木曜日, 9月 06, 2007

07年種理論問3、の補足。

ここの補足、です。

あ、さらに同時受験した3種も自己採点。3種は機械、法規が残ってたんですが…、機械は55/100で、1問足りない。が、例年合格点調整が行われる事が多い模様…。皆様のできが悪い事をお祈りです。法規は大丈夫と思われます。

さて、ポイントを。

問3
ポイントは下記。
(1)
重ねの理より、単純にi(t)=i(t)+i(t)として解けば問題なしです。いや、解く必要すらないのか。多分、iがcosで与えられ、iがsinで与えられることによる引っ掛けかとは思われますが、本問はひずみ波の解析をする事、もっと言ったら電力を求める事が目的ではないので、単純に足された物を選択すればOKです。

(2)(3)
電源がEのみのとき、角周波数ωなので回路のインピーダンスをZとすると、

=R+jω
|Z|=√(R^2+(ωL)^2)=√(1^2+4^2)=√17

よって、電流波形の波高を表す、Aは、

=E/|Z|=10/√17

また、φは位相角を表し、tan^-1(虚部/実部)で表されるので、

φ=tan^-1(-√17)

ここで、“-”となっているのは、コイルは位相遅れの要素であるからである。
(電流はE/jωL=-jE/ωLと表す事ができるから)

(4)(5)
、φと同様の考え方で、

|Z|=√(1^2+6^2)=√37。

=E/|Z|=5/√37

φ=tan^-1(-√37)
これも、cos表現sin表現に惑う必要はなく、位相角はあくまで「電圧と電流の角度」であり、電圧と電流が同じ表現(cos、sin)をされている限りは単純に位相角を求めれば良い。ただし、仮に電圧がcos、電流がsinなど、違う表現をされている時は、さらにπ/2ずらして変換する必要がある。そのあたりは解答群から判断する必要があり。

ここで注意点が一つ。
試験には関数電卓は持ち込み不可。なので、実質この問題は解けるの?と思い。実際、試験では勘で適当に書きました。それで今回冷静に考えてみたのですが…。

別解(もっと正しい)があるかは不明ですが、とりあえず解答の特定が可能である事はわかりました。でも、こんなの気づかないよ、試験中には…。
「関数電卓、ないじゃん!無理無理!!時間ないし!!!」ってなっちゃいますよ。

さて、その方法。条件を挙げると…、

1.上記の通り、コイルであるので、角度は負になります。よって、解答候補は4つに絞られます。(解答群については全部あげるの面倒なので)負である4つだけ挙げると、-1.33、-1.41、-0.165、-0.245。

2.これは知ってなきゃどうしようもない特性ですが、tan関数は、X>Yならばtan^-1X>tan^-1Yとなります。知ってなきゃ、というか、直角三角形をいくつか書いてみて、tanを考えて、角度との関係を考えればわかるのですが。これを本問に当てはめると√37>√17より、|φ|>|φ|となります。ここで、絶対値としたのは、本問ではφは負の値となるから。

3.最後に、角度45度の点について考えます。この時、実部と虚部の長さが同じ(tanが1)であり、これより実部が長いか虚部が長いか、はわかれば角度が45度以上か以下か判断できる。本問では角度は45度以上(負側)であり、45度をラジアン表記に変換すると、45×(π/180)≒0.785。よって、求める|φ|、|φ|は共に0.785より大きい事になります。

1~3より、φ、φは-1.33か-1.41であり、|φ|>|φ|より、φ=-1.33、φ=-1.41と特定できる。

長くなりましたが、以上です。