火曜日, 9月 25, 2007

二種二次試験機械制御過去問、H18問2、補足。

ここの補足、です。
問題分、解答内容については、ここ参照で。

問2
【解説】
変 圧器に生じる負荷損には、銅損と漂遊負荷損とがある。銅損は、変圧器の巻線抵抗によって生じる損失(ジュール損)であり、負荷電流の2条に比例する。一 方、漂遊負荷損は、変圧器巻線の漏れ磁束が巻線及び変圧器を構成するタンクなどの構造物と鎖交したときに流れる渦電流によって生じる負荷損である。

漂遊負荷損のうち、巻線に渦電流が流れることによって発生する損失を巻線内渦電流といい、構造物に渦電流が流れることによって発生する損失を構造物表遊損という。

インピーダンスワットを測定するためには、変圧器の二次側を短絡して一次側に定格周波数の低電圧を加える。このとき、二次側に定格電流が流れるように一次側電圧を調整し、その一次側電圧がインピーダンス電圧であり、入力電力がインピーダンスワットである。

インピーダンスワットは、銅損と漂遊負荷損をあわせた抵抗損に等しい。

変圧器の等価回路の回路定数を求めるために以下に示す試験が行われる。

(1)抵抗測定
変 圧器の巻線に電流を流したとき、巻線の電圧降下を電流で割った値として求める。この方法を直流電圧降下法という。この場合、測定時に流した電流によって巻 線が発熱しないよう、定格電流の15%を超えない直流電流で測定する。求められた値は次式によって基準温度75℃における抵抗値R75に換算する。

75=R×(234.5+75)/(234.5+t)
  ≒R×(235+75)/(235+t) (Ω)

ただし、t:測定温度(℃)
:t(℃)における巻線抵抗値(Ω)

(2)無負荷試験
変圧器の二次側を開放して一次側に電圧計、電流計と電力計を接続する。このtき定格周波数の定格電圧Vn(V)を加え、励磁電流I(A)と入力電力P(W)を測定する。測定した結果から変圧器の励磁コンダクタンスg、励磁アドミタンスY、励磁サセプタンスbがそれぞれ求まる。

=P/Vin^2 (S)
=I/Vn (S)
=√(Y^2-g^2) (S)

(3)短絡試験
変圧器の二次側を短絡して、一次側に電圧計、電流計と電力計を接続する。このとき一次側にインピーダンス電圧Vsnを印加すると定格電流I1nが流れる。インピーダンス電圧Vsnは定格電圧に比べて数%と低い値なので磁路が飽和しない。このため鉄損を無視することができ、電力計の読みから銅損Pを測定することができる。このPから一次側に換算した等価抵抗Rおよび等価リアクタンスXをそれぞれ求めることができる。

=R+a^2r=P/I1n^2 (Ω)

=x+a^2x
 =√{Vsn/I1n)^2-(P/I1n^2)^2}