金曜日, 5月 23, 2008

OHM練習問題 機械 同期機問2~補足

ここの補足、です。
問題文、解答内容については、ここ参照で。

同期機 問2
【解説】
(1)定態安定度
同期機の励磁電流を一定にして、負荷を徐々に増加させた場合に、安定な運転を維持できる度合いをいう。同期機の出力Pは、図2より求められ、内部相差角δ=90°のとき、P=VE/xとなる(図3)。

を定態安定極限電力といい、安定に運転できる極限の電力である。同期発電機にP以上の負荷をかけると同期はずれを起こす。安定度を増すためには、同期リアクタンスxを小さくすればよい。

(2)過渡安定度
負荷が急激に変化した場合に過渡現象が生じるが、この過渡現象が安定して正常な運転を継続し得る度合いをいう。過渡現象の原因として、負荷の急激な変動、線路の開閉、線路故障などがある。負荷が急増した場合に、同期機が同期はずれを起こさず安定な運転を維持できる極限の電力を過渡安定極限電力という。図4(a)に示すように、負荷がPからPに急増した場合、同期機の運動エネルギーの放出と吸収が行われる。エネルギーは面積abd、bceに比例する。そして、面積abd=面積bceとなる負荷角δが求められ、δとδの間を振動しながら、δに収束する。

図4(b)に示すように、面積abd=面積bceとなったとき、Pを過渡安定極限電力という。これ以上になると、安定に運転する事ができなくなり、同期はずれを起こす。

(3)安定度をよくする対策
(a)正相リアクタンスを小さくする(電圧変動率、電機子反作用が小さい)
(b)零相・逆相リアクタンスを大きくする(故障電流の減少)
(c)回転子の慣性モーメントを大きくする(乱調の防止)
(d)自動電圧調整器(AVR)の速応度を大きくする

(4)自動電圧調整器(AVR)
自動電圧調整器(AVR)の目的は、定常運転時に同期機の電圧を一定に保持する機能によって、負荷が変化する時に電圧を維持し、無効電量を調整し、動態安定度を向上させること、および電圧急変時に速やかに電圧を回復する機能によって、負荷遮断時の電圧上昇を抑制し、過渡安定度を向上させることなどである。この目的のために、AVRは、総合電圧変動率(制御偏差)を小さくし、十分な速応度を持ち、制御系として十分安定である事が必要である。

励磁系電圧応答時間とは、変動を与えた瞬時から、励磁装置の出力電圧が、励磁系頂上電圧と定格負荷時の界磁電圧の差の95%だけ増加するのに要する時間をいい、励磁系電圧応答時間が0.1秒以下であるとき、その励磁装置は速応励磁方式であるという。なお、励磁系頂上電圧とは、公称励磁系頂上電圧が得られるような変動をAVRに与えたとき、励磁装置として達し得る励磁装置出力電圧の最大値をいう。

以上です。