月曜日, 6月 30, 2008

OHM練習問題 機械 保護機器~補足

ここの補足、です。
問題文、解答内容については、ここ参照で。

保護機器
【解説】
電力系統の施設・機器の絶縁を過電圧から保護する目的で使用される装置を総称して避雷装置という。避雷器は代表的な避雷装置で雷または回路の開閉などに起因する過電圧の波高値がある値を超えたときに放電により過電圧を制限して電気設備の絶縁を保護し且つ続流を短時間のうちに遮断して、系統の正常な状態を乱すことなく現状に自復させる機能を持つ装置である。

1.酸化亜鉛形避雷器
近年、優れた非直線抵抗特性を有するZnO焼結素子を積層した酸化亜鉛形避雷器が多く用いられている。ZnO素子は、従来の炭化けい素(SiC)素子に比べ、抵抗の非直線性に優れていて、常規対地電圧における抵抗分電流は、絶縁物の漏れ電流に近い数百μA程度であるため、直列ギャップなしで避雷器を構成できる。このため構造が簡単でかつ特性的にも優れた避雷器が実現でき、現在ではほとんど全ての電力用避雷器は参加亜鉛形となっている。;

2.避雷器の性能
(a)保護能力
避雷器は、過電圧の波高値がある値を超えた場合、放電により過電圧を制限して、電気設備を保護する必要がある。避雷器が動作する場合、両端子間に残る過電圧の上限値を保護レベルといい、雷インパルスおよび開閉インパルス領域についてそれぞれ規定がある。各保護レベルは、避雷器が保護する機器設備の雷インパルスおよび開閉インパルス耐電圧レベルと、絶縁協調を保つ事が必要である。

(b)動作責務能力
避雷器は定格電圧が加えられた状態で繰り返して動作しても毎回確実に続流を遮断し、かつ諸特性が実質的に変化しないことが必要である。酸化亜鉛形避雷器は、直列ギャップを使用しないため、長年月の運転中に所定の雷、開閉サージおよび交流課電などのストレスを受けたのちに、開閉サージなどの熱トリガを受けても熱暴走を生ずることなく、実使用に耐えることが必要である。

(c)動作開始電圧
図3に「ZnO素子のV-I特性と各種正弦電圧」を示す。
参加亜鉛形避雷器において、小雷流領域の所定の電流に対する避雷器の端子電圧波高値である。これは試用期間中の連続運転電圧および短時間か電圧に耐える能力と関連が深いので、使用する系統電圧に応じて定められている。

(d)公称放電電流
避雷器の保護性能および自復性能を表現するために用いる放電電流の規定値であって、8/20μsの雷インパルス電流の波高値で表現する。酸化亜鉛形避雷器には、10000Aおよび5000Aの2種類がある。

(e)課電安定性
酸化亜鉛形避雷器では直列ギャップがないので、常規対地電圧がZnO素子に連続課電される。素子の特性はこの連続課電電圧や大電流サージの通電によって、小電流領域においていくぶん変化することがある。一定電圧課電時の漏れ電流の経時変化が単調増加するものの場合、その課電寿命は一定課電圧において漏れ電流が規定値を超えるまでの時間で定義することができ、その寿命特性はアレニウスの関係で示される。

(f)放電耐量
酸化亜鉛形避雷器の放電耐量には、雷インパルス耐量、開閉サージ耐量、短時間交流過電圧耐量などがある。

以上です。