補足
ここの補足、です。
問題分解答内容については、ここ参照で。
問5
【解説】
連系系統の周波数と連系線の電力変化の基本を十分理解しておけば、特に複雑な計算を行う必要はない。
ここでは、第1図(手書最下部左)のような二つの連系系統の周波数変化ΔFと連系線潮流変化ΔPTを求めてみよう。
(1)A系統で電力変化ΔPAがあった場合
第2図(a)(手書最下部中)のようにA系統で電力変化ΔPA(発電力ΔGA-負荷変化ΔLA)があったとき、A,Bの系統容量及び系統定数をそれぞれPA[MW]、KA[p.u.(MW)/Hz] およびPB[MW]、KB[p.u.(MW)/Hz] とすれば、両系統の周波数変化ΔF’[Hz] と連系線の潮流変化ΔPT’[MW] は、次のようにして求められる。
PA-ΔPT’=KAPAΔF’ (電力変化分=変化定数×系統周波数変化)
ΔPT’=KBPBΔF’ (潮流変化分=相手の変化定数×系統周波数変化)
∴ΔF’=ΔPA/(KAPA+KBPB)
∴ΔPT’=KBPBΔF’=KBPB/(KAPA+KBPB) ×ΔPA
(2)B系統で電力変化ΔPBがあった場合
第2図(b)(手書最下部右)のようにB系統で電力変化ΔPB(発電力ΔGB-負荷変化ΔLB)があったときには、(1)と同様にして両系統の周波数変化ΔF''[Hz] と連系線の潮流変化ΔPT''[MW] を求められるが、方程式を立てるとき連系線潮流の向きが(1)と逆向きになることに注意することが大切である。
PB-(-ΔPT'')=KBPBΔF''
ΔPT''=-KAPAΔF''
∴ΔF''=ΔPB/(KAPA+KBPB)
∴ΔPT''=-KAPAΔF''=-KAPA/(KAPA+KBPB) ×ΔPB
(3)両系統で同時に電力変化があった場合
実際の電力系統では、A,B系統で同時に電力変化が生じており、そのときの系統周波数変化ΔFおよび連系線の潮流変化ΔPTは、A,B系統単独の電力変化時の和となるので、
ΔF=ΔF’+ΔF''=(ΔPA+ΔPB)/(KAPA+KBPB)
ΔPT=ΔPT’+ΔPT''=(KBPBΔPA-KAPAΔPB)/(KAPA+KBPB)
以上です。
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