月曜日, 11月 05, 2007

二種二次試験電力管理、H10問5,6、補足。

ここの補足、です。
問題文、解答内容については、ここ参照で。

問5
【解説】
問 題では「温度上昇は損失に比例する」となっているが、変圧器が油入形の場合は、「温度上昇は損失の0.8乗に比例する」とした方が実際に近い、といわれて いる。ここで、後者の考えで計算してみると次のようであって、仮に油入形であったとしても、答えに大きな差はないことがわかる。

【計算】
変圧器の定格二次電流I2nは、

2n=30×10^3/(√3×6.6)=2624(A)

短絡試験時の銅損PCTは、

CT=(3000/2624)^2×124=162(kW)

このとき、銅損は無視できるから、1本当たりの放熱器から放出される熱量は、

162/9=18(kW)

このときの温度上昇が題意により39(K)である。したがって、全負荷時の実負荷試験では、温度上昇が損失の0.8乗に比例するとすると、

θ=(15.8/18)^0.8×39=35.1(K)

となる。


問6
【解説】
(1)全停電
・状況:需要設備構内全体が停電する
・発生原因:受電用遮断器のトリップ
      ・短絡による過電流継電器の動作
      ・地絡による地絡継電器の動作
      ・他需要家事故による配電系統の波及事故、あるいは上位系統の事故による停電

この問題では、発生原因をどの程度詳しく書くか迷うかと思われる。上記の解答よりもう一段詳しく書けば、例えば(1)全停電は次のようになる。

(1)全停電
(状況)
(a)需要設備の故障により、受電用遮断器などが開放して全停電となる。
(b)受電している配電線あるいは、その上位系統の故障により全停電となる。

(発生原因)
(a)需要設備の事故発生原因
発生部位別にあげると、ケーブル関係、機器類、支持物などである。

原因別では、水トリー、自然劣化、雷、保守不完全、人為的事故、鳥獣接触などがある。

(b)配電線の事故発生原因
受電配電線の故障によるものが多い。そのうち、他需要家事故波及の原因は上記(a)と同じである。配電線自体の原因には、雷・風雨・雪などの自然現象、機器・機械の劣化・保守不良、自動車衝突などの他物接触などがある。

以上です。