ここの補足、です。
問題文、解答内容については、ここ参照で。
フィードバック制御 問2
【解説】
設問の図に示される他励直流発電機において入力電圧Ei、出力電圧Eoおよび界磁電流Iの瞬時値をそれぞれei(t)、eo(t)、i(t)とおけば、界磁回路において次式に示す微分方程式が成立する。
Ri(t)+L・di(t)/dt=ei(t)
一方、電機子回路においては次式が成立する。
eo(t)=Ci(t)
ここで、両式をそれぞれ初期値0としてラプラス変換すると次式が得られる。
RI(s)+sLI(s)=Ei(s)
∴I(s)=Ei(s)/(R+sL)
Eo(s)=CI(s)
これらを整理すると、求める伝達関数G(s)を得ることができる。
Eo(s)=CEi(s)/(R+sL)
∴G(s)=Eo(s)/Ei(s)
=C/(R+sL)
=(C/L)/{S+(R/L)}
次に与えられた制御系の周波数伝達関数G(jω)は、G(s)の伝達関数のsをjωに置き換えることで求めることができる。よって、次式に示すようになる。
G(jω)=…=C/(R+jωL)
周波数応答のゲイン|G|は、G(jω)の絶対値であるから、
|G|=|C/(R+jωL)|
=C/√(R^2+(ωL)^2}
と求まる。次に、G(jω)の分母を有理化すると、
G(jω)=…=C/{R^2+(ωL)^2}・(R-jωL)
よって、位相角∠Gは、次式に示すようになる。
∠G=tan^-1(-ωL/R)
=-tan^-1(ωL/R)
※虚部が負、実部が正→∠Gは第四象限にある角
題意から界磁回路は、界磁巻線抵抗RとインダクタンスLからなる直列回路であるので、その時定数はT=L/Rである。また、入力電圧が界磁回路の時定数の逆数に等しい角周波数ωで、正弦波状に振動するのであるから、入力電圧の角周波数は、ω=1/T=R/Lになる。したがって、このときの出力電圧の振幅は、|G|のゲイン倍になる。よって、この式にω=R/Lを代入すると…、
C/{R^2+(R/L・L)^2}
=C/√2R
また、このときの入力に対する出力の位相角θは、∠Gの式に入力電圧の角周波数ω=R/Lを代入すれば求めることができる。
θ=-tan^-1(L/L)=-45°
となる。この式の負号は、入力より出力が遅れることを示している(位相遅れ)。
以上です。
|