ここの補足、です。
問題文、解答内容については、ここ参照で。
制御系の応答 問4
【解説】
制御系の特性を判定する為、特殊な信号を制御系に与えたとき出力される制御量の変化を捉えることが行われる。このとき制御系に与える信号には、単位インパルス信号(unit impulse signal)、単位ステップ信号(unit step signal)およびランプ信号(ramp signal)などがある。
(1)単位インパルス信号
単位インパルス信号は、短い時間幅(τ)の期間中に、大きさが1/τの値を有する信号である。つsまり単位インパルス信号は、その面積が1になる。特にτ→0の極限を取った信号は、ディラック(Dirac)のδ関数(delta function)と呼ばれる数学的な関数信号である。つまりδ関数δ(t)は、
δ(t)=∞:t=0
0:t≠0
であり、∫δ(t)dt=1(積分範囲は-∞~∞)と定義される。つまりこの関数はきわめて短い時間に極めて大きな値を有していることを示している。
このような単位インパルス信号δ(t)をラプラス変換すると次式が得られる。
L[δ(t)]=∫δ(t)e^-stdt
=∫δ(t)e^-stdt(0-~0+)
∫δ(t)e^-stdt(0+~0∞)
=1
次図6に示す一次遅れ要素G(s)に入力信号R(s)として単位インパルス関数を与えたときの出力信号C(s)を求める。単位インパルス信号をラプラス変換した値は1であるから出力C(s)は、
C(s)=R(s)/G(s)
=1・1/(1+Ts)=1/T/{s+(1/T)}
となる。したがって出力C(s)の時間変化c(t)は、上式を逆ラプラス変換して、
c(t)=L^-1[C(s)]
=1/T・e^-(t/T)
となる。T=1のときの出力c(t)は、図7に示すように徐々に最終値である0に近付くように変化する。
(2)単位ステップ信号
単位ステップ信号u(t)は、時刻t=0で単位値1になる信号である。つまり単位ステップ信号u(t)は、
u(t)=0:t<0
=1:t≧0
である。
単位ステップ信号u(t)をラプラス変換すると次式のようになる。
L[u(t)]=∫u(t)e^-stdt=∫e^-stdt(0~∞)
=[-1/s・e^-st]=1/s
(3)ランプ信号
ランプ信号は、時間に比例して増加する信号である。すなわち比例定数をaとすればランプ信号f(t)は、次式のように表すことができる。
f(t)=at
ランプ信号f(t)をラプラス変換すれば次式となる。
L[f(t)]=∫f(t)e^-stdt=∫ate^-stdt(0~∞)
=a[-t・e^-st/s]+∫(ae^-st/s)dt
=[ae^-st/s^2]1/s
以上です。
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