土曜日, 10月 27, 2007

二種二次試験機械制御、H12問1,2、補足。

ここの補足、です。
問題文、解答内容については、ここ参照で。


問1
【解説】
固定子巻線の等価回路は第1図に示すようになるので、星形一相換算の一次巻線抵抗値は測定値の1/2となる。

無負荷試験は第2図に示すように、誘導電動機を定格電圧で無負荷運転して、入力電力と入力電流を測定する。この無負荷試験では、鉄損と機械損を求めることができる。

拘束試験は第3図に示すように、回転子が回転しないように固定する。このとき電流計の指示を定格電流調整したときの電圧計の指示値をインピーダンス電圧という。

誘導電動機の回転子側に流れる電流Iは、定格電圧V(V)とすれば、

=V/Z
 =(V/√3)/√{(r+r/s)^2+(x+x)^2}

回転子側の抵抗(二次抵抗)r/sは、第4図に示すように巻線抵抗rと滑りsによって変化する等価負荷抵抗に分けることができる。

この等価負荷抵抗の消費電力が電動機の出力に等しい。よって、

=3I^2×(1-s)/s ×r

となる。

問2
【解説】
三相同期発電機を無負荷、定格回転速度で運転し、励磁電流を変えたときの発電機端子電圧の変化を表した曲線を無負荷飽和曲線という。同期発電機では励磁電流の増加に比例して端子電圧も増加するが、やがて磁路に飽和が生じるので発電機端子電圧が飽和する。

発 電機の出力端子の全てを短絡し、定格回転速度で運転し、励磁電流を変えたときの発電機出力電流の変化を表した曲線を三相短絡曲線という。この曲線は電機子 反作用によって磁束が打ち消されるので飽和することがなく、ほぼ直線となる。第1図に三相同期発電機の無負荷飽和曲線と三相短絡曲線を示す。この二つの特 性曲線から次式に示す定義をしたものを短絡比という。

短絡比K=if1/if2=I/I
 =I×Z/(I×Z)=V/(I
 =1/Z(p.u.)

ただし、Z(p.u.):単位法で表した同期インピーダンス

短絡比は同期インピーダンスの逆数(単位法)と等しくなる。短絡比の違いによる同期機の特性を第1表に示す。

【別解】
(5)定格出力P(VA)、定格電圧をV(V)とすれば定格電流I(A)は、

=P/√3V
 =(5000×10^3)/(√3×6.6×10^3)
 =437.38(A)

題意から電機子巻線抵抗を無視しているから短絡比をKとすれば、同期リアクタンスxは、

={(V/√3)×(1/K)}/I
 ={(6600/√3)×(1/1.1)}/437.38
 =7.920(Ω)

ベクトル図から、

ob=6600/√3=3810.5
oa=ob・cosφ=3810×0.9=3429.4
ac=ab+bc=ob・sinφ+I
 =3810.5×√(1-0.9^2)+437.38×7.92
 =5125.0(V)

したがって、

=oc=√(3429.4^2+5125.0^2)
 =6166.5(V)

よって、電圧変動率εは、次式のように求められる。

ε=(E-V)/V ×100
 =(6166.5-3810.5)/3810.5 ×100
 =61.82≒61.8(%)

以上です。