金曜日, 8月 03, 2007

理論、電子理論の問題、の補足。

ここの補足、です。

問1 磁界中の電子の運動
【解説】
磁束密度B(T)の平等磁界に直角に進入した初速度v(m/s)の電子はフレ

ミングの左手の法則により、つねに進行方向と垂直方向にローレンツ力を受ける。本問の電子の場合、

ローレンツ力は向心力となり、x-y平面状の等速円運動を行う。本問は、ローレンツ力、半径などを

問う、基礎的な問題である。

解法は手書き及びメインを参照として…、ポイントは、
・ローレンツ力Fは電荷×速度×磁束密度であり、本問では向心力となる。
(通常、方向はフレミングの左手の法則に従う)

・フレミングの左手の法則を適用するとき、電流は電子の移動方向と逆にとる。

・等速円運動で、速度v、半径rの時、円周は2πr。
→1周の時間(周期)Tは、2πr/vとなる。

・遠心力はF=maを基に算出する、が、そこにはx-y軸に分けた計算が必要。
(手書き参照。過去にもやってるし)

あたりです。

ちなみに、周期Tは、上記の通り円周2πrを速度vで割ればよいので、

T=2πm/Be

となり、初速度には無関係となる。

問2 半導体
【解説】
本問題は、真性半導体に、不純物として3価の元素を加え、p形半導体とした場合の移動度、電流密度

、p形、n形半導体に関する基礎知識を問う問題である。

自由電子と正孔は、電気伝導を担うもので、キャリアと呼ばれ、自由電子は負キャリア、正孔は正キャ

リアとも呼ばれる。
(ちなみに、問の問題文に間違いがありましたね)

またまた、ポイントを。

・よく言うことですが、この類の問題では(定数が出る場合もあるけど)単位の換算で計算式が考えら

れます。本問では、電流がC/s(電荷/秒)と定義される事さえ抑えれば、後は特に換算する必要も

なく電流密度(の式)は求まります。

・また、移動度の意味合いを考えてもOK。移動度はある物質内を、あるエネルギー(ここでは電界)

に応じて、単位面積内を単位時間でどれだけ動けるか、を電荷の個数で表します。と言う事は、移動度

に電界と電荷を掛けると電流密度になる事がわかります。(日本語ではわかりにくいですね)

・p形半導体では正孔が多数キャリアであり、n》n

となり、nは無視できます。
逆に、n形半導体では正孔が多数キャリアであり、n》n

となり、nは無視できます。

・ガリウム、ホウ素、インジウムなどが3価の不純物で、アクセプタという。

・ヒ素、リン、アンチモンなどが5価の不純物で、ドナーという。

以上ですかねぇ…。