月曜日, 10月 29, 2007

二種二次試験電力管理、H11問1,2、補足。

ここの補足
です。
問題文、解答内容については、ここ参照で。


問1
【解説】
流況曲線から自流式水力発電所の発電電力量を求める問題である。類似の問題は第3種でも何度も出題されているが、総合効率の流量による変化を考慮する点が新しく、計算の複雑さから第2種の問題となっているのであろう。

流 況曲線は、横軸に365日、縦軸に河川流量をとり、流量の大きなものから順に左から配列して、これらの点を結んだものである。河川により、また、地方によ り異なる。流況曲線は発電計画にとって重要なデータであり、数年、十数年の記録をもとに平均流況曲線を作るか、または平均に近い都市の流況曲線を使用す る。

流況曲線から、渇水量(1年のうち355日これより下らない流量)、低水量(1年のうち275日これより下らない流量)、平水量(1 年のうち185日これより下らない流量)、豊水量(1年のうち95日これより下らない量)が決まる。その他に流量の種別として、高水量(毎年1~2回生ず る出水の流量)、こう水量(3~4年に1回生ずる出水の流量)などが定められている。

発電所の最大出力は、最大使用流量90(m^3/s)に対する出力なので、基本式P=9.8QHηに代入すればただちに求まる。

年 間発電電力量の算出においては、90日を超える日数に対する出力Pは、Qおよびηがそれぞれ日数Tの一次式なので、Tは二次式になる。これを90日から 365日まで積分すれば発電電力量が求まる。Tの単位は(日)なので、(kWh)に直すには24を掛けることを忘れないようにしよう。

発電所の年間利用率は、年間最大電力に対する年平均発電電力の比率である。解答のように、最大出力で1年間(8760時間)発電したときの電力量で年間発電電力量Wを割ってもよいし、Wを8760で割って年平均電力を算出してから求めてもよい。

問2
【解説】
電 力系統において、発電機故障、電源送電線事故などにより大容量電源が脱落すると供給力が不足して周波数が異常低下し、汽力発電所や原子力発電所のタービ ン、タービン発電機、補機類などが影響を受ける。このうち、もっとも大きな制約となるのが低圧タービンの最終段またはその前段の動翼の共振である。一般 に、汽力発電所のタービンには高圧、中圧、低圧の3種類があるが、低圧タービンの動翼は細長い構造なので固有振動周波数が低く低周波運転を継続すると動翼 の振動による繰り返し応力が加わって寿命短縮や疲労破壊を起こす。電力系統の周波数が異常低下して汽力発電所や原子力発電所のタービン発電機が解列される と、さらに供給力が不足して周波数が低下するので、最終的には全停にいたる。このため、ガバナフリー運転、緊急融通など瞬時予備力の確保、系統分離、揚水 機遮断、負荷制限などの対策により速やかに周波数を回復させる対策を講ずるとともに、解答のような点に留意して運転する必要がある。