木曜日, 6月 05, 2008

OHM練習問題 機械 安定判別(1)問1~補足

ここの補足、です。
問題文、解答内容については、ここ参照で。

制御系の安定判別(その1) 問1
【解説】
制御系の課と特性を評価する批評としては、応答の速さ(速応性)と安定のよさ(安定度)があげられる。もし制御系が不安定であれば、その制御系の応答は持続振動を起こしてしまう。

制御系の安定度については、ゲイン余裕と位相余裕の2つの尺度で判定する。

(1)ゲイン余裕
例えば、制御会の一巡周波数伝達関数をG(jω)とすれば、そのゲインg=|G(jω)|として求めることができる。このゲインは、一般にデシベル(dB)の単位が用いられることが多く、この場合、一巡周波数伝達関数のゲインgは、常用対数を用いた次式として定義される。

g=20log10|G(jω)| (dB)

ところでゲイン余裕は、一巡周波数伝達関数G(jω)の位相が-180°になる角周波数において、ゲインにどれだけの余裕があるかを示す指標である。すなわちゲイン余裕は、ゲインが0dBになるまで、どれだけのゲインマージン(ゲイン余裕)があるのかを示している。

(2)位相余裕
一巡周波数伝達関数の位相角φは、φ=∠G(jω)(°)として定義されている。この位相角が-180°を超えると、制御系は持続振動を起こしてしまう。位相余裕は、ゲインが0dBになる角周波数において、制御系の入出力間の位相が-180°に対してどれだけ余裕があるかを示す値である。

例えば、一巡周波数伝達関数のベクトル軌跡が図1に示すような場合、ゲイン余裕と位相余裕は、それぞれこの図に示したところになる。

ちなみに、この図においてベクトル軌跡が半径1の単位円と交わる点を「ゲイン交点」といい、ベクトル軌跡が負の実軸を切る点を「位相交点」という。

(3)ボード線図
ボード線図は、図2に示したように制御系のゲインと位相角をそれぞれ縦軸に、角周波数ωの対数値を横軸に取り、ゲインの変化と位相角の変化をそれぞれ別々の曲線で表している。このため、ゲインが0dBになったときの位相角をボード線図から読み取れば位相余裕を求めることができる。逆に位相角が-180°になったときのゲインを読み取ればゲイン余裕を得ることができる。

さてボード線図において、ゲイン曲線が0dBと交わる点がゲイン交点であり、ゲイン交点における位相曲線の位相差が-180°より大きければ、制御系は安定であると判定できる。

また、位相曲線が-180°と交わる点が位相交点であり、位相交点におけるゲインが正のとき、その制御系は不安定となり、負のときはゲイン余裕があるので安定と判定できる。

このように、ボード線図を使えば制御系のゲイン余裕と位相余裕を簡単に求めることができる。

また、ゲインが0dBになる角周波数の位相特性が、-180°より小さいとき安定、-180°ならば安定限界、-180°より大きいとき不安定と判断できる。

制御系は、一般に位相余裕とゲイン余裕が小さすぎると安定度が悪くなり、逆に大き過ぎると速応性が悪くなる特徴がある。


以上です。