土曜日, 9月 22, 2007

二種二次試験過去問、H18問5、補足

補足

ここの補足、です。
問題分解答内容については、ここ参照で。

問5
【解説】
連系系統の周波数と連系線の電力変化の基本を十分理解しておけば、特に複雑な計算を行う必要はない。

ここでは、第1図(手書最下部左)のような二つの連系系統の周波数変化ΔFと連系線潮流変化ΔPを求めてみよう。

(1)A系統で電力変化ΔPがあった場合
第2図(a)(手書最下部中)のようにA系統で電力変化ΔP(発電力ΔG-負荷変化ΔL)があったとき、A,Bの系統容量及び系統定数をそれぞれP[MW]、K[p.u.(MW)/Hz] およびP[MW]、K[p.u.(MW)/Hz] とすれば、両系統の周波数変化ΔF’[Hz] と連系線の潮流変化ΔP’[MW] は、次のようにして求められる。

-ΔP’=KΔF’ (電力変化分=変化定数×系統周波数変化)
ΔP’=KΔF’  (潮流変化分=相手の変化定数×系統周波数変化)

∴ΔF’=ΔP/(K+K
∴ΔP’=KΔF’=K/(K+K) ×ΔP

(2)B系統で電力変化ΔPがあった場合
第2図(b)(手書最下部右)のようにB系統で電力変化ΔP(発電力ΔG-負荷変化ΔL)があったときには、(1)と同様にして両系統の周波数変化ΔF''[Hz] と連系線の潮流変化ΔP''[MW] を求められるが、方程式を立てるとき連系線潮流の向きが(1)と逆向きになることに注意することが大切である。

-(-ΔP'')=KΔF''
ΔP''=-KΔF''

∴ΔF''=ΔP/(K+K
∴ΔP''=-KΔF''=-K/(K+K) ×ΔP

(3)両系統で同時に電力変化があった場合
実際の電力系統では、A,B系統で同時に電力変化が生じており、そのときの系統周波数変化ΔFおよび連系線の潮流変化ΔPは、A,B系統単独の電力変化時の和となるので、

ΔF=ΔF’+ΔF''=(ΔP+ΔP)/(K+K
ΔP=ΔP’+ΔP''=(KΔP-KΔP)/(K+K

以上です。