月曜日, 9月 24, 2007

二種二次試験機械制御過去問、H18問1、補足。

ここの補足、です。
問題分、解答内容については、ここ参照で。

問1
【解説】
(1)同期速度と滑り
誘導電動機の極数をp、電源周波数をf(Hz)とすると回転磁界の回転速度(同期速度)N(min^-1)は、次式で求まる。

=120f/p (min^-1)

回転子は回転磁界と同一方向で同期速度よりやや低い速度で回転する。このとき回転子が切る磁束によって回転子に誘導電流が流れ回転子にトルクが発生する。回転子は、この発生したトルクと負荷のトルクがつり合う速度で回転する。

s=(N-N)/N

第1図に示す誘導電動機の1相あたりのL形等価回路(簡易等価回路)において、簡単に励磁電流を無視して考えると、一次電流I(A)は、

=V/√{(r+r’/s)^2+(x1+x2’)^2} (1)

となる。一次巻線の総数をmとすれば、二次入力P(W)は(1)式を用いて、

=mI^2r’/s
 =mV^2/{(r+r’/s)^2+(x1+x2’)^2} (2)

となる。次に電動機の回転角速度をω(rad/s)、電源の周波数をf、極数をpとすれば、トルクT(N・m)は次式となる。

T=P/ω
 =p/4πf・mV^2/{(r+r’/s)^2+(x1+x2’)^2} (3)

(1)~(3)式が示すように二次抵抗とすべりの間にはr’/sの関係がある。このため二次抵抗rをk倍したときに、滑りsがk倍になれば元の状態と同じ値が得られる。これを比例推移という。この比例推移を利用することで始動時に必要なトルクや電流の値を調整することができる。

この問題は、全負荷トルクで始動又は運転することが問われているので、回転子巻線を短絡した時の滑りsと回転子巻線抵抗rを用いて比例推移の式を立てれば良い。

また回転子巻線および外部抵抗が星型接続であるから、第1図の1相分の等価回路から求めることができる。