日曜日, 6月 17, 2007

02年の法規シリーズ、問5、6、7の、補足。

ここの、です。

問5
地球温暖化問題をはじめとして、再生可能エネルギーや未利用エネルギーの
積極的な活用が提唱されている。地表に降り注ぐ太陽光エネルギーは1[kW/m^2]であり、
太陽電池がこれを電気エネルギーに変換する効率を太陽電池の変換効率という。
理論上の変換効率は30%といわれており、実験室レベルでは単結晶4cm^2クラスで
24%の変換効率が達成されているが、電池の大型化、低コスト化、量産化、
高信頼化を図りつつ、発電用として実用的なレベルにおいては18%台となっている。
太陽光発電は日負荷曲線のピーク負荷の時間帯に最大電力を供給する事ができるため、
負荷平準化(ピークカット)に寄与する。

風力発電は、デンマーク、オランダなどで急速な導入が行われており、
これらの国では風力エネルギーはエネルギー源としての地位を確立している。
風力エネルギーは間欠的であるため、風力エネルギーを有効活用するため
可変速運転が行われ、インバータを介した直流リンク方式が用いられる。
風力発電の総合効率は20~40%である。

自然エネルギー利用発電の発展には、導入のための資源量評価、
補助金制度さらには電力の購入制度など、国による支援策が寄与する所が大きく、
わが国でもニューサンシャイン計画の下で新エネルギー・産業技術開発機構(NEDO)
において、「全国日射関係データマップ」や全国を対象に1kmメッシュで風力発電の
有望地域などを明らかにした「全国風況マップ」が作られている。
(NEDOホームページで各種報告書、ハンドブックがダウンロード可能)
コージェネレーションシステムや自然エネルギーを利用する太陽光発電や風力発電等の
分散型電源を電力会社の電力線と系統連系する際には、転送遮断送致もしくは
単独運転検出装置を設けることが、「系統連系技術要件ガイドライン」に規定されている。
発電装置が連系している電力系統の事故時に、分散型電源だけで発電を継続し、
局所的に系統側に電力供給している状態を単独運転といい、
逆潮流による保守員の感電や非同期投入のおそれがある。これらを防止するため、
単独運転状態を検知し、電力系統からの分散型電源を分離する物である。
電力会社の送り出し遮断器の開放信号を転送し、発電機の連系用遮断機を開放
させるものが転送遮断装置である。

近年では、高価な転送遮断装置に代わり、パワーコンディショナのような
単独運転検出機能、系統安定化装置、保護装置、インバータなどがパッケージ化された
分散電源の連系運転装置が出現している。
問題では「単独運転となることを防止する装置は何か」を問うているため、
連系運転装置よりも転送遮断装置のほうがより題意に近い。

問6
甲種風圧荷重は、風速40m/sを仮定して風洞実験の結果を基に定めた物である。

乙種風圧荷重は、電線その他の架渉線にあってはその周囲に厚さ6mm、比重の0.9の
氷雪が付着した状態で垂直投影面積1m^2当たり490Pa(50kg)
(多導体の物にあっては440Pa)、その他の物にあっては甲種風圧荷重の1/2を
基礎として計算したものである。

表はこちら

丙種風圧荷重は、甲種風圧荷重の1/2を基礎として計算したものである。

風圧荷重は、支持物の施設場所と季節に応じて表の荷重を適用する。
(電技32条、解釈57条)

人家が連なる場所に施設する場合であって、低圧または高圧の架空電線路
ならびに35000V以下の特別高圧電線路では、丙種風圧荷重を適用する事ができる。

問7
中性点接地の目的、接地方式の得失、適用範囲を理解しておく必要がある。
各種接地方式の主な特徴を表に示す。
わが国の高圧配電線路はほとんど非接地方式である。
これは、一線地絡時に健全相対地電圧が√3倍の線間電圧に上昇するが、
地絡電流、高・低圧混触時の低圧線の電位上昇が低く、
併架することが多い通信線への誘導障害が小さいという利点のためである。

表はこちら