誘導機(2) 問1
【解説】
(1)誘導発電機の原理
かご形または巻線形誘導電動機の一次巻線を電源に接続し、回転子を他の原動機により同期速度以上に回転させると、すべりは負となり、回転子巻線は電動機の場合と逆の方向に磁束を切り、その誘導電圧・二次電流の方向が逆となるので、二次電流によるトルクの方向は、回転子の回転方向と相反し、原動機からの機械的入力は電気的出力に変換されて、誘導発電機として作用する。
誘導発電機は、主としてかご形回転子を使用する事ができるので、構造が簡単で、低価格であり、かつ、系統への同期化の手数がかからない長所を持っている。しかし、発電機は系統から遅れ力率の励磁電流を必要とするため、単独では電圧を発生できない。また、発電機の一次電流は端子電圧に対し進み位相にあるから、進み電流を要求する負荷だけに電力を供給することになる。そのため同期発電機と並列に運転する必要がある。
起電力の電圧及び周波数は、線路電源の電圧および周波数によって決まり、その発電容量は原動機の回転速度によって決まる。図1に示すように原動機側のトルクは通常、A点の定格点で運転するが、回転速度が過大となり、B点を超過すれば、発電機のトルクは減少するので、原動機は逸走し、無拘束速度まで上昇する。そのため、過負荷や低電圧にならないように注意を要する。
(2)誘導発電機の励磁方式
(a)他励方式
主として、かご形誘導電動機に採用され、保守が容易で安定度が大きいので、大きな電力系統に接続される小容量の水力発電機として使用される。
(b)自励方式
主としてかご形誘導電動機に採用されている。コンデンサを誘導発電機の端子に接続し、このコンデンサによって生ずる無効電流により自己励磁する。これにより自励発電機として運転する事ができる。
(c)二次励磁方式
主として巻線形誘導電動機に採用され、誘導電動機の二次回路に滑り周波数の励磁電流を流し、一次巻線から電力を得る方式である。
以上です。
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