ここの補足。
変成比Kは、巻線比mよりも大きくなる。
そこで、K=mとなるよう、N1を少なくしている。
(通常は1%程度)
これを「巻戻し」という。
計器用変圧器の比誤差εは、次式で定義される。
比誤差ε={(公称変成比)-(真の変成比)}/(真の変成比)=(K-m)/m
この式から、K/m=1+ε となる。
ここで、公称変成比とは銘板に書かれている
(定格一次電圧)/(定格二次電圧)
であり、真の変成比とは実際の変成比のことである。
また、位相誤差とは、一次電圧と二次電圧の相差角のことで、
一次電圧に対して二次電圧が進む場合を正(+)とする。
一般に巻もどしをしなければ誘導性の負担を接続した場合、
比誤差は正、位相誤差は負(遅れ)になる。
(画像のベクトル図で電圧と電流の関係を確認しましょう!…わかりにくいけど)
さらに<補足>
V1/V2の式の右辺( )内の第2項はZ2とZ0で決まり、
負担とは無関係で、これを「固有誤差」または「絶対誤差」という。
第4項は通常小さい値なので無視できる。
(第4項:Z1'Z2/Z0'Zbの事)
計器用変圧器は電力変圧器と同じように作ってあるが、
良質の鉄心を使用していること、各巻線インピーダンスを小さくするなど、工夫がされている。
低格二次電圧は110Vが標準で、容量は15~500VAの間、数回急に分かれている。
計器用変圧器の誤差であるが、Kの式でわかるように、
二次負担Zbの大きさや力率などで比誤差、位相誤差ともかなり複雑に変化する。
このため許容誤差範囲により各種の階級がある。
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