水曜日, 6月 18, 2008

OHM練習問題 機械 静止機器~補足

ここの補足、です。
問題文、解答内容については、ここ参照で。

静止機器
【解説】
(1)直列リアクトル
送配電系統には種々の原因による高調波源が存在しているので、並列コンデンサを使用すると高調波に対して線路のリアクタンスと直列回路を形成し、高調波電流を増大させ、回路電圧波形を悪くする。これを避けるためにコンデンサと直列に直列リアクトルを接続し、高調波源に対し、合成リアクタンスを誘導性とすることが標準的に採用されている。直列リアクトルはこのほかに、コンデンサ投入時の突入電流の抑制、ならびに開放時の再点弧防止にも有効である。

三相系統では、負荷が並行している限り3の倍数高調波はΔ結線の変圧器巻線により短絡環流して線路に現れないため、第五、第七などの高調波に比較して小さくなる。そこで、第五調波に対してコンデンサとの合成インピーダンスを誘導性にするためのリアクタンスは、次式となる。

1/(5×2πfC)<5×2πfL
1/(25×ωC)<ωL
0.04・1/ωC<ωL

つまり、直列リアクタンスをコンデンサのリアクタンスの4%以上にすればよい。特殊負荷の力率改善用コンデンサ設備、アーク炉用、整流器用では、系統と高調波共振防止あるいはコンデンサ回路の過大高調波電流が流入しないように8~15%の直列リアクトルを使用することが多い。

(2)放電装置
コンデンサ開放時の残留電荷を速やかに放電させるために、放電コイルをコンデンサと並列に接続し、5秒以内にその端子電圧を50V以下に下げるように規定されている。缶形コンデンサでは一般に放電抵抗が内蔵されており、この場合の放電特性は、5分以内にその端子電圧を50V以下に下げるように規定されている。

(3)開閉装置
コンデンサの常時の開閉、ならびに故障時の開放に使用される遮断器・開閉器には、

1.投入時の突入電流が大きく、かつ周波数が高い。
2.極間回復電圧が高い。
3.開閉頻度が高い。
などの使用条件に適したものとして真空遮断器、ガス遮断器などが用いられている。

(4)保護装置
コンデンサの保護には、系統異常時のコンデンサの保護として過電圧および不足電圧検出があり、コンデンサ自体の事故に対する系統保護用として過電流・地絡およびコンデンサ内部故障検出がある。コンデンサ内部故障検出方式には各種のものがあって、特別高圧用設備では電圧作動方式、オープンデルタ方式が主流であり、高圧用設備では内圧検出保護接点方式、FT接点方式、ラインヒューズ方式が主に採用されている。

以上です。