木曜日, 7月 03, 2008

OHM練習問題 機械 制御系の応答問3~補足

ここの補足、です。
問題文、解答内容については、ここ参照で。

制御系の応答 問3
【解説】
むだ時間要素は、図5に示すように入力信号R(s)に対して所定時間だけ遅れて出力信号C(s)が出力される伝達要素である。この図に示すように時刻Lだけ遅延するむだ時間要素の伝達関数は、次式で示すことができる。

G(s)=e^-Ls …1

1式のsにjωを代入して時間関数に直してオイラーの公式を適用すると次式が得られる。

G(jω)=e^-jωL
 =cos(ωL)-jsin(ωL) …2

2式の実数部Re[G(jω)]および虚数部Im[G(jω)]は、それぞれ、

Re[G(jω)=cos(ωL)
Im[G(jω)=-sin(ωL)

となる。したがって、むだ時間要素の周波数伝達関数G(jω)は次式となる。

G(jω)=1∠tan^-1{-tan(ωL)}
 =1∠-ωL=∠-ωL …3

この式が示すように、むだ時間要素のゲイン|G(jω)|は、1であり、位相角∠G(jω)は、角周波数に比例して増加することがわかる。

また、R-L回路の周波数伝達関数からゲイン|G(jω)|と位相角∠G(jω)は、それぞれ次式のようになる。

|G(jω)|=R/√{R^2+(ωL)^2} …4
θ=-tan^-1(ωL/R) …5

ここで角周波数ωを変化させたときのゲインおよび位相角を求めると表3が得られる。

R-L回路は、この表に示したように角周波数ωが増加するにしたがって位相角の遅れが増加し、ω=∞のときに-90°となる。位相角の変化は、5式に示されるように三角関数の正接(タンジェント)の変化に等しい。

以上です。