ここの補足です。ポイントなどを。
・無負荷損
無負荷損は、鉄損、無負荷電流による巻線の抵抗損、絶縁物の誘電体損で構成される。
これは、固定損であるが、大部分が鉄損のため、無負荷損は鉄損に等しいと考えて実用上OK。
鉄損はヒステリシス損とうず電流損からなり、次式で表される。
ヒステリシス損:Wh=KhfBm^2~3
うず電流損:We=Kef^2Bm^2
ただし、Kh、Ke:定数 f:周波数、Bm:最大磁束密度
・負荷損
負荷損は、巻線内の抵抗損と漂遊負荷損
(漏れ磁束による巻線内および巻線以外の金属部分に生じるうず電流損)
の和をいう。負荷損は基準巻線温度に補正した値です。
・最高効率
負荷損は負荷電流、すなわち負荷の値によって変わるので、
変圧器の効率は無負荷損と負荷損が等しくなる負荷状態で最高値となる。
したがって、この比が1:4であれば50%負荷のときに最高効率となる。
無負荷損:負荷損=Wi:Wc=1:4
Wi=α^2Wc
α^2=Wi/Wc=1/4
∴α=0.5
ここで、変圧器の一般特性は以下のようになる。
・漏れインピーダンスが大きくなれば同僚が増すので負荷損が増し、
最高効率点は軽負荷のほうに移動する。
したがって、低負荷で使う事がおおければ、漏れインピーダンスを低めにすれば高効率運転ができる。
・定格電圧が大きくなれば巻線間ならびに巻線と大地間の絶縁距離を多くとる必要がある。
このため、鉄心材料・巻線材料ともに多くなり、無負荷損と負荷損が増え、効率は低下する。
・周波数50Hzの変圧器を電圧、出力を変えないで60Hzで使用するときは、
鉄心の磁束密度が50/60に減少する。
よって、無負荷損≒鉄損が減少する分、効率は良くなる。
以上です。
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