水曜日, 10月 24, 2007

二種二次試験電力管理、H12問1,2、補足。

ここの補足、です。
問題文、解答内容については、ここ参照で。


問1
【解説】
各率のうち、δ、δ、Rの定義はよく知られているが、δの定義は幾分複雑である。

JEC-4001-1992年“水車およびポンプ水車”によると、

δ:水圧変動率(%)、pmax:最大水圧値(m)、pst:水車停止時における水車中心の静水圧(m)、Hst:静落差(m)として、

δ=(pmax-pst)/Hst ×100(%)

となっている。

これを問題で与えられた記号にすると、次式のようになる。

δ=(hmax-h)/(z-z) ×100(%)

ここで、pstは、pst=z-zとも考えられるが、JECではpstは静水圧であり、静落差と区別しているので、pst=hとするのが妥当であろう。なお、pstは「停止時における」だから、遮断前(運転時)のhでなく、安定後のhとする。


問2
【解説】
(1)節炭器(economizer)
ボ イラの煙道中に配置された熱交換器で、燃焼ガスの熱を利用して、給水温度を高める働きをする。節炭器の設置は、ボイラの効率を高めるためだけでなく、給水 温度の上昇によって、罐水との温度差を減らし、ドラムの熱応力低減にもつながる。節炭器はガスの流れに対し直角に配置されることが多く(横置形)、チュー ブはフィン付管(チューブにひれをつけ電熱面を増やしたもの)が多く使用される。

節炭器出口の水の温度は、飽和温度よりやや低めに設計されており、節炭器内で蒸気が起こらないようにしている。

(2)過熱器、再熱器(superheater、reheater)
過熱器や再熱器は、基本的に耐熱性の優れた鋼管をU字形に曲げて製作されるが、その配置や伝熱方式などにより次のような分類ができる。

1.配置による分類
U字形管を水平に配置した横置形と、上から吊り下げた吊り下げ形とがある。

2.流動方向による分類
ガスの流れ方向と蒸気の流れ方向が一致する並流式と、逆方向になる逆流式および、混合式がある(第1図参照)。

3.伝熱方式による分類
火炉の放射熱を直接受ける放射形と、ガスの接触により加熱される対流形とがある。ボイラ負荷が増加した場合、照射形は降下特性、対流形は上昇特性をもっているので、この2種類を組合わせると比較的均一な温度特性が得られる。

なお、蒸気温度の制御方法としては、バーナーの傾きを変化させる方法、蒸気中に水を混合(スプレー)する方法(過熱低減器)、過熱器と再熱器に流れるガスの配分をダンパで変更する方法、燃焼ガスの再循環などの方法がある。

(3)空気予熱器(air heater)
煙道ガスの熱を改修し、燃焼用空気の温度を200~300℃まで高める熱交換器である。種類としては、板形、管形および再生式がある。

板 形は鋼板をへだててガスが空気を熱するもの、管形は鋼管中をガスが流れ、外側の空気を熱するもの、再生式は第2図に示すように回転するバスケット(波形鋼 板を円筒形に組み立てたもの)がガス側から空気側へ熱を伝えるものである。最近の大容量ボイラではほとんどが再生式の空気予熱器を備えている。

空 気予熱器出口のガス温度はふつう120~150℃程度で設計されている。ガス出口温度は低いほどボイラ効率は良いわけであるが、あまり低くなると、ガス中 に硫酸分が生じ、伝熱面を腐食するので(SO2→SO3→H2SO4)、下がりすぎないよう制御する装置が設けられている。

以上です。