ここの補足、です。
問題文、解答内容については、ここ参照で。
問3
【解説】
一般に3心ケーブルの静電容量は第1図のようになり、図1の場合のC1は第2図を意味する。また、図2の場合のC2は、同様に第3図となる。C0、C2の式より、C0およびCmはそれぞれ次式で表される。
C0=C1/3(μF)
Cm=(C2-C0)/2
=(3C2-C1)/6(μF)
いま、三相平衡電圧を加えた場合の1心あたりの静電容量(作用容量)Cは、次式で表される。
C=C0+3Cm
=(9C2-C1)/6(μF)
ここで作用静電容量とは、解答の図のΔ結線の相互容量CmをYに換算して3Cmとし、これと対地静電容量C0を加えたもの(第4図参照)であり、平衡三相電圧を加えた場合の1心あたりの静電容量を示すものである。
次にXC(Ω)の容量リアクタンスにV(V)の正弦波電圧を加えたとき、容量リアクタンスに流れる電流の大きさ(実効値)は、次式のように表される。
I=V/XC(A)
ここで、XC=1/(ωC) (ただし、ω=2πf)で、これが充電電流である。
三相電圧を加えたときのケーブルの充電電流をICとすれば、
IC=(V/√3)/(1/ωC)
=V/√3・ωC=2πfCV/√3
となり、このCに解答のC=(9C2-C1)/6を代入すればよい。
問4
【masha解説】
別解をば。自分的には、こちらのやり方のほうがわかりやすい気がしてますが…(手書もこのやり方)。三相平衡、ですので、三相の基準を求め、そこから相回転で各電流を求める、と。
また、各電流の表現として、極力|I|∠tan^-1(Ie/Ir)で表現した。
(Ie:電流虚数成分、Ir:電流実部成分、|I|:電流の大きさ)
ここで、
A×B=|A|∠θ×|B|∠φ~|A|・|B|∠(θ+φ)
A/B=|A|∠θ/|B|∠φ~|A|/|B|∠(θ-φ)
(A、Bはベクトルで、ax+jay、bx+jbyとする)
θ=tan^-1(ay/ax)、φ=tan^-1(by/bx)
|A|=√(ax^2+ay^2)、|B|=√(bx^2+by^2)
である。
これは、
A×B=axbx-ayby+j(axby+aybx)
の大きさ、位相を求めても同じとなる。よって、ベクトルの乗算・除算が簡単な乗除算と加減算で計算できることを示しており、この問題のように色んな電流を相互に求めるとき(位相が一致してなかったり)には、こちらの方が簡単かと思われます。
(1)まず、Iamの大きさは、メインで求めているように、100Aである。ここで、力率が√3/2の遅れ、つまり、電源と電流の位相角は-30°ということがわかる。よって、Eaを基準として時のIam,Ibm,Icmは、それぞれ、
Iam=100∠(0-30)°=100∠-30°
Ibm=100∠(-120-30)°=100∠-150°
Iam=100∠(120-30)°=100∠90°
これを極座標表示に変換しておくと、
Iam=100∠-30°=100(√3/2-j1/2)
Ibm=100∠-150°=100(-√3/2-j1/2)
Iam=100∠90°=100(j1)
(2)力率を1とするということは、a相で考えると、Iamの無効電流を0とすればよい。
つまり、Iac=-(100×-j1/2)=j50
とすればよい。よって、Iac=50∠90°
ここから、Ibc,Iccを相順に従って求めると、
Ibc=50∠(90-120)°=50∠-30°
Icc=50∠(90+120)°=50∠-150°
ここで、
Iac=Ixy-Izx
である。また、Ixy,Iyz,Izxの関係は、Ixyを基準とすると、
Ixy=|Ixy|∠0°=|Ixy|(1+j0)
Izx=|Ixy|∠120°=|Ixy|(-1/2+j√3/2)
であるので、
Iac=Ixy-Izx=|Ixy|・(3/2-j√3/2)
=√3|Ixy|∠150°
(∵√(3^2+√3^2)/2=√3、
tan^-1(√3/-3)=150°
また、上記よりIac=50∠90°より、
Ixy=-Iac/(√3∠150°)
=50/√3∠(-90°-150°)
=50/√3∠120°
三相対称、より
Iyz=50/√3∠(120-120)°
=50/√3∠0°
Izx=50/√3∠(120+120)°
=50/√3∠-120°
後は、これらを用いてベクトル図を描けば良い。
(大きさと角度で表現しておけば、ベクトル図もイメージが湧きやすいはずです)
以上です。
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