月曜日, 5月 26, 2008

OHM練習問題 機械 電力変換装置問1~補足

ここの補足、です。
問題文、解答内容については、ここ参照で。

電力変換装置 問1
【解説】
インバータは、直流を交流に変換する電力変換装置である。このインバータをスイッチング素子で構成した場合、入力が直流なので何らかの方法を用いて、ターンオフしなければ交流に変換することができない。このためインバータには、直流をターンオフする転流制御回路が設けられている。

インバータを転流制御方式で分類すると、負荷側から見たときの特性によって、電圧形と電流形とに分類できる。

(1)他励式インバータ
他励式インバータは、交流出力側の電源や負荷電流によって転流制御する方式である。このインバータは、交流側(電力変換側)に確立された交流電源があって、この電源から転流に必要な電圧を受けて順次、点弧と消孤を行う方式である。このため、インバータが発生する交流は、負荷の交流電源の周波数と一致する。

他励式インバータは、出力側から見た電気的特性から電圧形と電流形とに分類できる。

(2)電圧形インバータ
電圧形インバータは、サイリスタまたはトランジスタなどのスイッチング素子を用いてスイッチングを行い、方形波の交流電圧を出力する方式である。

サイリスタを用いて構成した電圧形インバータの回路構成を図1に示す。電圧形インバータは、直流側に大容量の平滑コンデンサを備えているので、交流出力側から見た回路のインピーダンスが低く、電圧源として作動する。

電圧形インバータは、主として電車用電動機や工作機械の可変速制御に用いられる。

電圧形インバータには、サイリスタと並列に帰還ダイオード(フリーホイリングダイオード)が接続されている。このダイオードは、誘導負荷の遅れ電流成分を直流電源に帰還させる役割を担っている。しかし電圧形インバータは、回生運転時に直流電流が反転するため、単独では回生動作ができず、回生用整流器を別に接続する必要がある。

(3)電流形インバータ
電流形インバータは、直流側にリアクトルを挿入しているため、交流側から見た回路のインピーダンスが高く、電流源として作動する。サイリスタを用いた電流形インバータの回路構成を図2に示す。このような構成をとる電流形インバータからは、方形波の電流が出力される。このインバータは、電力回生時でも電流の方向が変化せず、電圧形インバータで必要であった帰還ダイオードが不要である。

電流形インバータも電圧形インバータと同様に、電動機の可変速制御用電源装置として用いられている。電流形インバータは、出力周波数を低い状態で運転するとき(0Hzを含む)、電圧形インバータより安定動作する点、電動機を低い周波数から商用周波数まで加速した後、商用電源に切り替える場合であっても、電源切り替え時の突入電流を抑えることができる点等から大きな起動トルクが要求される電動機の駆動用電源に適している。

(4)自励式インバータ
自励式インバータは、半導体スイッチング素子自体あるいは回路に転流能力を持たせ、任意の周波数の交流を出力することができるインバータである。このインバータには、強制転流方式と自己転流方式とがある。

強制転流方式には、LC共振回路を利用した共振形インバータがあり、自己転流方式には、GTOサイリスタ、MOSFETなど自己消弧能力があるスイッチング素子を用いたものがある。

自励式インバータにも、電圧形インバータと電流形インバータとがあり、その構成は、他励式インバータと同じである。

以上です。