ここの補足です。
問199
アルミニウム、マグネシウム等の軽金属では水溶液の電気分解は不可能である。アルミニウムの精錬には溶融塩電解法が用いられ、大電力が消費される。
問200
鉛 電池、ニッケル・カドミウム電池およびリチウムイオン電池はいずれも繰り返し充放電可能な二次電池(蓄電池)であるが、構造及び作用原理を異にする。鉛蓄 電池は、自動車や自動2輪車等各種乗物の始動モータや照明用の電源として古くから使用されているものでは、電解液は希硫酸である。
ニッケル・カドミウム電池はアルカリ蓄電池であり、その電解液はアルカリ性を示す水酸化カリウムである。また、リチウムイオン電池は、有機電解質を使用する。
問201
問中の電池の放電反応式より、1個のカドミウムが水酸化カドミウムとなる間に2個の電子が関与し、これが電池から供給される電流となる。原子量112のカドミウムが11.2g放電した時に得られる電子の量は、以下のようになる。
2×11.2/112=0.2(mol)
※1(mol)→原子が原子量(g)あるときの原子数。
逆に言うと、原子が1molあるとき、その重さは原子量(g)。
ファラデー定数は26.8(Ah/mol)であるから、求める電気量は0.2×26.8で求められる。
問202
ここに列記されている各二次電池の起電力(V)は、以下の通りである。
リチウム二次電池…2.0~3.0(V)
鉛蓄電池…2(V)
ニッケル・カドミウム蓄電池…1.2(V)
問203
電気分解による析出量wは、ファラデーの法則から、次式のようになる。
w=1/ファラデー定数×化学当量×Ah(電気量)
※化学当量=原子量/原子価
よって、本問で析出量wは、
w=1/27×108/1×25
にて算出できる。
問204
題意により、動力Pと回転速度nとの間には、P∝n^2の関係がある。
したがって、nが2nになると、Pは4Pである。
また、動力P(W)は、トルクT(N・m)、角周波数ω(=2πn)(rad/s)とすると、P=ωTの関係がある。
ω=2πnであるから、回転速度nが2倍になるとωも2倍。新たなトルクとT’とすると、
4P=2ωT’
∴T’=2P/ω=2T
となるので、元のトルクの2倍となる。
※P=ωTを抑えておこう!
問205
直流直巻電動機のトルクは、電機子電流の2乗に比例する。よって、電機子電流が40→20(A)、つまり1/2となったときのトルクは(1/2)^2=1/4となる。
問206
直流式電気鉄道用の駆動電動機としては直流直巻電動機が使用される。走行している車両の制動方法には、運動エネルギーを車両とブレーキシューとの摩擦により熱エネルギーに変換して制動する機械式ブレーキと、電気エネルギーに変換して制動する電気式ブレーキとがある。
電 気式ブレーキは直流直巻電動機の界磁巻線に流す電流を逆向きとするように切り替えて発電機とし、鉄道車両の慣性エネルギーにより発電された電気エネルギー を電気抵抗で消費させる発電ブレーキと、得られた電気エネルギーをチョッパなどにより線路電圧よりも高電圧にして電源側に送り返して制動する電力回生ブ レーキとがある。
発電ブレーキでは抵抗での発熱を単に大気中に放散させているのに対し、電力回生ブレーキでは電源側で電力を回収する事ができ、省エネルギーとなる。
なお、電気式ブレーキは、高速の間は強力に作用するが低速になるにつれて制動力が次第に弱まるため、完全に停止するには機械式ブレーキの併用が不可欠である。
問207
巻上げ機によって質量m(kg)の物体を速度v(m/s)で巻上げる場合に必要となる電動機出力P(kW)は、
P=9.8mv/η×10^-3(kW) (η:効率)
仕事:重量(N)×移動距離x(m)→9.8m・x(N・m)
仕事率(=電力):仕事(N・m)/時間(s)→9.8m・x/s(N・m/s=W)
ここで、x/s→v(m/s)より、結局は上式となる。
つまり、仕事率(1秒当たりの仕事量)が電力と同意、という事を抑えておけばOK。
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