ここの補足です。
・L形等価回路
L形等価回路は回路の取り扱いが簡単であり、特性の計算も容易にできる事から一般に多く用いられる。
(a)一次巻線1相の抵抗r1
各端子間で測定した一次巻線抵抗値の平均値R1(Ω)から、R1の1/2で求める。
(b)無負荷試験の結果から励磁回路の特性を求める所。
まず、無負荷試験→負荷は開放→励磁回路のみの特性を測定している
と考えると、無負荷試験結果の電圧・電流の関係から励磁回路のインピーダンス
(及び、その逆数であるアドミタンス)を求める事ができる。
つまり、I=V/√3・Z=VY/√3 より、アドミタンスを求める事ができる。
また、コンダクタンスは、抵抗分の逆数と考えられ、これは入力(有効分)と電圧の関係から求められる。
これから、サセプタンスはアドミタンス^2-コンダクタンス^2の平方根にて求めることができる。
(c)拘束試験では、励磁回路を無視すると…、
入力(電力有効分)と電流の関係から、抵抗を求める事ができる。
また、電流と電圧の関係からインピーダンスを求める事ができる。
これらから、リアクタンスも求める事ができる。
この問題をやってみた思った事としては…、
これ、建前上特性試験結果からL形等価回路の諸定数を求める問題ですが、
逆に言うと、L形等価回路の形を知っていて、考え方がわかればこの問題は解けます。
(今回、これを知らなかったので解答見なきゃわからなかった…)
という事で手書きに等価回路を載せておきますが、これ、覚えておいた方がよさそうですね。
(なんか他の電動機でも類似な等価回路あったような…?違ったかも)
今日は以上です。
日曜日, 5月 27, 2007
誘導機の特性試験の問題の、補足。
土曜日, 5月 26, 2007
制御の問題の補足。
ここの補足です。
手書きには式を載せていますので、そちらもご覧ください。
・特性方程式の次数が高い場合、その根を求める事が困難であるため、
開ループ伝達関数の極と零点の配置から特性方程式の根を、
作図的に求めようとする方法を根軌跡という。
言い換えれば根軌跡は制御系において、例えば制御系のゲインや時定数などを、
連続的に変化させた時、s平面における特性方程式の根の動き(根軌跡)を調べるものであり、
主として機械装置の位置や速度制御を目的とする制御系(サーボ系)に用いられる事が多い。
手書き図に示す開ループ伝達関数の一般解は、G(s)H(s)は、
K(s-z1)(s-z2)…(s-zm)/{(s-p1)(s-p2)…(s-pn)}
ただし、n≧m
ここから、添付の手書き(1)のような式に変形できる。
根軌跡は、開ループ伝達関数のゲイン定数Kを0~∞まで変化させたとき、
(1)式を満足するsがs平面で描く軌跡を求めるものである。
(1)式の開ループ伝達関数は、(手書きにあるように)
(s-z1)(s-z2)…(s-zm)/{(s-p1)(s-p2)…(s-pn)}=-1/K
であり、K=0の時、G(s)H(s)の極、すなわち、s=p1,p2…pnが特性方程式の根となる。
また、K=∞の時、s=z1,z2…znがおよび(n-m)個のs=∞の無限遠点が特性方程式の紺になる。
したがって、ゲイン係数Kを0から∞まで変化させると、根軌跡は開ループ伝達関数の極から出発し、
零点または無限遠点に終わる。
また、特性方程式の根は、手書き(2)式に示すように一般に、実数係数の多項式として表現される。
この式で表される特性方程式の根が複素数となる場合、
その根は共役複素数となる。
したがって、根軌跡は実軸に対して対象になる。
金曜日, 5月 25, 2007
無効電力補償装置の問題、の補足
ここの補足。
無効電力補償装置についての問題です。
1.受動形無効電力補償装置
問題文にあるもの、ですが、さらに補足分を。
サイリスタと、リアクトル及びコンデンサを用いて構成したもので、
リアクトル制御形と、コンデンサ・リアクトル併用制御形とがある。
リアクトル制御形の回路構成は手書き左図に示すとおりであり、
サイリスタの点弧角を制御することでリアクトルに流れる
無効電流を可変制御して、無効電力を制御する。
この方式では、ここでもあるように高調波が多く含まれる波形となるため、
LCフィルタを併設して高調は電流を吸収している。
リアクトル制御形は連続制御が可能で、応答が速いという特徴がある。
一方、コンデンサ・リアクトル併用制御形は、手書き右図に示すように、
コンデンサ側に設けたサイリスタをON/OFF制御して、
無効電力を粗調整するとともに、
リアクトル側に設けたサイリスタを位相制御して無効電力を微調整する。
このように制御する事によって無効電力を連続的に制御する事が可能となる。
コンデンサ・リアクトル併用制御形は、リアクトル制御形に比べて、
その回路構成がやや複雑となるが、遅相電力だけでなく、
進相電力の連続制御が可能である。
また、損失が少ないという特徴がある。
2.能動形無効電力補償装置
能動形無効電力補償装置は、自励式インバータを用いて構成したものである。
能動形には、電圧形インバータ方式と、電流形インバータ方式とがある。
(a)電圧形インバータ方式
この方式は、電圧形インバータ系統と同じ周波数で、
ほぼ同一位相の正弦波電圧を発生させ、変圧器を介して系統に与えるものである。
この方式では、インバータの出力電圧を高くすると進相無効電力が発生し、
電圧を低くすると遅相無効電力が発生する。
電圧形インバータ方式は、このようにインバータの出力電圧を可変する事によって、
進相および遅相の無効電力を連続的に制御することができる。
(b)電流方インバータ方式
電流形インバータ方式は、電流方インバータと系統とを変圧器を介して接続する。
そして、インバータに流れる電流の位相を変化させて、
進相、または遅相の無効電力を連続的に調整する。
木曜日, 5月 24, 2007
直流機の問題の補足。
ここの補足です。
手書きも参照ですが(たいした事は書いてない)…。
・直流電動機の回転速度の式は、手書き参照で。
ようは端子電圧や電機子抵抗には比例的、
界磁には反比例的になる式です。
よって、電動機の速度を変えるには、端子電圧、巻線抵抗、磁束、
のうちいずれか、またはそれらの組合せを組み合わせて行う。
界磁を一定にして端子電圧を変化→電圧制御法
界磁を一定にして巻線抵抗を変化→抵抗制御法
界磁を変化→界磁制御法
という。
・他励電動機の電圧制御
この方式は、端子電圧を替える可変電圧電源を必要とするが、
零から徐々に電圧を上げて円滑な始動が容易であり、電圧を正逆して、正転・逆転を容易に行え、
運転効率が高く、回生制動も可能であるなどの特徴がある。
一般に可変電圧源を用いた速度制御方式として、
専用の発電機を設け、その電圧を変化させて制御を行う、ワードレオナード方式が使用されるが、
最近では発電機の代わりに整流素子としてサイリスタを用いた、
サイリスタレオナード方式が広く用いられている。
↑実情的にはワードレオナードは現在ほぼ皆無な気がします。
・直巻電動機の電圧制御
直巻き電動機においても他励電動機と同じように、可変電圧制御を行う場合がある。
チョッパ制御は、その例である。
この場合、電流脈動が大きい為、整流および温度上昇に注意を払う必要があるが、
無段階の連続速度制御ができ、運転効率も良く、また、回生制動も可能である。
ここで、回生制動って出てきてますが…、これは、電動機を発電機に見たて、
発電電力(電流)を抵抗(など)で消費させる事でブレーキをかけるもの。
という説明で、大きくは間違ってないはず…。電気的な、ブレーキと思えばいいはずです。
今日は、以上!
水曜日, 5月 23, 2007
練習問題、のうち、変圧器(の補足)
ここの補足です。ポイントなどを。
・無負荷損
無負荷損は、鉄損、無負荷電流による巻線の抵抗損、絶縁物の誘電体損で構成される。
これは、固定損であるが、大部分が鉄損のため、無負荷損は鉄損に等しいと考えて実用上OK。
鉄損はヒステリシス損とうず電流損からなり、次式で表される。
ヒステリシス損:Wh=KhfBm^2~3
うず電流損:We=Kef^2Bm^2
ただし、Kh、Ke:定数 f:周波数、Bm:最大磁束密度
・負荷損
負荷損は、巻線内の抵抗損と漂遊負荷損
(漏れ磁束による巻線内および巻線以外の金属部分に生じるうず電流損)
の和をいう。負荷損は基準巻線温度に補正した値です。
・最高効率
負荷損は負荷電流、すなわち負荷の値によって変わるので、
変圧器の効率は無負荷損と負荷損が等しくなる負荷状態で最高値となる。
したがって、この比が1:4であれば50%負荷のときに最高効率となる。
無負荷損:負荷損=Wi:Wc=1:4
Wi=α^2Wc
α^2=Wi/Wc=1/4
∴α=0.5
ここで、変圧器の一般特性は以下のようになる。
・漏れインピーダンスが大きくなれば同僚が増すので負荷損が増し、
最高効率点は軽負荷のほうに移動する。
したがって、低負荷で使う事がおおければ、漏れインピーダンスを低めにすれば高効率運転ができる。
・定格電圧が大きくなれば巻線間ならびに巻線と大地間の絶縁距離を多くとる必要がある。
このため、鉄心材料・巻線材料ともに多くなり、無負荷損と負荷損が増え、効率は低下する。
・周波数50Hzの変圧器を電圧、出力を変えないで60Hzで使用するときは、
鉄心の磁束密度が50/60に減少する。
よって、無負荷損≒鉄損が減少する分、効率は良くなる。
以上です。
火曜日, 5月 22, 2007
ベクトル軌跡の問題その2 Ver07
ここの補足です。
問題の回路図は手書きを参照で。
解き方自体はそんなに前問の方がもうちょっと面倒なくらいで。
そこに至るのに、ブリッジ回路→直列の並列回路、と分解できればOK。
解答では、b-d間電圧を、求める為に、Vbd-Vcdで考えていました。
が、僕がやったのは、分圧の式で、Vab-Vacで考えました。
(その方が簡単かは不明だけど、分圧の式で分子にωLが入るの面倒な気がして)
ただ、注意点としては、Vabというのは、Va-Vbであり、Vacというのは、Va-Vcです。
そして、求めるVは、実際には矢印の向きを加味すると、Vbc(c側基準だから)=Vb-Vc
Vbc=Va-Vab-(Vc-Vac)=Vac-Vabとなります。
まぁ、何がいいたいか、というと、向きに気をつけましょう、という事。
b、c点の電圧として、どうとるかでbc間電圧の符号が変わってきます。
符号を間違えると、ベクトル軌跡の通る向きが変わったりするので注意、ですね。
(というか、一回間違えた)
後は計算さえ間違えなければ。
[コメント]
ブリッジ回路のベクトル軌跡の問題である。
問1を“完璧に”体得しておけば、少々回路が複雑になっても自信を持って対処できたと思う。
“応用力”とは、複雑な問題を、自分が扱える範囲の基礎事項に“分解する力”である。
つまり、複雑な問題を、「分解する」→「分ける」→「解かる」という過程である。
この力は、日常実務で鍛えるのが一番身につく(そこは賛成)。
この問題も、
V=Vbd+(-Vcd)
Vbd=E/2
Vcd=jωL/(R+jωL) ×E
と分解して考えた時、
1.VcdはjωL/(R+jωL)のベクトル軌跡をE倍に拡大したもの
2.-VcdはVcdを原点を対称に反転
3.VはVbd(固定ベクトル)と(-Vcd)のベクトル和である。
(-Vcdは半円を描くので、その中心をVbdだけ移動)
となり、jωL/(R+jωL)のベクトル軌跡の問題に帰着する。
ところでベクトル軌跡って?
ってのは、たまにはメインの方に書こうかな。
(どっちが補足、だ…?)
月曜日, 5月 21, 2007
ベクトル軌跡の問題その1の補足。
ここの補足です。
ベクトル軌跡のポイントとして、
1.ベクトルの実部、または虚部のどちらか一方が定数で、もう一方が変数の場合、
ベクトル軌跡は直線となる。(しかも、軸に垂直・水平でしょうね)
2.ベクトル軌跡が直線となるベクトルの逆ベクトルは円軌跡を描く逆ベクトルの実部をx、虚部をyとおき、
x^2+y^2を求めて変形・円の方程式を導出する。
3.R、L、C>0、ω→0、ω=0、ω→∞、他ω=1/√(LC):問題、回路によるけど 等の条件から、
ベクトル軌跡が存在する領域を特定し、ベクトル軌跡を記述する。
みたいです。
RLC並列回路
電流Iは、IR+IL+ICとなるので…、
それぞれのインピーダンス、R、jωL、-j(1/ωC)による電流を求め、ベクトル和とすればよい。
この電流を求める時、回路インピーダンスを並列回路から求めてももちろんOK,でしょうが、
多分非常に式が面倒になり、大変、時間の無駄、です。結果は同じだろうし、ね。
後はベクトル軌跡を求めるのに、ωを0とか、∞とか、条件を考える。
そのために、電流を実部と虚部に分けて考えると、実部はE/Rで、定数。
虚部は変数を含む式となり、ωを0~∞とした場合、-∞~∞になります。
それと、虚部=0の条件から、この時のωを求めると、ω=1/√(LC)となります。
これらからベクトル軌跡として直線を描く事ができます。
RLC直列回路
この電流は、インピーダンスZから求めるしかないでしょう。
詳細はメイン参照で。
この問題の場合、x^2+y^2の演算結果で、分子が変数ωを含まないことに着目し、
それをxで表す事がポイントのようです。(というか、セオリー?)
また、円の方程式を作る際に、両辺に(この問題でいう)(E/2R)^2を加えて円の方程式を作る、
」という方法も定石である、と。
後は領域の検討。(手書きではしっかりやってないなぁ)
・ω=+0の時(+側から0に接近する)、x=+0、y=+0
・ω=1/√(LC)で、I2の虚部が0となる時、x=E/R、y=0
・ω=∞で、x=0、y=-0(-側から0に接近する)
となるから、ベクトル軌跡の回転方向や各部の値、となる。
コメント
「単純なRLC並列・直列回路のベクトル軌跡の問題である。ベクトル軌跡の基礎力である、
1.円の方程式を作る手順と、2.直線、円の存在領域を特定する手順
を“完璧に”マスターしていただきたい。」
らしいです。
最後に、別の解法を。:X(ω)が面倒なんで、Xに。変数はXです。
I2=E/(R+jX)=E/2R+{1/(R+jX)-1/2R}E
=E/2R + (R-jX)/(R+jX)・E/2R
である。ここで、R+jXについてθ=tan^-1(X/R)とすると、
(R-jX)=√(R^2+X^2)∠-θ、 R+jX=√(R^2+X^2)∠θ
となるので、 (R-jX)/(R+jX)={√(R^2+X^2)∠-θ}/{√(R^2+X^2)∠θ}=1∠-2θ
である。
よって、I2は
実部がE/2R:実部固定ベクトル
虚部がE/2R∠-2θ:半径E/2R の円ベクトル
ω=0でX=-∞より、-2θ=π
ω^2∠C=1でX=0より、-2θ=0
ω=∞でX=+∞より、-2θ=-π
となる。このベクトル図は中心(E/2R、0)、半径E/2Rの円軌跡を描くことになる。
日曜日, 5月 20, 2007
PC遍歴(14) ~使ってきたソフトその2
前回は、こんな事を書いています。
前回に続き、今度はOfficeについて。
レポートをMacで書くのにも慣れてきた頃。
クラスメートでもワープロでの提出をしてる人が増えてきました。
と、ふと人のレポートを見ると…、
僕はまだ手書きだったグラフさえ、パソコンに書かせてる!?
いや、僕もチャレンジはしましたよ。
クラリスワークスの表計算機能でグラフは書かせてみました。
でも、折れ線グラフで、カクカクなんです。
いや、今にして思うとスムージング機能があって、しらなかっただけかも、ですが、
とにかく使い物にならない、との判断で、グラフだけは手書きでした。
が、やつらはエクセルで書いてるんです。
そして、それなりに綺麗なグラフなんです…。
羨ましくて、そして、Mac版エクセルが出たときは、
アカデミックで速攻購入でしたよ…。
そいえば、卒論でC言語をやるから、と、
Symantec C++も買ったりしたなぁ。(コンパイラ・開発環境で、数万円した気が)
でも、何も作らなかった…。Hello World!くらいしかw
そして、エクセルに関して。
実験でしたし、班に分かれてですから、実験内容は回っていく訳です。
当然、2回目以降は前にやった班がいる、と。
ある時期、僕の前をず~っと行く班の中に、仲の良い、かつエクセル使いの子がいて、
事前に実験結果のファイルをデータで貰ってました。
で、グラフ上にプロットした点を逆読みして実験データを作成(お捏?)し、
実験時間は適当に時間をつぶし、先生に、
「できました!」
なんつって持っていってました。
それも、エクセルの「グラフ上のポイントをドラッグしたらデータ側が変わる」という機能を発見したから。
友人の班がやったデータを、グラフの位置をずらして、データを読んで。
それを実験結果として書き写す、と…。
そんなことしてエクセルの技能を少しずつ身に付け、
今では会社で学校の専門に関する色に付き(それなりに活かし)、
さらに業務効率化のためにエクセル大活用する、という現在がある、と言っても過言じゃないでしょう。
と、なんかまたしても脈絡がおかしいですが、昔はソフトって高かったし、それでも買ってたよな、
って話。
(最近、フリーソフトでけっこうできるし、iLifeとか、安くて十分に使えるし、OS標準で持ってるし…)
あ、次回はiLifeの話にしようかな?
土曜日, 5月 19, 2007
ブリッジとコイルの複合問題、の、補足。
ここの補足です。
基本的には単純なブリッジ回路の解析をする問題。
ただ、相互インダクタンスが出てくるところに捻りあり、です。
それがないとすると、ほんと単純にRLRの並列によるブリッジなだけ。
そして、この解法ではその単純なブリッジに変換してしまおう、
という問題。
注意点とポイントは…、
・相互インダクタンス。回路図において「・」の意味。
(コイルの所)
この、「・」によって相互インダクタンスによる電圧降下の方向を定めています。
「・」のある方から電流が流入した場合、
相手側の「・」がある方向から逆起電力が発生する、
という記号。つまり、この問の場合はどちらも順方向で、
電圧降下の式を立てる場合には相互インダクタンスMによる電圧降下は加算でよい、
という事になります。
・ブリッジでの平衡条件において、実部=実部、虚部=虚部
とする所。まぁ当たり前なんですが、
等式において次元の等しい物同士をそれぞれ等しい、とします。
・この方法で回路変換をせずに問題の回路を解析するには、
平衡条件を使わずに力技(=大変)で解く必要があるらしいです。
(もちろん、やりませんよ!)
導出や回路図などは、添付の手書きを参照してくださいな。
金曜日, 5月 18, 2007
交流回路の問題、の補足。
ここの補足です。
補足するほどのこともないのですが…。
ポイントを。
・直列回路の並列、という事で、並列部分で電圧は等しい。
・ベクトル図を見ればわかるように、XLでの電圧降下とR1での電圧降下のベクトル和、
また、XC、R2の電圧降下のベクトル和はそれぞれ等しく、Vになる。
・電圧に対して電流の位相は、コイルでは遅れ、コンデンサでは進みとなる。
・つまり、電流を複素数で表現した時、コイルでは虚部が+、コンデンサでは虚部が-となる。
・ここから、逆に考えると、複素インピーダンスでは、虚部が+の時遅れ、虚部が-の時進み、となる。
・この問題で、最後に複素電圧が与えられ、力率を求める事になっているが、
ここで電圧の位相には無関係となっている。
これは、力率とはあくまで電圧・電流ベクトルの位置関係を表すものであるから当然である。
・ちなみに、この問題で素直に電圧・電流の位相を求めると、多分かなり大変と思われる。
補足する事は、これくらい、です。
木曜日, 5月 17, 2007
水の電気分解の問題。
ここの、補足です。
・水の電気分解における、反応式。
全反応:H2O→H2+1/2 O2
アノード反応:2OH-→1/2 O2+H2O+2e-
カソード反応:2H2O+2e-→H2+2OH-
この反応式より、水素分子(H2)が生成されるのはカソード電極。
・1molとは…?リンクのような感じですが…。
自分なりの覚え方としては、
「原子番号にgを付けた重さになる為の、原子数」(←リンクによると、厳密にはちょっと違うらしいね)
つまり、水素の原子番号は「1」なので、水素1g中には水素原子は1mol含まれている事になります。
よって、水素1kg=1000gには、水素原子が1000mol、
水素分子は、H2なので、原子数の1/2になるため500molの水素分子、となります。
・これを生成するのに必要な理論的電気量を考えると、ファラデー定数が27(Ah/mol)なので…、
カソードの反応式より、電子2個で水素分子が1個生成されるため、これに必要な電気量は、
2個×27(Ah/mol)×500(mol)=27000(Ah)
ここで、単位での換算について考える。
正直、ファラデー定数って、知らなかったんだけど、Ah/molという単位が与えられたからには、
そこからの換算を行えばよい、と思います。
後は電子が2個必要、って所さえ抜けなければOK、かと。
・ここまでに必要な全エネルギーは、端子電圧を2Vとすると…、
2(V)×27000(Ah)=54000(V・Ah)=54000(W・h)→5.4kWh
となります。
単位の話。
電気量がAhという事は、A×時間。また、エネルギーは電力量と等価ですので、
結局電気量×電圧で電力量=エネルギーが求められる事になります。
・水1(mol)の分解に必要な理論的電気エネルギーは、
電子2個×27(Ah/mol)×1(mol)=54(Ah)
ここで、また単位の話。
Ahは、電気量、つまり、電荷の単位と同次元になります。(見ている時間が違う)
単位「A」を考えると、これは単位時間(秒)に通過する電荷量、なので、C/sと書くことができます。
つまり、Ahの単位において、時間レベルを秒に換算する(3600秒をかける)と、
電気量AhとCの換算ができます。
水1molの分解に必要な電気エネルギーが233(kJ)として与えられますので…、
またまた単位の話として、エネルギーkJは、そのまま電力(単位秒あたり)と換算できます。
よって、これらより233kJを、上記理論的電気エネルギーを54×3600(A・s)で除算すると、
必要な電圧が求められる。
後は、効率を求める為に実際の端子電圧(ここでは2V)との割合で効率を求めればよい。
このあたり、単位の話と、後は反応式さえ抑えれば後は考えればわかる、と思われます…。
水曜日, 5月 16, 2007
電熱の問題の補足…。
ここの補足です…。
各加熱方式についてです。
1.抵抗加熱方式
(1)直接抵抗加熱式
被加熱物に直接通電したとき、被加熱物に生じるジュール熱を利用する。
この方式の炉としては、炭素ケイ素炉、黒鉛化炉、ガラス溶融炉、アルミニウム電界炉がある。
(2)間接抵抗過熱式
発熱体に通電して生じた熱を放射・伝導・対流などによって、間接的に被加熱物に与えて加熱する。
この方式の炉として、発熱体を用いた加熱炉、炭素粒を発熱体としたクリプトール炉、
溶解塩を発熱体とした塩浴炉などがある。
2.誘導加熱方式
ソレノイド状に巻いたコイルの中に被加熱物を置き、このコイルに交流電流を流すと
交番磁束が発生して被加熱物に起電力が誘起される。
この結果、被加熱物に渦電流が流れてジュール熱を生じる。
この原理を応用した加熱炉は、商用周波数の電源を用いる低周波誘導路と、150Hz~10kHzの
周波数を使用する高周波誘導炉とに大別される。
被加熱物内部に流れる渦電流は、コイルが発生する磁束を打ち消す方向に発生する。
このため、被加熱物内部ほど磁束密度が減少し、電流は被加熱物の表面を流れるようになる。
これを表皮効果という。渦電流がどれほど被加熱物に浸透するかを表す指標として、
次式に示す浸透深さσ(cm)が定義されている。
σ=5.03√(ρ/μr・f) (cm)
ただし、f:周波数(Hz) ρ:抵抗率(μΩ・cm) μr:比透磁率
3.誘電加熱方式
2枚の平行電極間に被加熱物を置いて電極間に高周波電圧を加えると、
被加熱物内部の分子が電界方向に向きを変えようと速い周期で振動・回転を起こす。
この時、発生する摩擦熱によって加熱する方式を誘電過熱という。
誘電加熱の発熱量P(W/m^3)は誘電体損失係数εstanσに比例し、次式で示される。
P=5/9 f εs tanσ E^2 ×10^-6
ただし、f:周波数(Hz) εs:比誘電率(μΩ・cm) tanσ:誘電正接、E:電極間の電界強度(V/m)
この式が示すように、発熱量は、周波数に比例するので高い周波数の法が効率がよく、有利である。
このため、誘電加熱に用いられる周波数が、4~100MHz程度であるのに対し、
マイクロ波加熱は電界をマグネトロンで発生させた周波数が2450MHz程度のマイクロ波を用いる。
食品の加熱、殺菌、解凍、木材の乾燥・接着などに用いられている。
4.赤外加熱方式
赤外加熱方式は、1~1000μmの波長範囲の赤外線を用いる。
赤外線の光子エネルギーが小さいので物質に吸収されると、
ほとんど全てが熱エネルギーに変換される。
このため、赤外加熱は照射開始と同時に加熱が始まる。
たいていの物質は内部まで赤外線が浸透しないので、赤外加熱方式は、
表面過熱に限られる欠点を有するが、赤外放射の利点を生かして自動車のボディや、
家庭電化製品の表面塗装を焼き付け、
合成樹脂、エナメルの乾燥、紙、皮など厚さの薄い製品の加工処理に好適な加熱方式である。
以上です。長くなっちゃいました…。
火曜日, 5月 15, 2007
PC遍歴(13) ~使ってきたソフト
前回がこちらみたい。グダグダでした。
Macを買った当初。
学校のレポートをMacで書こう!というのが目標の一つでした。
工学部であった僕のレポートは、グラフを書いたり、とかがけっこうあって。
それと、図。図を定規で手書きするのがどうにも面倒で…。
そんな事もあって、レポートを作成しだしたのですが…。
当初、ビットマップ系とドロー系の違いもわかっておらず。
最初提出したレポートは、グラフィックにビットマップ系を使い、文字がジャギーだらけ。
斜め線、曲線もジャギーだらけ…。
で、自力で探りましたよ。
そこで、とてつもなく勉強になり、その後2年間レポートをそれで書きつづけたのが、
「クラリスワークス」
です。皆がWindowsで、ExcelやWordを駆使している中、クラリスワークスです。
Officeとの大きな違いは、あくまでOfficeがパッケージで、ソフト自体は個別・単体であるのに対し、
クラリスワークスは一つのソフトにワープロ、ドロー、ビットマップ、表計算、あとデータベース。
これだけが入っている、と。
たしかに、単品の機能ではOfficeには劣るけど、一つのソフト故動作も軽快、
各機能の連携も非常にスムーズ。Officeとは一線を画す使い勝手の良さでした。
で、上記の問題も、画面上では同じに見える斜めの直線も、印刷するとドローとビットマップで違う事、
さらにドローなら再編集が可能な事、とかを試行錯誤で発見していったのです。
そのあたりから、自力で解決する術を身につけていった、
という意味でも重要なソフトでした。だって、基本的なことなら、ほんとになんでもできたんだから。
今ではしっかりExcel使い(自称。でも、多分職場では№1)。
でも、その地盤となったのはクラリスワークスだったと断言できます。はい。
他に、クラリス製品買ってたなぁ。
ワークスのバージョンアップも買ったし、ホームページやメールも買ったなぁ。
それが、今は会社ない(というか、変わった)んだから、感慨ですよ。
ちなみに、旧クラリス(アップル子会社だったりするが)は、今のファイルメーカー社ですね。
こんな製品で頑張っています。
データベース、興味あるけど…、なかなかマスターできず、なのです。
次回は…、何について書こうかなぁ。
月曜日, 5月 14, 2007
HIDランプ…。(補足)
ここの補足です。
HIDランプとは、High Intensity Dischargeの略称で、
高輝度放電ランプと呼ばれ、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、
高圧ナトリウムランプなどがある。
(1)高圧水銀ランプ
100~数百kPaの水銀蒸気圧中の放電を利用したランプ。
発光管内に透明石英管に一対の電極と補助極を設け、水銀とアルゴンガスを封入している。
外管内には窒素ガスが封入されている。
水銀ランプの発光色は、青成分と緑成分が多く、赤成分が欠けているため演色性がよくない。
このため、ランプ管内面に蛍光体を塗布して演色性を改善したものが、蛍光水銀ランプである。
高圧水銀ランプは、始動時の特性が安定するまで数分間要する。
また、いったん消灯した後に再始動する場合は、ランプが冷えて発光管内の蒸気圧が下がるまで、
数分間を要する。
(2)メタルハライドランプ
構造は水銀ランプとほぼ同じで、発光管の中に水銀、アルゴンガスのほかに、
発光物質として種々のハロゲン化金属が封入されており、放電により金属特有の光を発する。
ハロゲン化金属のうち、Sc-Na系は効率に優れ、Dy-Tl系、Sn系は演色性に優れている。
メタルハライドランプの光色、演色性(Ra=65以上)は比較的よいが、
寿命(6000~9000h)および光束維持率がほかのHIDランプより劣る。
また、始動時間及び再始動時間は水銀ランプより長く、数~十数分かかる。
(3)高圧ナトリウムランプ
発光管は、透光性の多結晶アルミナ管で、内部にナトリウム、水銀、キセノンガスを封入してある。
外管内は保温をよくするため、真空とする事が多い。
高圧ナトリウムランプは、長寿命(9000~12000h)であり、寿命中の光束低下が少ない長所もある。
しかし、発光管内の蒸気圧によって分光分布、効率が異なってくる。
高効率形ランプは、発光管内の圧力を最高効率となる蒸気圧に設定してあるが、
光色は黄白色で、演色性(Ra=25程度)がよくない。
演色性を改善する為に、発光管内の蒸気圧を高めて分光分布を広くしたものもあるが、
効率は低下する。
以上です。気休め程度の手書きを、後でアップ予定…。
日曜日, 5月 13, 2007
ポンプの動力についての問題。
ここの補足。
羽根車をケーシング内で回転させて流体にエネルギーを与える装置を、
ターボ形ポンプと称する。
ターボ形ポンプは、羽根車出口の流体の流れ方向によって、
遠心ポンプ、斜流ポンプ、軸流ポンプに分類される。
まず、比速度について。
水力発電、水車の所でもよく出てきますが…、
比速度とは、1mの揚程、1m^3の水量を送るのに必要な回転速度、
で定義されます。
最高効率点での性能に対し、ポンプの比速度Nsを求めると、
Ns=NQ^(1/2)/H^(3/4)
ただし、N:回転速度(min^-1)、Q:吐出量(m^3/min)
H:全揚程(m)
この式から求められるNsが小さい場合は、
一般に小流量・高揚程のポンプに、
Nsが大きい場合は、大流量・低揚程に適する。
ちなみに、各ポンプの比速度の概要は、
遠心ポンプ:100~800
斜流ポンプ:350~1300
軸流ポンプ:1000~2500
である。
一定回転速度におけるポンプの特性
手書きの図参照(左と中央)。
これでもわかるように、全揚程曲線(左図)は、
垂下特性を有しており、揚程が高くなると水量低下、
揚程が低くなると水量増加、の特性をもっている。
しかし、所要動力(中央図)によると、
遠心ポンプでは水量の減少に伴って動力は減少するが、
軸流ポンプでは水量の減少に伴って動力は増加する。
(これが不思議だけど、詳細が書いた資料発見できず…)
これより、遠心ポンプでは吐出弁を全閉にして起動する。
(流量がなし→動力が少なくてOK)
逆に、軸流ポンプでは吐出弁を全開にして起動する。
(最初から、極力流量を出す)
回転速度が変化する場合の特性
回転速度N1,N2,N3の場合の、全揚程及び軸動力の、
特性が手書き右の図。
実揚程と管路損失曲線との和で求められる抵抗曲線と、
各回転速度における全揚程曲線とが交わる点、
H1,H2,H3が、おのおのの運転点となり、
その時の軸動力がP1,P2,P3となる。
相似則が成り立つ範囲においては水量は回転速度に比例し、
揚程は回転速度の2乗に比例する。
また、軸動力は回転速度の3乗に比例するので、
速度制御を行う事によって効率的な水量調節が可能である。
使用される電動機
メインにもあるように、主にかご形三相誘導電動機。
しかし、始動電流が大きい為、電源容量に余裕がない場合、
また、速度制御を行う場合には巻線形~が用いられる。
ポンプの問題でした。
土曜日, 5月 12, 2007
電動力応用。
ここの補足です。
まず、必要な電力Pc(kW)を求めるくだりについて。
電力、電力量、仕事、仕事率、の関係を抑えておく必要が。
電力量は、仕事に等しく、となると、電力は仕事率に等しい。
ただし、仕事率は1秒あたりに換算ですが。
この関係をこの問題に当てはめると、
仕事は、力×距離。
力は、荷重×重力加速度(g=9.8)→単位N
距離は速度から求められます。
まず、1分あたりの仕事を考えると、
2078×9.8(N)の荷重が15m上昇しますので、
305533.62(J・min)
であり、これを1秒当たりの仕事率にするには、60で割る。
よって、5092.227(J/s=W)
が求められ、kWへ換算すればよい。
その他は特にないです。
文章から、手書き資料、一番下の図が連想できれば、
後は三角関数程度でOK。
比較的簡単な問題と言っていいと思います。
機械全般に言えることと思いますが…、
範囲が広く、完全にマスターするのは困難と思われます。
というか、全部憶えるのは、ですね。
さすがに、電気技術者として、
も含めると電動機・発電機・変圧器はある程度憶えた方が○、
と思いますが、このあたり、制御関係や機器応用。
これらは「常識」を憶えて、いかに算出できるか?
が肝になると感じています。
100点取る事が目的じゃないですし、
そういう勉強の仕方をしたほうが、
2次試験対策になると思われます。
そういう意味で、
3種機械→憶えてなきゃ辛い
2種機械→考えたらいける
の印象があって…、機械は3種の方が苦手な印象。
この問題で言っても、必要な値は三角関数で求める物、
単位換算で求める物、程度です。計算は、簡単。
でも、J/sとWが等しい事を知らなければ解けない。
つまり、僕的には単位換算って重要だと感じます。
それを広げていけば物理にも強くなるしね。
(ってか、物理に強い人が有利、ってことか)
という事で、機械の結構重要なポイント、
と思うことについて、でした。
以上。
金曜日, 5月 11, 2007
電圧変動率の問題。
ここの補足です。
電圧変動率は、定格周波数において、指定の力率、指定の出力(特に指定がなければ定格)の下に、
二次巻線の端子電圧が定格値となるように二次電圧を調整しておき、
これを変えずに変圧器を無負荷にしたときの二次端子電圧の変動の割合をいい、次式で表される。
電圧変動率ε=(V20-V2)/V2 ×100(%)
ただし、V2:定格二次電圧、V20:無負荷二次端子電圧
ベクトル図及び等価回路は手書きの図参照ですが…、
これにより、V20はV2と巻線抵抗Rの電圧降下、巻線リアクタンスXの電圧降下、の、
ベクトル合成となっている事がわかる。
つまり、ここからεの式を変形できるが(式が混むので割愛)、
ここで、インピーダンス電圧が定格の20%を越えない範囲では、
この式は二項定理を用いて展開すると近似的に、
ε=p×cosθ+q×sinθ+{(p×sinθ-q×cosθ)^2}/200
となる、らしい。
ここで、pは百分率電圧降下で、IR/V2×100(%)
qは百分率リアクタンス降下で、IX/V2×100(%)
インピーダンス試験は、変圧器の一方の巻線を短絡して、
他方の巻線に低角周波数の電圧を徐々に上昇させて、
電流が定格電流に達した時の電圧、消費電力を測定する。
この時の電圧V2Sがインピーダンス電圧、消費電力がW2Sがインピーダンスワットである。
この関係を、p、qの式に代入すると、
p=IR/V2×100=I^2・R/(V2I)=W2S/P×100
ここで、Iは定格電流で、Pは、定格電流×二次電圧、という事で容量、となる
また、I^2・Rは、定格電流×巻線抵抗、という事で、上の試験で求めたインピーダンスワット、となる。
ここで、百分率インピーダンス降下について考える。
これは、インピーダンスR+jXによる、合成の電圧降下であり、
単純に開放時の端子電圧(定格)V2と、
負荷短絡時、定格電流時の電圧(巻線合成インピーダンスによる電圧降下分)、のV2S
の、比となる。
つまり、V2S/V2となる。
また、これはR+jXによる、という事で、インピーダンスの大きさは、√(R^2+X^2)。
つまり、ここから逆算すると、リアクタンス降下は、√(z^2-p^2)となる。
これらから、電圧変動率を求める事ができる。
ん~。時間あったらもちょっと突き詰めてみたいところですが、
割り切るところは割り切らないと、ですな。
以上!
木曜日, 5月 10, 2007
位相調節装置…。
無効電力補償装置の基本原理の問題、ここの補足です。
電力系統では、無効電力の潮流変動によって、負荷端に電圧変動が生じる。
この結果、電圧フリッカの発生、受電端電圧の電圧変動の増加、系統安定度の低下、
などの問題が発生する。
この種の問題の対策を目的として静止形無効電力補償装置(SVC)が設置される。
SVCには、サイリスタON・OFF制御方式(TSC)、サイリスタ位相制御方式(TCR)、
自動コンバータ方式(SCC)がある。
これは、TCR回路に関する設問である。
図のように、Lに流れる電流はひずむが、リアクタンスのみの回路であるため、
その基本波成分の位相はつねに電源より90°遅れる。
制御角α=0のとき最大の電流が流れ、90°の時電流は流れなくなる。
このように制御角αを制御することによりリアクトル電流が変化する。
例えば、αを増加させた場合、リアクトル電流は減少するので、
電源から見るとインダクタンス値が増加した事と等しくなる。
つまり、可変リアクタンスが電源と並列に接続されたことと等価になる。
したがって、位相制御リアクトルの部分は遅れ無効電力を電源から取り込み、
これをαによって調整する事ができる機能を持っている。
一方、コンデンサ部分はつsねに進み無効電力を電源から取り込む事から、
回路全体としては、無効電力を進相から遅相まで連続可変制御を行う事ができる。
ここで、等価的に可変キャパシタンス回路となるために条件式は…、
手書き図を参照、ですが。
単純にCのリアクタンスXCとLのリアクタンスXL、リアクタンス値として小さい方が電流としては勝つので、
ここから計算すればよい。
水曜日, 5月 09, 2007
同期機の問題、の、補足。
同期機です。
メインはここです。
各始動法について、ちょっと詳細に…。
1.自己始動法
停止中の同期電動機の、電機子巻線に直接電源を接続する始動方法であり、
回転子の始動巻線(制動巻線)を利用し、誘導電動機の原理により自己始動して加速する。
回転速度が同期速度に近くなった時、励磁を与えて系統への同期引き入れを行う。
なお、自己始動法は、始動時の突入電流が大きく、電源系統へ動揺を与える事がある。
この電源系統へ及ぼす動揺を軽減させる方法として、
始動補償機(リアクトル、単巻変圧器)を用いた低電圧始動方法がある。
2.始動電動機による始動
同期電動機と機械的に結合した誘導電動機または誘導同期電動機などを用いて始動させる方法。
始動電動機として誘導電動機を用いる時は、その極数を同期電動機の極数より1極対だけ少なくし、
同期速度以上に加速した後、電源を遮断し、減速の途中で速度を合わせて同期投入する。
3.同期始動法
始動用発電機と同期電動機とを、停止状態であらかじめ電気的に接続しておき、
両機に励磁を与えた状態で始動する方法がある。
電動機は、発電機に同期しながら加速されて定格回転速度になったとき、系統に並列する。
揚水発電所の発電電動機の始動用としてよく用いられる。
4.低周波始動法
自己始動法と同期始動法を組み合わせた方法である。
始動発電機を定格速度の80%程度まで加速し、
端子電圧を60%~70%程度になるような励磁で運転しておき、
これに同期電動機を電気的に接続する。
電動機は自己始動の原理で加速される一方、発電機は減速する。
両機の速度がほぼ同一となったとき電動機に励磁を与えて同期化し、
以降は同期始動の原理で加速する。
低周波始動法の特徴は、電源系統に動揺を与えない点、
同期始動法と異なり始動発電機を停止する必要がなく、複数台を起動するとき順次起動が容易で、
始動時間が短縮される点にある。
5.サイリスタ始動法
停止中の同期電動機にあらかじめ励磁を与えておき、電動機の回転子磁極位置に応じた電流を
サイリスタ変換器により電機子に供給して始動する方法である。
サイリスタ始動法は、電動機に与える電源周波数を徐々に高く変えることで、
この電源周波数と同期して回転する電動機の回転速度を停止状態から定格速度まで上昇させる。
始動完了後の系統への同期投入は、電動機をいったん同期速度以上に加速して
変換装置を引き離した減速途中で同期引入れする方法と、
せん速制御を行って同期投入した後、変換装置を切り離す方法とがある。
火曜日, 5月 08, 2007
PC遍歴(12) ~MacOSの変化
スティーブジョブズが復帰したApple。
多少紆余曲折はありましたが…、
OSの大きな転換点となる、Mac OS Xが発表されます。
既存のMacOS(ちょっと前はクラシック環境として残り、現在は廃止)。
僕が買ったときはバージョン7.5.1、その後7.6、8、8.1、8.5、9とバージョンアップしました。
(多分、最初を除いても上記5つのバージョンで4つは買ったんだなぁ)
そして、もはやよく覚えてませんが、コープランドとして発表されていたOS,
これを諦め、ジョブズが率いていたNext社を買収。
そのNext社のOSを元に、MacOS Xが発表されました。
(実際にはインテル版だったり、多少二転三転した覚えがある)
OS Xは、CPUにPowerPC G3以上、と、それなりのスペックを要求し、
古いパワーマックでは動かない。
でも、我が家はポリタンクPowerMac G3は動作するはず!
って事で発売後割とすぐ購入、導入してみたんですが…、
最初、遅い、遅い。
内部的には限界が来ていても、インターフェースは成熟していたと言える旧MacOS。
それを捨てて、の大冒険でした。
その後、1~2年で10.1、10.2、10.3、10.4と、バージョンアップ、全てしてきました!
(信者…)
使えるな、これなら。
って思い出したのは、10.2から、ですかね。
そして、10.3の頃。
iLifeも購入し、結婚準備に入りました。
iMovieでビデオアルバムを作成。結婚式で上映し…。
好評を得ました。
と、話脱線しまくりですが、その頃から改めてMacの魅力に取り付かれ…、
つつも、先立つものがないから、買い替えは中々進まないです!
早く、速いインテルマックに、買い換えたいなぁ。
(今日はいつもにましてグダグダだ…)
月曜日, 5月 07, 2007
誘導機、特性試験に関する…、補足。
ここの補足です。
円線図について、詳細(けっこう割愛してるけど)は手書き(見辛い)を参照いただくとして…。
これもきっちり等価回路が頭に入っていて、計算力さえあれば円線図は書けます。
が、その計算はあんま意味ないかも…。
で、この解説で一つ疑問があって、それに対しての自己解決を紹介。
と、いうのも、円線図上(図でいう、(c)の円線図)に、点Sがとってあり、
これからx軸に向かって垂線が下りていて。
これに、r2、r1(Sからr2だけ下ろした点をmとしている)という値が設定してあるんだけど…。
r2、r1っていうのが解説に出てこない!
が、考えてみた結果…、
・この円線図はまず、ベクトル軌跡を求める、に、当たってy軸に対して下向き、第4象現の半円。
・これを、反時計方向に90度回転させたもの。
この線上で、Sを0~1まで変化させるとすると、S=1の時を、線上S点としてとっている。
(つまり、拘束試験の状態なんですね)
この時、二次抵抗r2/s=r2となる。
・上記の通り、軸は90度回転しているので、縦軸上向きに実部、つまり抵抗分が取られるので…、
S=1の点として、この実部がr2:r1に分かれる(というか、分けた点m)を考え、
そこに円の左端、Nとを結んだ線も考えなければならない。
(結果、これによって銅損部分が一次、二次に分割できることになるわけですね)
という事で、円線図。ベクトル軌跡かければOKかとは思うんだけど…、
やっぱ円線図の特性として覚えた方がいいような気がしますな。
この機械の勉強は、二次試験向け、と思うときっちりマスターすべきなんでしょうね。
手書きは明日にでも。← 完了!
日曜日, 5月 06, 2007
誘導機の問題、の補足
ここの補足です。手書きは明日にでも…。←アップ完!
・直流電動機の速度制御
他励電動機の電圧制御は、速度制御に速度制御に用いられる優れた制御方式。
この電圧制御は、端子電圧Vを変化させて速度制御を行う方式である。
一般には、電圧制御は始動から規定速度までは磁束を一定とした電圧制御
(定トルク特性)を行い、さらに最高速度までは界磁を弱める界磁制御
(定出力特性)により広範囲な速度制御を行う。
・誘導電動機の速度制御
低速時は、V/fの比を一定に保ちながらすべり周波数が一定となるように制御する。
このとき、ギャップ磁束を電動機電流はほぼ一定となる。
トルクはギャップ磁束と電動機電流との積に比例するので、定トルクとなる。
・中速時は、インバータの出力電圧を最大値に固定して、
電動機電流がほぼ一定となるようにすべり周波数を制御する。
この時ギャップ及びトルクは周波数に反比例して減少する。
出力は他励直流電動機の速度制御に用いられる電圧制御の、
弱め界磁(定出力特性)に相当する。
・高速時はインバータの出力電圧を最大値に固定して、すべり周波数を一定に保つ。
この時、ギャップ磁束および電動機電流は周波数に反比例して減少し、
トルクは周波数の2乗に反比例して減少する。
等価回路を覚えて、電圧とか電流、後は(せっかく理論頑張ってるし…)磁束の関係、を、
式にしていく事はかのうかなぁ。
まぁ、何も見ずにつぎできるか、は、ちょっと不明ですが…。
とりあえず、頑張ろう。
土曜日, 5月 05, 2007
直流機の問題、自分なりの補足。
ここの補足でございます。
直流電動機の問題ですが…、
その内、他励以外(自励各種)も出てくるでしょうから、そちらは割愛、として。
他励の場合の特徴は、電機子電流とは無関係に界磁巻線を持っているので、
界磁電流、つまり発生する磁束は電機子電流に関わらず一定となります。
この時、回転速度は端子電圧(というか、電機子電圧)によってのみ決まり、
電機子電圧と回転速度は比例関係となります。
また、負荷トルク(電流に比例)は、回転速度の2乗に比例します。
後は等価回路(後日アップの手書き参照)を考えると…、
基本的に直流機の等価回路は、電機子に対し電機子抵抗とブラシ抵抗(ブラシ電圧降下分)が、
直列に接続された形となります。
(後は界磁巻線がどう入るか、で、他励の場合は別端子よりになる)
つまり、端子電圧Vは…
電機子電圧(電機子逆起電力)Eaと、電機子による電圧降下(IaRa)、ブラシ電圧降下eb
の和となります。
等価回路さえ覚えれば(そんなに難しくないし)、いける問題ですかね。
あ、後は電流とかトルクとか電圧とかの関係、か…。覚える事、多いなぁ。機械。
金曜日, 5月 04, 2007
直流回路の補足(長め)
さて、まずはここでの予告通りテブナンによる解法を。
まず、負荷抵抗Rの端子から見た回路網抵抗は、電圧源は抵抗0と見るので、
Z0=R1〃R2=R1R2/(R1+R2)
また、負荷端子を開放した時の、開放電圧は、
電源E1から見て、R1、R2の直列で、R2での電圧降下分、
電源E2から見て、R1、R2の直列で、R1での電圧降下分、
これらの和となるので、
E0=E1R2+E2R1/(R1+R2)
これらから、負荷電流I=E0/(R+Z0)なので、
I={E1R2+E2R1/(R1+R2)}/{R+R1R2/(R1+R2)}
分子分母にR1+R2掛けると、
I=(E1R2+E2R1)/(R1R2+RR1+RR2)
となります。
テブナンの定理において、消費電力が最大となる時は、
負荷抵抗=回路網抵抗の時なので、
(厳密には複素数の時には共役複素数になっているとき
→実部が等しく、虚部の大きさが同じで符号が逆)
消費電力が最大となる負荷抵抗Rは、
R=Z0=R1R2/(R1+R2)
が求められます。
出題者によると…、
よく使っている方法で、分母に変数(ここではR)を纏めた多項式とし、
分母の各項の積が一定の時、項が等しいとおけばその時分数は最大、
という解き方でも解けますが、「あえて」微分する解法で、だったらしいです。
「2種らしく」との事。
たしかに、分数の微分が解けることも大事ですが…、
この数年受験してきて、特に理論は、
「早く、速く解ける方法をチョイスすべき」
が最重要かと思われます。
ここにおいて、出題者の「2種らしい」解き方には甚だ疑問だなぁ。
と、これはさておき、この問題のポイントは、
「負荷抵抗=内部抵抗の時、消費電力は最大になる」
という所。
このことは、進行波やインピーダンスマッチングの話とも共通する所。
計算問題ができるだけでなく、横の関連も視野に入れながら勉強すると面白い、らしい。
(個人的にはわからなくはないけど、試験対策としては?)
で、上でも触れているように、交流回路で複素演算の場合は、
共役の関係になる場合が最大、となります。解説では、
「各自、導出を試みてもらいたい」と締めていますが…、
単純に、消費電力→抵抗分(有効分)の電力で、
負荷インピーダンスに無効分はない方がいい。
なので、虚部は±の関係にし、実部に関してはこの問題と同じ考えで、
回路網=負荷 の時、と考えるとまぁ、そうでしょうね、と。
全然導出していませんが…、
電気を学んできて、実務でも活用して、その上での実感として、
大事な事は、学問として+意味を理解する事、かと。
そういう意味では、この程度の理解でも十分OKだと思うんですが…。
(と、熱く語っても同調してくれる方は少ないのが残念です…)
木曜日, 5月 03, 2007
回路の問題、重ねの理とテブナン。
ここの補足ですが…、補足するほどの事もないかも。
・回路図、数式は手書きを参照してください。
(今晩にかけてアップ予定!)
・電流源を短絡や電圧源を開放したとき、を考える時、一見複雑な回路の場合混乱します。
僕がやるやり方は考える電源の片方から書いてみます。
まず、+側から出てR1とR3の並列があって、R1の後にR2、R3の後にR4が…、
のようにとりあえず書いてみます。
ここで、回路左に電源が来るように書き、さらに回路の配線が交差すると途端にわかりにくいですので、
重なり・交差がないように回路を書きます。
これができたら、回路解析の問題は大概いけるのでは?
さて、出題者によると…。
この問題はテブナンと重ねの理を使う問題であり、3種レベルらしいです。(そうかな?)
でも、これら二つの要素が組み合わさっている所が2種レベルだ、と。
2種では3種の知識を組み合わせ、臨機応変に使いこなせなければならない、と。
キルヒホッフや節点方程式、Δ-Y変換なども含めて十分に練習しておく必要があるらしいです。
そして、耳が痛いですが…。
『簡単な問題ほど確実に獲得しなければ合格はないだろう。』
はい、頑張ります…。
水曜日, 5月 02, 2007
電流帰還バイアス回路について、補足。
恒例ですが…、ここの補足です。
電流帰還バイアス回路。もっとも使われているバイアス回路、らしいです。
(本文ではRA等添え字を大文字で表記してますが、面倒になったのでこっちでは小文字で…)
Ra、Rbは電圧Vccを分割するもので、ブリーダ抵抗と呼ぶ事もあるらしいです。
Reはエミッタ抵抗で、安定抵抗とも呼ばれます。文字通り、バイアスを次のように安定させる働きがある。
1.ベース電流Ibの10倍以上の電流Iaをブリーダ抵抗Raに流すと、
トランジスタ特性のばらつきでベース電流が変化しても、
Raの端子電圧Vraはほぼ一定に保たれるようになる。
バイアス電圧Vbeは、Vbe=Vra-Ve=Vra-ReIe で表される。
2.トランジスタの温度が上昇し、Icが増加しようとした場合、次の1~6の過程を経て、
コレクタ電流Icの増加が抑制される。
1.Icが増加する
2.Ieが増加する
3.Ve=ReIeによりVeが増加する
4.Vraはほぼ一定で、Vbe=Vra-VeによりVbeが減少する
5.Vbeの減少でIbが減少する
6.Ibが減少すればIcも減少し、Icの増加が抑えられる。
このように電流帰還バイアス回路は回路は複雑で消費電力も多いが、
温度変化に対する安定度が良い。
補足の補足になりますが…、
この回路ではエミッタ抵抗Reに交流分が生じる、らしい。そうすると増幅度が低下する、と。
そのため、Reと並列にバイパス用コンデンサCeを接続するそうです。
火曜日, 5月 01, 2007
インダクタンスの問題の補足ですが…、重要事項あり。
ここの補足です。
こちらの続き的になっていますので、こちらも重要です。
ギャップのある鉄心にコイルが巻かれている場合、という問題。
具体的に数値を代入していく問題で、
全問(問1)を理解していれば問題なし。
まずは鉄心の磁束密度を求める、ために磁束を求める。
磁気回路において、磁束はギャップ部を含め等しい。
(電気における電流と同じ考えなので、直流回路で電流はどこでも同じ)
磁束を求めるには問1で求めた磁束の式、
Φ=Vm/(ω×N)×sin(ωt-90°)
という関係を使う。ここで、Vmは電圧最大値で、問題では実効値が与えられているので、
結局磁束の最大値Φmは、
Φm=√2V/(ωN)
となる。
磁束密度はこれを鉄心断面積で除算すればよい。
さらに、問題では鉄心の特性として表が与えられ、
磁束密度と磁界強度の関係は表から求められる。
ここで、磁束密度と磁界強度がわかれば、双方の関係、
B=μHより、鉄心の透磁率μが求められる。
鉄心の透磁率が求まれば、鉄心部分の磁気抵抗は、
R0=L/(μS)
で求められ、
空隙部分の磁気抵抗は、
R1=L/(μ0×S)
で求められる。
上記の通り、電気回路に置き換えると抵抗の直列接続と同義であり、
合計の磁気抵抗はRは、
R=R1+R0
で求められる。
ここから、インダクタンスLは、L=N^2/Rの式より求められ、
磁化電流IはインダクタンスLよりインピーダンスはωLになるので、
I=V/ωL
で、求められる。
これらに数値を代入していくと解くことができる、という問題。
ポイントです。
実際に数値を代入して値がどうなるか、は手書きを見ていただくとして、
透磁率は空気(真空→ギャップ部)と鉄心部で100倍とか1000倍のレベルで差があります。
通常、鉄心の長さに対してギャップ部は非常に小さい、としますが、
それでもギャップの有無で磁気抵抗には10倍程度の差がでます。
(この問題の場合)
具体的には、
ギャップあり:
R=l/S ×(1/μ+1/μ0)で、
問題ではl=50×10^-2、μ≒5.95×10^-3、S=10×10^-4
が与えられており、ここから計算すると、
R≒8.8×10^5
となる。
ギャップなし:
R’=l/μSで、上記の値を代入すると、
R’≒8.4×10^4
となり、Rの約1/10になる事がわかる。
当然、インダクタンスLは、L=N^2/Rの関係があり、
Lの値は10倍程度となるため、インピーダンスが1/10、
磁化電流も1/10程度となる。
この事が変圧器の励磁電流が無視できる事、
誘導電動機の力率が悪い事の説明に繋がる、らしい。
実際の鉄心の場合、磁化電流の値によって透磁率は変化するので、次のように定義される。
・初透磁率:原点近傍の可逆磁化範囲の透磁率(dB/dH)
・微分透磁率:磁化曲線各部の透磁率(dB/dH)
・透磁率:磁化曲線の各点と原点を結んだ直線から求めた透磁率。
その最大を最大透磁率という。
インダクタンスは、本来非線形である透磁率を線形である、として決められている。
これを踏まえて、環状ソレノイドに関して考えると…、
コイルにN回巻かれた、半径a、断面積S、透磁率μの環状ソレノイドがある。
このソレノイドに電流iを流したとき…、
1)鉄心内の磁界強度は、アンペアの周回積分の法則より2πaH=Ni、よって
H=Ni/(2πa)
2)鉄心の磁束密度は
B=μH=μNi/(2πa)
3)鉄心内の磁束は断面積がSなので、
Φ=BS=μNiS/(2πa)
4)コイルの磁束鎖交数は、
Φ=NΦより、
Φ=μN^2iS/(2πa)
5)よって、自己インダクタンスは、
L=Φ/i=μN^2S/(2πa)
となる。
最後にまたコメントを。
『この問題は理論で学ぶ典型的な磁気回路とインダクタンスの問題であるが、
磁化曲線のことは「μ=一定」であっさり表現され、
回路に流した電流の事は特に考えなくても解けるので、
鉄心に磁束を通す為の電流(=磁化電流)はあたかも正弦波交流であるかのように思い込む。
印加電圧の事は触れられていない。
同じことは、変圧器で学ぶと励磁電流はひずむ、という。
これらの科目間における不連続点を連続にするために今回の問題とした。
また、鉄心に磁束を通す事について、既往問題のように「まず、電流ありき」
で考えるのか、今回のように「まず、電圧ありき」なのかの違いも感じていただけたと思う。
今回のように、「まず、電圧ありき」で考えると、印加電圧、
磁束および磁化電流の関係が明確になり、例ば変圧器Δ結線内の励磁電流の影響について、
より深い理解へと繋がる。』
との事です。
大事な事は、電圧があって、電流が流れるよ、って感じなのでしょうか…?
どっちにしろ、互いにきってもきれないのだから、どっちから考えてもいいような気もしますが。
以上!