木曜日, 10月 18, 2007

二種二次試験機械制御、H14問3,4、補足。

補足

ここの補足、です。
問題文、解答内容については、ここ参照で。


問3
【解説】
図1の回路は双方向制御形単相交流電力調整回路であって、第1図に示す正の半周期中に、サイリスタTを制御角αで点弧するとTが導通する。そして、負の半周期になるとTに逆バイアスが加わりターンオフする。同様に負の半周期中いサイリスタTを制御角αで点弧するとTが導通する。そして、正の半周期になったところでTに逆バイアスが加わりターンオフする。以降、TとTを順次、点弧制御することで負荷電力の調整ができる。

図2に示すようにサイリスタTをダイオードDで置き換えた場合、第1図に示す負の半サイクル中(π≦θ≦2π)の間は、ダイオードDの損失がないので、入力電圧Vがそのまま抵抗負荷Rに加わる。したがって、負荷に加わる電圧の平均値は、解答に示したように正の半周期と負の半周期に分けて積分すればよい。

交 流電力制御は、図1に示すようなサイリスタ2個を逆並列に接続した回路のほか、一つで両方向に導通制御可能な半導体素子のトライアックがある。トライアッ クは、二方向3端子の素子であり、基本的にはサイリスタ2個を逆並列に接続した回路として考えることができる。このトライアックは、ゲートに正または負の パルスを印加することによって、導通方向を変えることができる。このトライアックの図記号は第2図に示すとおりである。

問4
【解説】
第1図に示すように、与えられた制御系の前向き経路の伝達関数をG(s)とすれば、

G(s)=K・1/s(Ts+1)

となる。
したがって、この制御系の全体の伝達関数W(s)は、

W(s)=G(s)/(1+G(s))

となる。この式にG(s)の式を代入すれば、解答最初のW(s)の式が得られる。

C(s)の式をA,B,Cにおいて求めているのは、C(s)の式を部分分数に展開するためである。そして、展開するとラプラス変換の代表的な式から時間領域に戻すことができる(逆ラプラス変換)

本問で用いた逆ラプラス変換を以下に示す。
1/s→1
ω/{(s+a)^2+ω^2}→ε^-at・sinωt
(s+a)/{(s+a)^2+ω^2}→ε^-at・cosωt

問(4)の解答は、sin関数とcos関数で表された式をsin関数だけにまとめたものである。すなわち、

Asinθ+Bcosθ
=√(A^2+B^2)sin{θ+tan^-1(B/A)}

である。なお、この形を用いず、前段階の式を答えとしてもよいと思われる。

また、部分分数は、次のように求めてもよい。

C(s)=1/s・100/(s^2+12s+100)
 =A/s+(Bs+C)/(s^2+12s+100)

∴100/s(s^2+12s+100)
 =A(s^2+12s+100)+s(Bs+C)/s(s^2+12s+100)

整理すると、

s^2(A+B)+s(12A+C)+100(A-1)=0

これより、

A+B=0、12A+C=0、100(A-1)=0

であるから、

A=1、B=-1、C=-12

となるので、これを代入し整理すると、

C(s)=1/s+(-s-12)/(s^2+12s+100)
 =1/s-(s+12)/(s^2+12s+100)
 =1/s-{(s+6)+6}/{(s+6^2)+8^2}
 =1/s-(s+6)/{(s+6^2)+8^2}
   -(6/8)・8/{(s+6^2)+8^2}

となり、解答の式と同じ形となる。

以上です。