月曜日, 6月 25, 2007

四端子定数の問題1(補足)

ここの補足。

<解答のポイント>
図1のよな入力端子2、出力端子2の四端子回路において入力電圧および入力電流が、
出力電圧および出力電流の関数として表すことができれば、回路の中身を意識することなく、
入力端子の電圧と電流だけでさまざまな回路を取り扱うことができる。

四端子回路を構成する素子がすべて受動素子でダイオードや励磁回路インピーダンスのように
非線形でなければ、入力電圧および電流と、出力電圧および電流の関係は
次式のように表すことができる。

=AE+BI  (1)
=CE+DI  (2)

このときのA,B,C,Dを四端子定数という。

四端子定数のメリットは、図1のように回路の詳細は不明であっても、
その性質を四つの定数だけで取り扱いができるところにある。

また、四端子定数は次の特徴を持つ。

AD-BC=1
A=D (対象の時だけ)

(1)式および(2)式を行列で表すと、

|E|  |A B||E|
|  |=|   | |  |
|I|   |C D||I|

行列はただの並びのことだが、よく似たものに行列式がある。
行列式はそのものに値を持ち、A~Dの行列の、行列式は、
AD-BC
と表す。まったく違うものなので、注意が必要である。

<問題の解答>
詳細は、メインを参照です。ポイントとして、

四端子定数を求める場合、出力側を開放すればI=0、この時A,Cが求められ
出力側を短絡すればE=0、この時B,Dが求められる。

また、問題の図3の別の解答として、図1と図2の直列接続とみなす方法がある。
これは、直列接続の場合、四端子定数の行列の積で求められる、
という性質を使えば、OK。

ここで、行列の積を求めるときは、順番が異なると結果が異なる場合があるので、注意です。
(行列Xと、行列Yにおいて、「X・Y=Y・X」になるとは限らない)