土曜日, 10月 06, 2007

二種二次試験機械制御過去問、H16問1,2、補足。

ここの補足、です。
問題文、解答内容については、ここ参照で。


問1
【解説】
誘導電動機は、滑りsが0の近傍、すなわち回転速度が同期速度に近いとき、トルクとすべりは比例する特性がある。第2図(添付)に示す誘導電動機の簡易等価回路(L形等価回路)で励磁回路を無視して考えると、一次電流の大きさI’は、

’=E/√{(r+r’/s)^2+(x+x’)^2}

となる。等価負荷抵抗{(1-s)/s}r’における二次出力P(1相分)は、

=I’{(1-s)/s}r
 =P-Pc2=P(1-s)

ただし、二次入力P=I’^2(r’/s)(W)
二次銅損Pc2=I’^2r’=sP(W)
(それぞれ1相分)

である。ここで誘導電動機の回転角速度ω(rad/s)とすると、三相分のトルクTは、

T=3P/ω=3P(1-s)/ω(1-s)
 =3P/ω(Nm)

となる。この式が示すように誘導電動機のトルクTは、二次入力Pに比例する。このためトルクTは、同期ワットともいわれる。

トルクTは、同期ワットに比例するので、誘導電動機の一次側端子電圧をV,比例定数をKとおけば次式を得る。

T=KP=KI’^2r’/s
=K[V/√{(r+r’/s)^2+(x+x’)^2]^2・r’/s
=K(V^2)/{(r+r’/s)^2+(x+x’)^2}・r’/s

トルクTは、この式においてsが小さい範囲で、

T≒K・V^2/(r’/s)^2・r’/s
 =KV^2s/r

となり、滑りsに比例する事がわかる。

問2
【解説】
変圧器の等価回路からベクトル図が描ければ難しい問題ではない。ただし、相電圧と線間電圧を取り違えないよう注意したい。また一般に1相分の等価回路を描く事が多い。このため設問(4)の損失電力を1相分の値で計算してしまわないように注意して欲しい。