金曜日, 10月 19, 2007

二種二次試験電力管理、H13問1,2、補足。

ここの補足、です。
問題文、解答内容については、ここ参照で。

問1
【解説】
同期機の励磁方式の分類については、電気学会・電気規格調査会標準規格「同期機(JEC-114_1979)」に示されている。

同 期発電機に適用されている励磁装置には種々の回路方式があり、それぞれが特徴をもっている。励磁方式については、同期発電機の容量、回転速度などによって 採用される方式が変わってくるが、歴史的には電力用半導体素子技術の進歩によるところが大きい。現在ではブラシレス励磁方式、サイリスタ励磁方式、復巻励 磁方式が最も一般的に使われており、JEC-114_1979では次の三つの方式を代表的励磁方式名称として分類してよいこととしている。

(1)直流励磁機方式
初期から用いられている方式であるが、直流発電機を励磁装置として用いるため整流子に関する技術上の困難が伴い、またブラシなどの保守に手間がかかるという欠点がある。

(2)交流励磁機方式
こ の方式では、直流励磁方式の整流子が整流器に置き換えられており、技術上の困難さが取り除かれている。回転界磁形の交流励磁機を用いる通常の方式では、交 流励磁機の界磁用と同期発電機の界磁用と二つのスリップリングが必要である。これに対して、ブラシレス励磁方式では、スリップリングが不要でしゅう動接触 部分がなく、保守の省力化が図られている。また、これにより信頼性も高く、しゅう動接触部分からの火花発生のおそれもないため、雰囲気の悪い中で使用する 場合にも適している。

(3)静止形励磁方式
この方式では、静止形機器により励磁装置が構成されているためスリップリングは一つ必 要だが、保守の省力化が図られている。ただし、励磁用変圧器や整流器を主機と別置するスペースが必要である。サイリスタを用いると応答速度が速くとれるた め、系統の安定度向上へ寄与することができる。復巻励磁方式は小容量のタービン発電機に用いられている。

静止形励磁方式を同期発電機に適用するときは、始動時には励磁電源がないため、蓄電池などの他の直流電源を使用する、所内から始動時のみ受電する、など初期励磁用回路が必要である。これら各種励磁方式を第4図に示す。

問2
【解説】
第 1図のF点で1線地絡を生じたとき、Y-Y-Δ結線ならば、図のように地絡電流が流れるが、Δ巻線がないと中性線が接地してあっても地絡電流が流れること ができない。言い換えると、F点から電源側の零相インピーダンスは、デルタ巻線がないと極めて大きくなるが、Δ巻線があると小さくなる。

Δ巻線を設けることによって、零相インピーダンスを低減し、中性線を接地する本来の目的である異常電圧の抑制に効果をあげることができる。また、地絡事故時に地絡継電器を動作しやすくすることができる。

以上です。