月曜日, 7月 14, 2008

OHM練習問題 機械 伝送方式 問2~補足

ここの補足、です。
問題文、解答内容については、ここ参照で。

伝送方式 問2
【解説】
複数のコンピュータ同士を相互接続するべくコンピュータネットワーク(コンピュータ通信網)が構築された。このコンピュータネットワークを構成するために必要となる基本的な構成要素としては通信回線とこの通信回線に接続する為に接続装置等のハードウェアのほか、通信制御を行うソフトウェアが必要である。データ通信の標準化を行うには、これらの機能を論理的に定義して、通信手順を体系的かつ統一的に規定する必要がある。これをネットワークアーキテクチャという。

ネットワークアーキテクチャとして最初に登場したのは、1974年にIBMが発表したSNA(Systems Network Architecture)である。その後、1975年にDECがDNS(Digital Network System)、1976年にバローズ(現:UNISIS)がDNS(Decentralized data processing Network Architecture)を提唱し、翌1977年にはNTTがDCNA(Data Communication Network Architecture)を発表した。これらはデータ通信のネットワークを効率的に機能させるために必要な通信手順等を規定したものである。これらの通信手順等における規定のことはプロトコルと呼ばれている。プロトコルを言い換えれば、データ通信システムの構成要素間での情報交換について、その方式や書式(フォーマット)を決定する規約と定義することができる。

コンピュータ同士をネットワークによって相互接続するにはプロトコルに従った伝送制御手順を実行すればよい。しかしながらSNA、DNS、DCNAなどには相互に互換性がない。そのためコンピュータネットワークが拡大するほど異機種間の相互接続ができないという問題が顕著になってきた。このため国際的な標準化が進められることとなった。

そこでISO(国際標準化機構)とCCITT(国際電信電話諮問委員会)は、インターフェースの標準化作業を行い、その結果、1980年にOSI(Open Systems Interconnection:開放型システム間相互接続)基本参照モデルが規定化された。

OSI基本参照モデルは図4に示すようにプロトコルを7つの階層(layer)に分けた規定である。OSIは7階層のうち第1層から第4層までの下位4層には通信機能に関する規約を、第5層から第7層までの上位3相にはデータ処理に関する規約がまとめられている。

(1)物理層(physical layer)
OSIの最下位層に位置づけられた物理層は通信装置や通信端末あるいは通信回線などの媒体の物理的、電気的な規約を定めている。言い換えれば物理層はデータ通信に係るハードウェアの決まり事を定めたものといえる。具体的には通信回線に接続するためのコネクタの形状や接続ピンの配置、電気信号の極性や電圧、電流等を規定している。

物理層で扱う装置としては、データ端末装置(DTE:Data Terminal Equipment)やデータ伝送機能を有するデータ回線終端装置(DCE:Data Circuit-terminating Equipment)などがある。これらの装置に対してビット単位のデータ伝送を保障するための規約も物理層に規定されている。

だ標的名物理層の規格としてはRS−232C、RS−422やRS−485、X.21などのDTEとDCE間のインターフェースに関する規定がある。

(2)データリンク層(data link layer)
同一のネットワークに接続された複数のコンピュータや端末装置の集まりをノードという。このノードにはネットワークの交換機能や伝送機能あるいはネットワーク管理機能などを有する装置も含まれる。このようなノード間をつなぐ通信回線をリンクという。この層の名称となっているデータリンクとは隣接するノード間に設けられたデータ回線のセットの事をいう。

データリンク層は隣接ノード間の伝送制御手順(リンクプロトコル)を規約に定めている。またデータリンク層は通信する相手方がデータ交換可能かどうかを確認する手段とデータ通信を行っているときにデータの誤り(ビット誤り)を生じたときの対処方法および送受信のタイミングなどについても定めている。この層はさらに隣接ノード間でビット列から構成される情報をフレームと呼ばれるデータ単位で扱い、このフレームを確実に転送することを保障する役割も担っている。このためビット誤りの検出、回復、フロー制御や順序制御などの機能もデータリンク層で規約化されている。

この層のプロトコルとしては、基本形データ伝送制御手順(basic mode data transmission controal procedure)やHDLC(High level Data Link Control)などがある。

なお、LAN(Local Area Network)のMAC(Media Access Control)プロトコルはこのデータリンク層に相当する。

(3)ネットワーク層(network layer)
この層には、データ通信端末からネットワークに対して接続の確立、開放を依頼する接続制御手順やネットワークでの伝送制御手順等が規約化されている。

その他、ネットワーク層には異なるネットワーク間の接続手順(ルーティング)なども規約により定められている。

代表的なネットワーク層プロトコルとしてはITU−T勧告X.25のレイヤ3プロトコルと、TCP/IPのIPプロトコル(Internet Protocol)がある。IPプロトコルは、インターネットやLANの標準プロトコルとして有名である。

(4)トランスポート層(transport layer)
この層にはデータ通信を行う2つの端末間(エンドプロセス間)におけるデータ交換を保障するための規約が定められている。またトランスポート層では、下位層のネットワーク層から提供されるサービスを補完してより高い伝送品質の保証を行うための規約化がなされている。

(5)セッション層(session layer)
この層はアプリケーション層がやりとりする対話的なデータ伝送の構造に着目した制御機能を実行する規約がなされている。セッション層は具体的にはデータ伝送を行うために基本となる論理的通信路を提供し、その通信路上での送信権制御や通信モード(全二重、半二重など)の制御、同期などの制御を行う役割を担う。

セッション層のプロトコルとして代表的なものには、X.225セッションプロトコルがある。

(6)プレゼンテーション層(presectation layer)
この層はセッション層の規約に基づいてアプリケーション層が授受するデータの表現方法が規約化されている。また符号や文字セットの変換、データの形式の変更などもプレゼンテーション層の役割である。

(7)アプリケーション層(application layer)
アプリケーション層は、各種の適用業務に対する通信の機能が規約化されている。この層は利用者がOSI環境にアクセスする為の手段を提供し、情報を交換するためのアプリケーションプロセスの窓口的な意味合いを持っている。具体的にこの層は、ファイル転送、ジョブ転送やファイルアクセス手順、メール転送手順などを定めている。

以上です。