ここの補足です。
問166
滑り s の誘導機において、二次入力をP2、二次銅損をPc2とすると、P2=Pc2/sである。
また、二次入力P2=出力P+二次銅損Pc2と表せるので(機械損は無視だから)
P=P2-Pc2=Pc2(1-s)/s
である。
問167
一定電圧で運転中の誘導電動機で、電源の周波数が下がると漏れリアクタンスXL(=2πfL)は周波数に比例して減少する。ギャップ中の磁束密度は一次周波数に反比例するので増大する。そして、遅れ位相の励磁電流が増加する為、力率は低下する。
問168
Ns=120f/p (Ns:同期速度 p:極数 f:周波数)
N=(1-s)・Ns (N:回転速度)
ω=2π(N/60)→秒あたりの回転速度の角周波数
T=P/ω (P:電力)
問169
銅線の抵抗温度係数αは1/234.5で、その符号は正→温度上昇に対して抵抗は増加する。
t1℃からt2℃に温度が変化した時、
r1/(234.5+t1)=r2/(234.5+t2)
と、抵抗は変化する。
問170
誘導電動機の円線図を描くには、基準巻線温度における1相分の一次巻線抵抗r1、定格電圧Vnおよび定格周波数fによる無負荷試験時の無負荷電流I0および入力w0、拘束試験による一次電圧vsおよび一次入力wsを測定する。
周囲温度t℃での1相分の巻線抵抗r1を測定し、基準温度75℃での抵抗値に換算する。
(前問を参照)
無負荷運転で無負荷電流の平均値I0、無負荷入力w0を求めれば、次式によって力率角θ0が求められ、この力率角を利用して無負荷電流の有効分および無効分が求められる。
θ0=cos^-1(w0/√3・VnI0)
また、拘束試験から定格電流Inが流れる場合の印加電圧Vs、入力wsを求めれば、力率角θsが求められ、この力率角を利用して無負荷電流の有効分および無効分が求められる。
θs=cos^-1(ws/√3・VsIn)
これらの基本データを利用して円線図を描くことができる。
以上です。
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