもの、
(f)電気炉や電気ボイラなど、大地から絶縁する事が技術上困難の物については例外としている。

この絶縁レベルについては、

(i)高圧、特別高圧の電路・機械器具の絶縁耐圧(解釈14条)
(ii)低圧配線などの低圧電路の絶縁抵抗(解釈14条)
(iii)低圧配線などの低圧電路の絶縁抵抗(電技58条)

で規定されている。

電技では、対地電圧を150V以下、300V以下、300V超過の3段階に分けて規制している。
この対地電圧は「非接地式電路では線間電圧を言う」と定義されており注意を要する。
「最大値用電圧」は普通の運転状態でその回路に加わる線間電圧の最大値をいい、
事故時そのほかの以上電圧は対象外であるが、軽負荷運転または無負荷運転時の
電圧上昇は考慮する。
個別に検討して決定できない場合には公称電圧を用いて次に様に決定している。

(i)公称電圧1000V以下の電路は、その公称電圧の1.15倍
(ii)公称電圧1000Vを超え、50万V未満の電路では、その公称電圧の1.15/1.1倍

耐圧試験を行う場合に、電線にケーブルを使用する交流の電路(14条)や
電線にケーブルを使用する機械器具の交流の接続線または母線(18条)については充電容量が
大きい事により耐圧試験設備が大型化してしまう事を考慮して、
試験電圧の2倍の直流電圧による直流耐圧試験が認められている。
交流の回転器については試験電圧の1.6倍の直流電圧を加えて試験することができる(15条)


以上です。