ここの補足、です。
問題文、解答内容については、ここ参照で。
変圧器 問3
【解説】
(1)変圧器のタップ切り換え
電源電圧の変動や負荷電流の変化による電圧変動を補償して、負荷端の需要家に避ける電圧をほぼ一定に保ち、良質の電力を供給するためには、電圧調整が必要である。このため、巻線にタップを設けて変圧比(巻数比)をある範囲に、あるステップ電圧で変えられるようにする。タップ電圧には、定格容量で連続使用に耐える全容量タップと、電流を制限して定格容量より小さい容量で使用される低減容量タップの2種類がある。また、タップ切換器には無負荷・無電圧で切り換えなければならない無電圧タップ切換器と、負荷をかけたまま切り換えのできる負荷時タップ切換器とがある。
(2)負荷時タップ切換器
無停電でタップを切り換えるためには、通電中のタップが回路から離れる前に、次のタップがその回路に接続されなければならない。したがって、タップ切り換えの途中で2つの異なるタップが一時的に橋絡され、その間に循環電流が流れる。この循環電流を適当な値に制限するために、抵抗あるいはリアクトルを挿入することが負荷時タップ切り換え方式の原則である。負荷時タップ切換方式は、限流方式により、抵抗式とリアクトル式に分類できる。抵抗式では切換動作は瞬時になされるので、これに用いられる抵抗器は短時間定格のものでよい。リアクトル式のリアクトルは連続定格に設計され、タップ間橋絡状態においては、変圧比2:1の単巻変圧器として作用する。したがって、橋絡位置中点をタップ点とすることができ、タップ点数を倍にできる利点を有する。
切換開閉器はタップ切り換えの際、アークを発生し、切換開閉器室内の油を汚損し、接点の磨耗も避けられない。特別の高頻度切換が必要な場合は、切換開閉器の長寿命の点から真空バルブを使った切換開閉器が一部に使われている。
(3)負荷時タップ切換器の動作
図4に二抵抗式負荷時タップ切換器を、図5にリアクトル式負荷時タップ切換器を示す。図4の二抵抗式負荷時タップ切換器を例にとり、タップ切り換えの動作過程を説明する。
奇数番目のタップ用と、偶数番目のタップ用の2組のタップ選択器と、これに対応する減流抵抗器RA、RBと切換開閉器Sとからなる。例えば、タップ5からタップ4に切り換えるには、まずBのタップ選択器を6から4に移し、続いて切換開閉器Sを早切りでAからBに切り換える。この間、RA、RBは次々に回路に入って、橋絡状態ではRA、RBが直列になって循環電流を制限する。
以上です。
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