日曜日, 9月 23, 2007

二種二次試験過去問、H18問6、補足。

ここの補足、です。
問題分、解答内容については、ここ参照で。

問6
【解説】
(1)保護協調
保護協調とは、ある系統およびある機器に万一事故が発生した場合、故障発生源を早期に検出し、迅速に除去し、事故の波及・拡大を防ぎ、健全回路の不要遮断を避けることにある。

したがって、保護装置がばらばらに動作すると、故障した部位が正確に選択に選択できず、不必要に広範囲の停電を引き起こす場合がある。このため、各保護装置相互間の適正な協調が必要となる。

一 般に地絡保護については、需要家変圧器一次側は、電力会社接地系に属するので、保護継電器方式の協調が必要であり、継電器の動作電流値などについて、十分 協議する必要がある。なお、変圧器二次側の需要家構内系統は、変圧器により電力会社系統と接地系が分離しているので、任意の系統接地方式・保護継電方式を 選定する事ができる。

問題の事故点は事故がA需要家変圧器の一次側となっているので、供給用変電所の接地系に属するため、電力会社接地系に属するので、この場合、保護継電方式の協調が必要である。

なお、一般電気事業者は受電点継電器の整定に対し、第1表(添付図)に示す値を基準としている。

また地絡協調については、第1表によれば完全地絡時に0.2秒以下となっているが、本問の場合は、問題の設定条件から第1図(添付図)に示すように、上位~下位設備間の動作時間を制定する。

(2)CTの接続
通常、三相回路では各相にCTを設け、二次側を星型に接続し、短絡検出は各CT二次回路を、地絡検出は残留回路を利用して行われる。

したがって、これらのCT特性が同一でないと、三相合成電流の誤差分としての残留電流が通常状態でも流れる事になり、継電器の誤動作を招くおそれがある。CTの変流比が大きい場合の残留回路利用は、継電器入力が小さくなるので必要に応じて三次巻線付CTを使用する。

第2図に地絡検出CT結線図を示す。

また、地絡状態を除けば回路電流ベクトル和は零であることを利用して、2CTによる計測および短絡保護を行うことができる。これも、CT特性が同一であることが前提である。