日曜日, 9月 30, 2007

二種二次試験電力管理過去問、H17問5,6、補足。

ここの補足、です。
問題文、解答内容については、ここ参照で。


問5
【解説】
送 電線と通信線が接近しているとき、相互の誘導的結合によって、通信線に電圧が誘起される現象を電磁誘導といい、通常、高電圧の三相送電線は故障以外はほと んどバランスして相電流が流れているので、大電流が流れてもある程度通信線が離れていると、各相と通信線の間の相互インダクタンスはほとんど等しく、電磁 誘導電圧は生じない。

しかし、送電線に地絡が発生して過大な電流が流れると、その大地を帰路とする電流成分による電磁
導作用によって、通信線に大きな電磁誘導電圧を生じ、通信線の作業員に危害を加えたり、通信機器を破壊するなどの障害を与えるおそれがある。

(1)異常時誘導電圧(1線地絡故障)の求め方
送電線に1線地絡故障が発生したときに、電磁誘導により通信線に発生する誘導電圧V(V)を表す式は、次のように求めることができる。

電磁誘導障害は第1図(添付)のように原理的には相互インダクタンスを持つ電気回路で考えられ、閉
回路の相互交さ磁束によって生ずる。

したがって、図のようにI、φ、eの正方向を決めれば、通信線に生じる単位長あたりの誘導電圧は、

e=dφ/dt

ここで両導体間の相互インダクタンスをM(H/m)とすると、Mi=Nφ→φ=Mi/Nを代入し、

e=M (d/dt) ・I sinωt
 =ωMI cos ωt (V)

次にD(m)を乗じ絶対値を求める。

∴V=|jωMID|=2πfMID(V)

が求まる。また、三相送電線を考えると、各相の電線と通信線間の相互インダクタンスの相違を無視して、第2図(添付)のように、Ma≒Mb≒Mc≒Mとすると、

=j2πfMD(Ia+Ib+Ic)
 =j2πfMD3I0(V)

で表される。ただし、上式のI0は零相電流を表す。
したがって、上式より電磁誘導は送電線の零相電流によって誘起される事がわかる。

(2)電磁誘導障害対策
電磁誘導電圧の制限値はわが国では、中性点直接接地方式の超高圧送電線の場合は430(V)、0.1秒その他の送電線では、300(V)を基準としていることは前述(メイン)の通りである。

国際電信電話諮問委員会では、一般の送電線では430(V)、0.2秒(小電流の場合、最大0.5秒)以内に故障電流が除去できる高安定送電線では、人体の危険が大幅に減少するので、650(V)までを許容している。

(a)送電線側の対策
解答(メイン)参照

(b)通信線側の対策
1.ルートを変更して送電線の隔離を大きくしたり、交さする場合はできるだけ直角とする。
2.アルミ被誘導遮へいケーブルのような特殊遮へいケーブルを採用し、遮へい係数を60(%)以下にする。
3.通信回線の途中に中継コイルあるいは高圧用誘導遮へいコイルを挿入して、誘導こう長を短くすることにより、誘導電圧を分割または軽減する。
4.避雷器や保安器を設置する(V-t特性のよいもの、避雷器の接地はA種)。
5.通信線と送電線の間に導電率のよい遮へい線を設ける(通信線に近く設置するほど効果は高い)

問6
【解説】
この問題は、ある系統負荷に複数台の火力発電機で電力を供給する場合、どのように負荷を配分すると最も経済的であるかを求めるものである。一般的にこの種の問題については等増分燃料費法(等増分率配分法ともいう)がとられている。

ここで説明を簡単にするために、第1図(添付)のような発電機2機系統について考えてみる。この場合の供給力と系統負荷の間には次の関係がある。

+P=P  (1)

また、それぞれの発電機の燃料費をF、Fとして、総燃料費をFとすると、

+F=F

となる。さらに燃料費は発電機出力の関数として表せるから、

+F=f(P)+f(P)=F  (2)

となる。すなわち火力系統の経済運用とは(1)式で示される需要条件のもとで、総燃料費Fを最小とするPおよびPを求めることである。

これについては、「ラグランジュの未定係数法」が用いられる。それにはラグランジュの未定係数をλとして目的関数をφとすると、

φ=F-λP=F+F-λ(P+P

とおいて、

dφ/dP=0、dφ/dP=0

となる関係を求めれば良い。上式より、

dF/dP=dF/dP=λ

の関係が成立する。

この場合のλは、いわば火力発電機の増分燃料費であって、各機の増分燃料費が等しいときに、全燃料費が最小(最も経済的)になる事を示している。

以上、火力発電機2台について述べたが、多数(n台)についても同様に考える事ができる。すなわち、

n
ΣP=P
i=1

また、等増分燃料費法より、
dF/dP=dF/dP=…
…=dFn/dPn=λ

として、多機系(n台)の火力発電機の経済運用にも適用される。

この解法は、次の条件が満足された場合にのみ成立する。

1.対象とする火力発電機は平行運転されていること。
2.入力-出力曲線が連続的に増加していること(第2図のF曲線のように漸増していること)
3.増分燃料費が出力増大に伴って減少しないこと(第2図のdF/dPが漸増していること)

実際の電力系統の経済運用については、調整式水力発電所の水の有効利用、送電線の損失を最小(ロス・ミニマム)の条件などを総合勘案して運用がなされている。

ここにおいては、火力系統にのみについての問題を取り上げたが、水火力併用の経済運用についても第2種受験者はその概要程度の学習をしておくことが大切である。


土曜日, 9月 29, 2007

二種二次試験電力管理過去問、H17問3,4、補足。

ここの補足、です。
問題文、解答内容については、ここ参照で。


問3
【解説】
(1)電線の抵抗と安全電流
電線に電流を通じたとき、抵抗による発熱によって電線の温度は上昇し、これがある温度以上になると材質に変化を生じ、電線の諸性能を低下させる。電線材質の変化は、過熱される時間と温度によって影響される。第2図にそれらの関係を示す(添付)。

図 からもわかるとおり長時間連続加熱しても機械的性能が低下しない温度として90℃が標準の最高許容温度に推奨されている。このとき流しうる電流を、安全電 流又は連続許容電流という。また短時間なら温度を100℃に上げても性能はほとんど変化しない。このとき流しうる電流を、短時間許容電流という。

つまり、抵抗によるジュール熱の発生が低減されれば損失が少なくなり、裏を返せば同じ損失まで許容されるならば、送電容量の増加を図ることができることになる。

一般に、送電容量を増加させるための方策としては、
・インダクタンスを減少する
・静電容量を増大する
・送電電圧を高める
などが挙げられる。

(2)コロナ放電による障害
送 電線にコロナが発生すると、電力損失、ラジオ障害、電力線搬送通信設備への障害、コロナ振動障害、消弧リアクトルの消弧力低下、直接接地系での誘導障害な ど種々の障害を引き起こす。ただし、雷サージが電線を伝搬してゆくときはコロナがその波高値を減衰させる役割を果たすという利点がある。

(3)コロナ放電発生の要因
架 空送電線では絶縁を施さない裸電線を使用し、その絶縁は空気に頼っている。このため送電電圧が高くなると、空気の絶縁性を考慮しなければならなくなる。空 気の絶縁耐力には限界があり、気温20℃、気圧1013.25hPaの標準状態において、波高値で約30kV/cm、実効値で21.1kV/cmの電位の 傾きに達すると空気は絶縁力を失い、電線表面から放電がはじまる。これをコロナ放電と呼び、次の性質がある。

1.薄光および音を伴い、電線、がいし、各種の金具などに発生する。
2.細い電線、素線数の多いより線ほど発生しやすい。
3.晴天の時よりも雨、雪、霧などのときのほうが発生しやすい。

架空送電線では細い素線を何本もより合せた「より線」を使用しているので、電線表面には凹凸があり、電線表面の電位の傾きは平等ではない。このため30kV/cmの電位の傾きを生じた部分にだけ、局部的に放電が生じる事になる。

電線表面全体が30kV/cmの電位の傾きとなればフラッシュオーバに至るが、コロナ放電はフラッシュオーバに達しない状態での持続的な部分放電であり、薄光および音を伴い、一般に電線、がいし、各種の金具などに発生する。

電線表面の電位の傾きがある値を超すと、空気が電離してコロナが発生するが、このコロナが発生し始めるような電位の傾き(コロナ臨界電位の傾き)は次の実験式によって求められる。

g0=(30/√2) δ^(2/3) (1+0.301/rδ) (kV/cm)

ここで、δは相対空気密度であり、気圧p(hPa)と気温t(℃)により次式から求められる。

δ=(0.2892p)/(273+t)

δの値は、1013.25hPa、20℃のとき1となる。rは電線半径(cm)である。

実際の送電線では、電線の表面状態、天候などの影響を考慮に入れた字式(単導体方式の場合)が使用されている。

0=m01×48.8δ^(2/3){1+0.301/√(rδ)}log10(D/r) (kV)

ただし、
0:電線表面の状態に関係した係数であり、表面の精粗、素線数によって表1(添付)の値をとる(表面係数と呼ばれる)
1天候に関係する係数であり、雨天の時の空気の絶縁力の低下度を表し、晴天の時1.0、雨、雪、霧などの雨天の時0.8とする(天候係数と呼ばれる)。

問4
【解説】
%インピーダンス法で演算する。
基準容量を50(kVA)として、変圧器の%インピーダンスを基準容量換算する。30kVAの%インピーダンス%Zは、

%Z=50/30 ×5=8.33 (%)

50kVAの%インピーダンス%Zは%Z=5(%)である。

次に基準電流IBASE(A)を求めると、

BASE=SBASE/VBASE
  =50×10^3/200=250(A)

したがって、短絡電流I(A)は、

=100/(%Z+%Z) ×250
 =100/(8.33+5) ×250=1875(A)

となり、オーム法で求めた値と%インピーダンス法で求めた値は一致する。

この問題は、問1と同様、過去電験第3種に出題された問題の類題であり、電験第3しゅ受験時学習した基本的な事項を確実に覚えていれば、解答を簡単に導くことができる。

金曜日, 9月 28, 2007

二種二次試験電力管理過去問、H17問12、補足。

ここの補足、です。
問題文、解答内容については、ここ参照で。

2005年分へ突入。

問1
【解説】
この問題は過去電験3種に出題された問題の類題であり、電験第3種受験時に学習した基礎的な事項をしっかりと覚えていれば簡単に解くことができる問題である。平均流量、最大出力の公式は覚えておかなければならない公式である。

なお、電験第2種受験者は降雨量に関する次の諸公式も覚えておく必要がある。
1.流出高=総流出量(m^3)/流域面積(km^2)×100^-3 (mm)
2.損失高(mm)=降雨量(mm)-流出高(mm)
3.損失率=損失高(mm)/降雨量(mm)
4.流出係数=流量(m^3)/降水量(m^3)

流出高は流出量(体積)を流域面積(面積)で除すれば高さとなる。
ここでいう高さは、単位面積あたりの高さ、である。
つまり、降雨量も単位面積あたりの高さ、とも表現できるため、降雨量に対する流出高(降った量に対して実際に水位が上がった量)の、差が損失高、割合が損失率ということになる。

また、高さ同様の係数として、流出係数は高さではなく、量(体積)の比率で表したもので、降水量に対する流量の比率となる。

問2
【解説】
(1)大容量変圧器の分解輸送と組立輸送
従来、大容量変圧器は、分解輸送が常識とされていたが、近年、大容量器の組立輸送の技術が発達し、山間の水力発電所のような特殊な場合を除いて、ほとんど組立輸送が可能になっている。

変圧器の組立輸送を行えば、現地組立室及びクレーンの省略、分解組立に要する工期と費用の節減など利点が多い。

このため、特に、
1.変圧器本体の重量と外形寸法の縮小
2.大容量変圧器輸送専用貨車の使用
3.輸送の為の特殊設計

な どについて種々工夫されていて、外鉄形変圧器においては、単相に分割した中身とタンクとを組立輸送し、現地で共通ベース上に組み立て、上部に共通カバー をつけるもの(特別三相式構造)、内鉄形変圧器においては、輸送時の高さを切り詰めるための5脚鉄心の採用、鉄心の継鉄部分を取外して仮ふたを使用して輸 送するもの(分割三相式)などがあり、さらに、仮タンクで送られた三相変圧器2台を現地で同一のタンクに並べ入れ、1台の変圧器にする方法などがある。

(2)機器据付工事
機 器の据付は、架線工事などの上部作業が終了した後に行うのが好ましい。変圧器や遮断器などの現場組み立ての機器は防じん面で特に配慮する必要があり、気象 情報に留意し、組立現場周辺の車両の通行や土木工事などを中止して万全を図る。また変圧器など内部に人が入って作業する場合は、防湿、防じん、酸欠防止の ための乾燥空気の送り込み、着衣からのじんあい・工具の脱落防止のための専用作業服の着用などの配慮が必要である。

(3)大容量変圧器の真空乾燥と絶縁油の注入
真 空乾燥法は、大容量変圧器に最も適した方法で、所要日数も短く、乾燥も完全に行われる。第1図(添付)に示すように、外圧に耐えられるように補強した外箱 内に変圧器本体を入れ、内部に加熱管を入れてボイラから蒸気を送り、一方、内部を真空ポンプで35(kPa)程度の真空として、水分の蒸発を促進させる。

外 箱内温度は80~90℃とし、復水器に凝結する水分の量を測定して、絶縁抵抗の変化とあわせ考慮して乾燥の進行程度を判定する。乾燥が終了すれば、真空を 破って中身をつり出し、各部の締付を点検調整の上、再び外箱内につり込み、常圧のままで12時間以上再乾燥して、絶縁油脱気装置によって脱気脱水した油を 注入する。

(4)
ガス絶縁変圧器の水分・ういんあい・純度の管理
(a)水分の管理
SFガス中の水分は、外気温の変化により絶縁物表面に結露して絶縁低下の原因となったり、分解ガスと反応して活性なフッ化水素を生成し、絶縁材料を劣化させる原因となるため、ガス中の水分量は厳しく管理する必要がある。

通 常、分解ガスあるいはガス中の水分は合成ゼオライトなどの吸着剤によって管理値以下に吸着される仕組みになっているが、機器の据付時に吸着剤が大気中に長 時間さらされるので、所要の新しい吸着剤と交換し、30分以内に真空引きを開始することが望ましい。また、ガス充てんに際しては機器内部を真空乾燥するた め、真空度0.133kPaに達した後、少なくとも30分以上真空引きし、SFガスを所定の圧力まで充てんしている。

SFガス自身の絶縁強度は、ガス中水分にそれほど影響されない。しかし、SFガ ス中に固体絶縁物が存在すると、絶縁物表面への水分付着によって沿面絶縁特性が影響を受ける。そのため、ガス絶縁機器中においては露点が0℃以下になるよ うに水分量を管理すれば、絶縁低下はほとんど無視できると考えてよい。基本的にはガス中水分の露点は許容値0℃、管理値-5℃以下として実用上支障ない が、実際は濃度表示で第1表(添付)のように定められている。;

SFガス中の水分やアークによる分解ガスSF、SOFを 管理値以内とするため、両者を吸着する吸着剤がガス絶縁機器内部に封入されている。この吸着剤としては、主に活性アルミナ、合成ゼオライトが用いられてい る。しかし、合成ゼオライトのほうが分解ガス吸着能力及び低温度領域における水分吸着能力とも活性アルミナより優れた特性を有している。

(b)じんあいの管理
SFガスの絶縁特性は平等な電界条件下では優れているが、その反面、金属粉などのじんあいが付着していると大幅に絶縁が低下する危険があるので、据付時におけるじんあいの管理について十分配慮する必要がある。

現 地据付時には、機器内部へじんあいの侵入を防ぐために機器全体を遮へい物で囲み、タンクの開放部もビニルシートなどで覆って作業を行っている。また、作業 者も専用の防じん服、靴および帽子を着用し、人に付いて侵入する異物を防いでいる。据付時のじんあいの管理はダストメータで測定し、20カウント(0. 2mg/m^3)以下であることが望ましい。

SFガスの絶縁性能に顕著な影響を与えるのは0.1mm以上の金属片であるが、これらは目で十分検知することができ、組立時に除去することが可能である。

一 般的なガス絶縁機器の組立工場におけるじんあいの管理は0.01~0.05(mg/m^3)程度となっているのに対し、現地据付時はその管理値より1桁悪 い環境で作業するので、十分な環境整備を必要とし、将来的には作業環境に左右されない接続・組立工法、あるいは全装可搬化を図る必要がある。

(c)SFガスの純度管理
SFガスの不純物としては、CF、水分、空気、フッ化水素、油分などがあり、微量であれば実用上無視しても支障がないが、SFガスを再利用する場合にガス給装置の取扱によっては水分、油分などが混入するので、SFガスの純度に注意する必要がある。

SFガスの純度管理については、機器に封入したSFガスを直接管理するのが望ましいが、ガス給排時のSFガス絶縁機器や給排装置の回収タンクの真空度を0.133kPA以下になるようにすれば問題とならない。

なお、SFガスの純度は第2表に示す値で管理すれば実用上支障はない。

以上、です。久々に長い…。

木曜日, 9月 27, 2007

二種二次試験機械制御過去問、H18問4、補足。

ここの補足、です。
問題分、解答内容については、ここ参照で。

問4
【解説】
閉ループ伝達関数W(s)の分母を0とおいた式を特性方程式といい、その解を特性根または極という。

本問では特性方程式はsについての二次方程式であるから、その極は二次方程式の解の公式から求めることができる。

【解説補足】
オリジナル補足を。
(1)
制御系の解析において、伝達関数など…、は、s領域、つまり、s=jωとして、周波数領域では四則演算として扱えるが、これはt領域(時間領域)では微積分など、関数計算が必要となる。で、あるため、時間領域からラプラス変換(周波数領域へ)し、四則演算で伝達関数を求めるのが一般的。(1)の問では、答えを時間領域で求める必要があるため、最終的に逆ラプラス変換を行う。
このあたりの計算は、理論一次試験レベル(ただ、三角関数になるケースは滅多にないけど)でも十分いける、と思われます。

(2)は、各要素の入出力、フィードバックを慎重に解いていけば問題なし。

(3)は、図の→側(UとYの関係)が前問と同じである事がまずはポイント。その上で合成の伝達関数を求めれば良い。
極を求めるには、分数の分母=0、とおけばよい。これは、分母=0、つまり伝達関数全体が∞となるのが極、だから。
そして、分母はsの二次式より、二次方程式を解く必要があること、から、sは本来二つの値をとる。しかし、問の条件より、極値は一つだけ、より、二次方程式の解の公式中、根号内が0(根号は±の符号を取り、根号内が0でないときにはsは2値をとるから)の条件が成立する事がわかる。
後は条件を満たす為のkを求めれば良い。

水曜日, 9月 26, 2007

二種二次試験機械制御過去問、H18問3、補足。

ここの補足、です。
問題分、解答内容については、ここ参照で。

問3
【解説】
昇圧チョッパは、ステップアップコンバータあるいはブーストチョッパなどとも呼ばれる。この昇圧チョッパは、一般に第3図に示す回路構成をとる。

スイッチング素子Sがオンのとき(与えられた回路においてスイッチを端子1側に切り替えたことに相当する)、この回路には直流電源→インダクタンス→スイッチング素子S→直流電源の経路で電流が流れる。このときインダクタンスLに電磁エネルギーが蓄えられる。

次にスイッチSがオフすると(与えられた回路においてスイッチを端子2側に切り換えたことに相当する)、直流電源→インダクタンスL→ダイオードD→負荷抵抗RおよびコンデンサC→直流電源の経路で電流が流れる。このときインダクタンスLに生じた逆起電力の合成された電圧が加わる。このときの出力電圧Vは、電源電圧Eより大きくなる。

具体的には設問(3)で導かれた出力電圧Vの式においてαは、0≦α≦1の範囲で変化する。したがってαを大きくすると、すなわち、1周期Tに対するオン時間tonを長くすると、出力電圧が大きくなることが確かめられる。しかし、スイッチング素子がオン(スイッチを端子1に切り換えた時に相当する)のときは、コンデンサCに蓄えられた電荷が負荷に供給されるだけなので負荷電流が大きいときは、出力電圧の変動が大きくなる。

【指導】
設問(2)は、vに生じる起電力の方向が、与えられた図に示された起電力の方向と異なることに注意する必要がある。

また設問(3)は、定常状態でインダクタンスLに蓄えられるエネルギーwL1と放出されるエネルギーwL2が等しくなることに気が付けば解くことができる。

設問(6)は、設問(4)(5)で求めたコンデンサCに流れる電流iを用いて、コンデンサCが充放電に伴って電源から受け取るエネルギーと負荷に与えるエネルギーが定常状態では等しくなることを用いて解く。

以上です。


火曜日, 9月 25, 2007

二種二次試験機械制御過去問、H18問2、補足。

ここの補足、です。
問題分、解答内容については、ここ参照で。

問2
【解説】
変 圧器に生じる負荷損には、銅損と漂遊負荷損とがある。銅損は、変圧器の巻線抵抗によって生じる損失(ジュール損)であり、負荷電流の2条に比例する。一 方、漂遊負荷損は、変圧器巻線の漏れ磁束が巻線及び変圧器を構成するタンクなどの構造物と鎖交したときに流れる渦電流によって生じる負荷損である。

漂遊負荷損のうち、巻線に渦電流が流れることによって発生する損失を巻線内渦電流といい、構造物に渦電流が流れることによって発生する損失を構造物表遊損という。

インピーダンスワットを測定するためには、変圧器の二次側を短絡して一次側に定格周波数の低電圧を加える。このとき、二次側に定格電流が流れるように一次側電圧を調整し、その一次側電圧がインピーダンス電圧であり、入力電力がインピーダンスワットである。

インピーダンスワットは、銅損と漂遊負荷損をあわせた抵抗損に等しい。

変圧器の等価回路の回路定数を求めるために以下に示す試験が行われる。

(1)抵抗測定
変 圧器の巻線に電流を流したとき、巻線の電圧降下を電流で割った値として求める。この方法を直流電圧降下法という。この場合、測定時に流した電流によって巻 線が発熱しないよう、定格電流の15%を超えない直流電流で測定する。求められた値は次式によって基準温度75℃における抵抗値R75に換算する。

75=R×(234.5+75)/(234.5+t)
  ≒R×(235+75)/(235+t) (Ω)

ただし、t:測定温度(℃)
:t(℃)における巻線抵抗値(Ω)

(2)無負荷試験
変圧器の二次側を開放して一次側に電圧計、電流計と電力計を接続する。このtき定格周波数の定格電圧Vn(V)を加え、励磁電流I(A)と入力電力P(W)を測定する。測定した結果から変圧器の励磁コンダクタンスg、励磁アドミタンスY、励磁サセプタンスbがそれぞれ求まる。

=P/Vin^2 (S)
=I/Vn (S)
=√(Y^2-g^2) (S)

(3)短絡試験
変圧器の二次側を短絡して、一次側に電圧計、電流計と電力計を接続する。このとき一次側にインピーダンス電圧Vsnを印加すると定格電流I1nが流れる。インピーダンス電圧Vsnは定格電圧に比べて数%と低い値なので磁路が飽和しない。このため鉄損を無視することができ、電力計の読みから銅損Pを測定することができる。このPから一次側に換算した等価抵抗Rおよび等価リアクタンスXをそれぞれ求めることができる。

=R+a^2r=P/I1n^2 (Ω)

=x+a^2x
 =√{Vsn/I1n)^2-(P/I1n^2)^2}

月曜日, 9月 24, 2007

二種二次試験機械制御過去問、H18問1、補足。

ここの補足、です。
問題分、解答内容については、ここ参照で。

問1
【解説】
(1)同期速度と滑り
誘導電動機の極数をp、電源周波数をf(Hz)とすると回転磁界の回転速度(同期速度)N(min^-1)は、次式で求まる。

=120f/p (min^-1)

回転子は回転磁界と同一方向で同期速度よりやや低い速度で回転する。このとき回転子が切る磁束によって回転子に誘導電流が流れ回転子にトルクが発生する。回転子は、この発生したトルクと負荷のトルクがつり合う速度で回転する。

s=(N-N)/N

第1図に示す誘導電動機の1相あたりのL形等価回路(簡易等価回路)において、簡単に励磁電流を無視して考えると、一次電流I(A)は、

=V/√{(r+r’/s)^2+(x1+x2’)^2} (1)

となる。一次巻線の総数をmとすれば、二次入力P(W)は(1)式を用いて、

=mI^2r’/s
 =mV^2/{(r+r’/s)^2+(x1+x2’)^2} (2)

となる。次に電動機の回転角速度をω(rad/s)、電源の周波数をf、極数をpとすれば、トルクT(N・m)は次式となる。

T=P/ω
 =p/4πf・mV^2/{(r+r’/s)^2+(x1+x2’)^2} (3)

(1)~(3)式が示すように二次抵抗とすべりの間にはr’/sの関係がある。このため二次抵抗rをk倍したときに、滑りsがk倍になれば元の状態と同じ値が得られる。これを比例推移という。この比例推移を利用することで始動時に必要なトルクや電流の値を調整することができる。

この問題は、全負荷トルクで始動又は運転することが問われているので、回転子巻線を短絡した時の滑りsと回転子巻線抵抗rを用いて比例推移の式を立てれば良い。

また回転子巻線および外部抵抗が星型接続であるから、第1図の1相分の等価回路から求めることができる。



日曜日, 9月 23, 2007

二種二次試験過去問、H18問6、補足。

ここの補足、です。
問題分、解答内容については、ここ参照で。

問6
【解説】
(1)保護協調
保護協調とは、ある系統およびある機器に万一事故が発生した場合、故障発生源を早期に検出し、迅速に除去し、事故の波及・拡大を防ぎ、健全回路の不要遮断を避けることにある。

したがって、保護装置がばらばらに動作すると、故障した部位が正確に選択に選択できず、不必要に広範囲の停電を引き起こす場合がある。このため、各保護装置相互間の適正な協調が必要となる。

一 般に地絡保護については、需要家変圧器一次側は、電力会社接地系に属するので、保護継電器方式の協調が必要であり、継電器の動作電流値などについて、十分 協議する必要がある。なお、変圧器二次側の需要家構内系統は、変圧器により電力会社系統と接地系が分離しているので、任意の系統接地方式・保護継電方式を 選定する事ができる。

問題の事故点は事故がA需要家変圧器の一次側となっているので、供給用変電所の接地系に属するため、電力会社接地系に属するので、この場合、保護継電方式の協調が必要である。

なお、一般電気事業者は受電点継電器の整定に対し、第1表(添付図)に示す値を基準としている。

また地絡協調については、第1表によれば完全地絡時に0.2秒以下となっているが、本問の場合は、問題の設定条件から第1図(添付図)に示すように、上位~下位設備間の動作時間を制定する。

(2)CTの接続
通常、三相回路では各相にCTを設け、二次側を星型に接続し、短絡検出は各CT二次回路を、地絡検出は残留回路を利用して行われる。

したがって、これらのCT特性が同一でないと、三相合成電流の誤差分としての残留電流が通常状態でも流れる事になり、継電器の誤動作を招くおそれがある。CTの変流比が大きい場合の残留回路利用は、継電器入力が小さくなるので必要に応じて三次巻線付CTを使用する。

第2図に地絡検出CT結線図を示す。

また、地絡状態を除けば回路電流ベクトル和は零であることを利用して、2CTによる計測および短絡保護を行うことができる。これも、CT特性が同一であることが前提である。

土曜日, 9月 22, 2007

二種二次試験過去問、H18問5、補足

補足

ここの補足、です。
問題分解答内容については、ここ参照で。

問5
【解説】
連系系統の周波数と連系線の電力変化の基本を十分理解しておけば、特に複雑な計算を行う必要はない。

ここでは、第1図(手書最下部左)のような二つの連系系統の周波数変化ΔFと連系線潮流変化ΔPを求めてみよう。

(1)A系統で電力変化ΔPがあった場合
第2図(a)(手書最下部中)のようにA系統で電力変化ΔP(発電力ΔG-負荷変化ΔL)があったとき、A,Bの系統容量及び系統定数をそれぞれP[MW]、K[p.u.(MW)/Hz] およびP[MW]、K[p.u.(MW)/Hz] とすれば、両系統の周波数変化ΔF’[Hz] と連系線の潮流変化ΔP’[MW] は、次のようにして求められる。

-ΔP’=KΔF’ (電力変化分=変化定数×系統周波数変化)
ΔP’=KΔF’  (潮流変化分=相手の変化定数×系統周波数変化)

∴ΔF’=ΔP/(K+K
∴ΔP’=KΔF’=K/(K+K) ×ΔP

(2)B系統で電力変化ΔPがあった場合
第2図(b)(手書最下部右)のようにB系統で電力変化ΔP(発電力ΔG-負荷変化ΔL)があったときには、(1)と同様にして両系統の周波数変化ΔF''[Hz] と連系線の潮流変化ΔP''[MW] を求められるが、方程式を立てるとき連系線潮流の向きが(1)と逆向きになることに注意することが大切である。

-(-ΔP'')=KΔF''
ΔP''=-KΔF''

∴ΔF''=ΔP/(K+K
∴ΔP''=-KΔF''=-K/(K+K) ×ΔP

(3)両系統で同時に電力変化があった場合
実際の電力系統では、A,B系統で同時に電力変化が生じており、そのときの系統周波数変化ΔFおよび連系線の潮流変化ΔPは、A,B系統単独の電力変化時の和となるので、

ΔF=ΔF’+ΔF''=(ΔP+ΔP)/(K+K
ΔP=ΔP’+ΔP''=(KΔP-KΔP)/(K+K

以上です。


金曜日, 9月 21, 2007

二種二次試験過去問、H18問4補足

ここの補足、です。
問題分解答内容については、ここ参照で。

問4
【別解】
重ね合わせの理によって、A系統のみの端末負荷があると考え、A系統端末負荷の電流Iによる開閉点を流れる電流I’をもとめる。

’=I×Z/(Z+Z)…分流(?)

計算すると、

’=73.02+j34.987

同様にB系統のみの端末負荷があると考えた場合、Iによる開閉点を流れる電流I’は、

’=I×Z/(Z+Z

計算すると、

’=30.251-j14.395

したがって、連系点に流れるループ電流Iの大きさは、I’とI’を重ね合わせたものとなるので、
(ループ電流の向きより、I’はIと逆向き→符号が負)

I=I’-I=42-769+j49.382

となり、キルヒホッフで解いた値と一致する。

【解説】
消費電力に変化が無いこと、がポイントでしょうか。
消費電力に変化が無く、非連系→連系とした場合に、ループ電流が流れる、と。なんだか不思議な感じがしますが…。起電力がないループ回路に、電流が流れる、って…。

ちゃんと調べてみたわけじゃないですが、多分無効電力、有効電力のやりとりが行われた結果、負荷には変化が無い、って事かな?
(いや、逆か。負荷に変化がないために、有効電力・無効電力のやりとりが発生し、ループ電流が流れるのかな)

そのあたりの考え方はちょっと難しいですが、解法自体はしっかりやればそこまででもないと思われます。
手書図(解等の方)が思い浮かび、起電力が0で、とかが浮かべば、後はミスに注意して解くだけですから…。

以上

木曜日, 9月 20, 2007

二種二次試験過去問、H18問3補足

ここの補足、です。
問題分解答内容については、ここ参照で。

問3
【解説】
送電線と通信線が接近しているとき、相互の誘導的結合によって、通信線に電圧が誘起される現象を電磁誘導といい、通常、高電圧の三相送電線は故障以外はほとんどバランスして相電流が流れているので、大電流が流れてもある程度通信線が離れていると、各相と通信線の間の相互インピーダンスはほとんど等しく、電磁誘導電圧は生じない。

しかし、送電線に地絡が発生して過大な電流が流れると、その大地を帰路とする電流成分による電磁誘導作用によって、通信線に大きな電磁誘導電圧を生じ、通信線の作業員に危害を加えたり、通信機器を破壊するなどの傷害を与えるおそれがある。

(1)異常時誘導電圧(1線地絡故障)の求め方
送電線に1線地絡故障が発生した時に、電磁誘導により通信線に発生する誘導電圧V(V)を表す式は、次のように求めることができる。

電磁誘導障害は第2図のように原理的には相互インピーダンスをもつ電気回路で考えられ、閉回路の相互交さ磁束によって生ずる。

したがって、第2図のように、I、Φ、eの正方向を決めれば、通信線に生じる単位長あたりの誘導電圧は、

e=dΦ/dt

ここで両導体間の相互インダクタンスをM(H/m)とすると、Mi=Nφ→φ=Mi/Nを代入し、

e=dφ/dt=M(di/dt)

これにi=I sin ωt を代入して、

e=M・d(I sin ωt)/dt=ωMIcosωt (V)

次にD(m)を乗じ絶対値を求める。

=|jωMID|
  =2πfMID (V)

が求まる。また、三相送電線を考えると、各相の電線と通信線間の相互インダクタンスの相違を無視して、第3図のように、Ma≒Mb≒Mc≒Mとすると、

=j2πfMD(I+I+I
  =j2πfMD×3I (V)

で表される。ただし、上式のIは、零相電流を表す。

したがって、上式より電磁誘導は送電線の零相電流によって誘起されることがわかる。

水曜日, 9月 19, 2007

二種二次試験過去問、H18問2補足


ここの補足です

問2
【解説】
(1)移動用変電設備
事故によって変電所機器が損傷した場合、支障なく電力を供給するために、いくつかの変電所の共通予備として使用する設備で、変電所機器の点検・修理などで比較的長期に停止する場合や工事用としても有効である。

(a)移動用変圧器
22/6,3(kV)、3,6(MV・A)、または66(77)/6,3(kV)、3,6,10(MV・A)、あるいは154/6,3(kV)、10(MV・A)などの定格の配電用変圧器が各電力会社の設備実態に応じて設置されている。

これらはトラックまたはトレーラに積載したまま移動使用可能で、10(MV・A)以上の比較的大きな変圧器もトラック積載可能である。一部には154/66(kV)、30(MV・A)程度の送電用変圧器もある。

(b)移動用ケーブル
154(kV)以下の移動用ケーブルが各電力会社の設備実態に応じて設置されている。

以上です。

火曜日, 9月 18, 2007

2種二次試験の勉強に突入。過去問より、1問ずつ〜解説です。

平成18年電力管理 問1
ここの補足・解説です

【解説】
(1)水車の適用有効落差領域と主な特徴を以下に示す。
(a)ペルトン水車
ペ ルトン水車は、水の位置エネルギーを運動エネルギーに変えて機械的エネルギーを得ているため、一般に150m程度以上の高落差領域で用いられる。最高効率 は他の水車に比べてやや劣るが、ペルトン水車は負荷変動時にニードル弁で水流を調節するため、軽負荷時でも効率の低下が少なく、負荷の変化に対して効率特 性は平坦である。なお、多ノズル形では負荷に応じてしようノズル数を切り替えて運転することにより、さらに効率の低下を防ぐことができる。

(b)フランシス水車
最も数多く、一般的に採用されている型式であり、50〜500m程度の中落差から高落差まで広範囲にわたって適用される。
最高効率は定格出力においては高いが、効率特性は負荷の変化及び落差の変化に対して敏感であるため、軽負荷時には効率がかなり低下する。

(c)斜流水車
一般に40〜180m程度の中落差領域で用いられる。フランシス型より高比速度であるから、主機全体としては経済性をはかることができる。
構造上はフランシス水車に似ているが、プロペラ水車の羽を斜めにして、ランナボスの径を大きくしたものと考えることもでき、適用領域と効率特性は、フランシス水車とプロペラ水車の中間にある。
デリア水車では負荷に応じてランナベーンの開度を調整することにより負荷の変化に対して平坦な効率特性が得られる。

(d)プロペラ水車
20〜80程度の低落差から中落差領域で用いられる。比速度は高く、固定羽式では低負荷時に効率が著しく低下するが、ランナベーンを可動としてカプラン水車では、負荷の変化に対して平坦な効率特性が得られる。

(e)その他
さらに低落差領域では、バルブ水車、チューブラ水車が用いられ、数百kW以下の領域では、構造の簡単なクロスフロー水車が用いられる。

(2)水車の比速度
水 車の比速度とは、その水車と相似な水車を仮想して、1mの落差のもとで相似な状態で運転させ1kWの出力を発生するような寸法とした時の、その仮想水車の 回転速度をいう。すなわち、比速度が高いものは、高速回転形となり、ランナ形状が小型となる。ただし、比速度は下記に示されるように与えられた落差から上 限が決められる。ペルトン水車は比速度の範囲が狭く低速度形となるため、水車、発電機とも大型になる。

種類…比速度(m・kW)…適用落差(m)
ペルトン水車…Ns≦4300/(H+195) +13…150〜800
フランシス水車…Ns≦21000/(H+25) +35…40〜150
斜流水車…Ns≦20000/(H+20) +40…40〜180
プロペラ水車…Ns≦21000/(H+20) +35…5〜80
クロスフロー水車…90≦Ns≦110

水車は落差、出力によって適用範囲が分けられるが、適用できる型式が二つ以上ある場合には、効率特性、コストなどを総合勘案して決定する。
ま た、水車の最高効率は比速度Nsと出力により図(後日)のような傾向を示す。次図は出力と効率の関係を示す。ペルトン水車ではノズル数を変えることにより 低負荷時の効率低下を防ぐことができる。カプラン水車ではランナベーンの角度を変えることにより負荷の変化に対して平坦な効率特性が得られる。

(3)水車の回転速度
水 車及びそれにつながる発電機は回転速度が大きい程寸法が小さくなり、価格も安くなる。しかし、回転速度があまり大きいと、機械的な強度から制約を受ける。 また、キャビテーションが発生しやすくなり、効率の低下及びランナ壊食などの問題が起きる。したがって、水車には適当な回転速度がある。

月曜日, 9月 17, 2007

07年3種機械の解答編(問11~18)の補足。

ここの補足です。

問11
立体角の考え方がわかればOK、かな。
添付の図を参照してみてください。
弧度法と対応させると、半径rに対し円周2πrとの比が中心の角度としての弧度法。
これに対し、半径rに対し、全表面積が4πr^2。
r=1の時で比率を考えればよい。
よって、立体角/4πで、テーブル面に対応する放射面積(光束の有効分)が求められる。
後は、テーブルへの全光束を面積で除すれば照度。

問12
本番ではちゃんと読んでなく、光電効果の所を間違えてしまった…。
(光が3乗に比例か4乗に比例か自信がなかったので…)
あとは、ゼーベック効果と、その逆(起電力によって熱)のペルチェ効果、あわせて覚えておくとよいかも。 (1)

問13
ファラデー定数はC/mol。電流Iは、C/sで表す事ができる。
よって、ファラデー定数を3600(秒)で除すれば(C/s)/mol
となり、26.8(Ah/mol)である。
発生電気量は、
26.8×(x/65.4)×2=2×5×0.65

これよりxを解けば良い。 (4)

問14
左上から1〜4と付けると、1はA・B。2はA・B。
4は2が1の時のみ、つまりAとBが共に1のときのみ0を出力し、A、B一方が0の場合には1が入力される。また、3は、A、B共に1の時には入力の一方(1の出力)が常に0であり、3は1を出力する。
このように考えていくと、結果的に出力X=A・Bとなる。 (3)

問15
(a)は問題なし。
(b)まず、電機子抵抗を無視→r+jxの同期インピーダンスのうち、rが無視できる。よって同期インピーダンス|Z|=xであり、誘導性なので角度は90°。
これより、電機子電流は440/3.52=125(A)
P=EIcos(δ—θ)であり、δは上記の通り90°。θは負荷の力率角。
これらより、
P=EIcos(90—θ)=EIsin(θ)
よって、トルクT=P/ωで求める。

問16
普通に解けば(a)はOK。
(b)は、多分絶対値は変わらない、とかだと思うんですが…。
(1)は、なんとなくそうですね。
(2)は電力とか勉強すれば出てきます。
(3)式を見れば、雰囲気そうなりますね。
(5)3調波が多いのは常識ですね。
と、消去法でもいいかも。ま、間違えましたけど。

問17
普通にインピーダンスとして、R+1/(jωC)であり、この分圧(のコンデンサ側)の電圧、これが伝達関数となる。(a)、(b)共に同様である。

問18
ユニポーラコード:ビット全ての分解能を0〜FFFに割り当てる方法。—側はとれない。
オフセット・バイナリコード:800を起点(0)とし、0〜800(0)〜FFFで±に範囲をとる。
つまり、—側が800(16進)、+側が7FF(16進)の範囲で値をとる
バイポーラ・コード:出力0を800(16進)とする所は同じであるが、800の点で入力の±が反転する。例えば、力率のように+100%と—100%がデータ的に隣にあるほうがアナログデータの都合が良い場合などに用いられる(んだと思う)。–側を求めるときには、中心としての800(16進)との差、及び幅としての800(16進)との差、和を考えなければならない事に注意。

日曜日, 9月 16, 2007

07年3種機械の解答編(問1~10)の補足。

ここの補足、です。
問題分解答内容については、ここ参照で。

問1~10です。簡単に、解説。

問1
直流直巻発電機は、界磁巻線が電機子巻線と直列に接続してある方法である。つまり、電機子電流=界磁電流、と考える事ができる。電機子電流は負荷に応じて増減する。また、界磁電流が弱まる→界磁が弱まる→回転子を拘束する力が弱まる、と考える事ができ、回転速度としては上昇する方向。
以上を総合して考えると、無負荷→電機子電流小→界磁電流小→界磁小→回転速度大 で、極端な場合は危険となる。

問2
発電機が無負荷という事は、電機子電流Ia=0。つまり、電機子での電圧降下はなく、端子電圧=電機子電圧と見る事ができる。端子電圧と回転数の比は等しいことから、算出できる。

問3
巻線形三相誘導機は、回転磁界を作る固定子と、回転する巻線を持つ、回転子から成る…。
本問では、5つの項目を埋める問題でしたが、選択肢的に自信があったのが、回転磁界、ガラス巻線、始動特性、の3項。これでも、解答には辿り着く事ができるため、慎重に答えを選びましょう。

問4
6極66Hzの同期速度Nsは
Ns=12f/P(f:周波数、P:極数)
また、滑りsの時、回転速度Nは
N=(1-s)Ns
から算出可能。注意はV/f一定など、関係ない言葉が入っているところ。
(実際にはこれがないと周波数に比例する、とはいえないので関係なくはないが、算出には関係なし)

問5
同期インピーダンスは、短絡電流を発生させる端子電圧の1/√3を、短絡電流で除したもの。ここで、端子電圧は励磁電流に比例するので、励磁電流が96/480=1/5なので、端子電圧は480A時(無負荷時)の1/5。後は与えられた短絡電流と短絡時の端子電圧から算出すればよい。

問6
負荷の容量は皮相電力でS=100/0.75=100×4/3
自己容量は、巻線N1(6600-6000の短い巻線部の容量)を指すため、
Sを6600:600の比でわけた、600相当分が自己容量となる。

問7
インピーダンスの大きさ|Z|は、電圧/電流。また、皮相電力Sは電圧×電流、有効電力Pは問より与えられ、よって、力率はP/Sで計算できる。
変圧器の1次巻線抵抗分をr、リアクタンス分をxとすると、
|Z|=√(r^2+x^2)
cosφ=r/|Z|
と表現する事もできるため、これらを連立させて解けばよい。

問8
遮断器、断路器の違い、昔は油遮断器が主流であったが、メンテ性や防火の面から低めの高圧で真空遮断器(PASとかですね)、高めの特高とかでSF6ガスの入り遮断器などt使用される。

問9
ポイントは、全波整流回路を平滑して方形波を作っているところ。さらに、位相が微妙にずれている所。多分、後、波高値もかな?これらから該当するものを選べばOK。

問10
CVCFの問題です。CVCFは定電圧定周波数装置の事で、交流のバックアップ電源に用いられます。UPSと同義に言われることもある。(本来はUPSはCVCFだけど、CVCFはUPSとは限らないはず:周波数制御の有無とかの話で)つまり、コンピュータなど、瞬時停電にも弱い機器(正常に終了しないとソフト・ハード的に故障の恐れのある機器や停電時でも監視したい制御・表示機器など…)を、常用の交流電源と非常用のバッテリによる電源とを、無停電にて自動切換えし、電源断とならないようにする機器。で、あると共に、交流入力をインバータを通す事で定電圧・定周波数として出力する機器。

以上です。明日はこの続き、かな?

土曜日, 9月 15, 2007

07年3種理論の解答編の補足。(問11~18)

ここの補足、です。
問題分解答内容については、ここ参照で。

問11
a.可変容量ダイオード→pn接合に逆バイアスをかける事で空乏層幅をコントロールし、容量可変(だったはず)
b.定電圧ダイオード(ツェナダイオード)→pn接合に逆方向バイアスを一定以上印加した場合におこる、降服現象時にダイオード電圧はほぼ一定となるという性質を利用したもの。
c.レーザダイオード→pn接合に順バイアスをかける
(5)

問12
演算増幅器は、直流回路でももちろん用いられ、+端子と-端子の入力電圧の差分に対して増幅動作をふる素子である。

問13
電子の等速円運動。これについては各式を覚えるか、導出するしかない。導出は、短く言うと…、
円運動→遠心力と求心力が平衡。
遠心力は電荷の重さ×加速度(F=ma:運動方程式)
求心力は磁界中の電磁力で、Bev(磁界×電荷×速度)
ここで、速度は位置の微分、加速度は速度の微分、これらをx軸成分、y軸成分に分け(三角関数)で、つりあう、と式を立てる。これを解くと円の方程式が求まり、半径も求められる。さらに、半径や速度から周期が求められる。
詳細はこちら(多分2種レベル?)

問14
図1は、電流に電圧計計器誤差を含む。図2は電圧に電流計計器誤差を含む。計算の詳細は手書参照。

問15
詳細は手書参照。ポイントはΔ-Y変換。

問16
可動コイル→電磁力を利用するし、電磁力は電流に比例。(b)については手書参照、だが、端子の最大電流と電流計に流れる最大電流を対応させ、分流でどちらの時にも電流計最大電流が流れる抵抗値を連立方程式から求める。

問17
単位で考える。電子個数nは個/m、電荷eはC/個、移動速度vはm/s、電流IはA(=C/s)。これらから、I=nev。よって、v=I/neで求める。
(b)については、n、eは定数。導線の抵抗値は、2倍になると、2乗に反比例する抵抗値(面積に反比例だから)は1/4。本来、10A×4=40Aになる所を、30Aにしかなっていない、つまり、通過電子数が3/4しかないことになる。

問18
よくわかりません(考えてない…)。
気が向いたら考えて見ますが、多分向きません…。

金曜日, 9月 14, 2007

07年3種理論の解答編の補足。


ここの補足です

問1
直線導体:H=I/2πr 円形導体の中心磁界:H=I/2a から算出

問2
通常の磁性体→比透磁率は1以上で、常磁性体、逆向きだと比透磁率<1で、反磁性体。強磁性体は鉄やニッケル。磁界中で磁性物質が磁化されるのは、磁気誘導。

問3
電気力線はQ/ε 本。電気力線は+電荷から出て-電荷へ入る。

問4
図1:C=2C/3、C=3Cで、エネルギーは1/2・CV^2。これらから変形し、分圧なども使って解く。

問5
回路の合成抵抗からRの電流を求め、エネルギー(電力)をR^2で求める。これが最大になる条件は分母が最小。このためには、分母の変数を含む項同士を掛けたら一定となる時、双方の項が等しい、という条件となる。

問6
平衡条件は向かい合う抵抗の積同士が等しい場合。また、この時単純な並列回路としてみればよいので、電流も求められる。

問7
コンデンサが消費したエネルギーが抵抗で消費するエネルギー。

問8
周波数が1/2→コンデンサのインピーダンスは2倍。ここから求める。

問9
並列なので、それぞれ電圧は同じ。周波数ももちろん同じ。電流はインピーダンスの逆数に比例、から求める。(インピーダンスがωCと1/ωL)

問10
時定数はRC。なので、回路の合成抵抗と合成容量を図1~5について求め、RCを考えたらOK。

以上です。
問題はどっかから入手してくださいね。

木曜日, 9月 13, 2007

07年種法規問6,7、の補足。

ここの補足です。

問6 高圧需要家の電力需要設備
一つの変圧器に、三つの負荷が接続されており、年間使用電力量、最大電力、年負荷率のうち二つが与えられた時に、残りの一つを求める問題。
(1)~(3)
負荷率=平均電力/最大電力
であり、年負荷率で考える。平均電力=電力量/時間、なので、年間電力量を(365日×24時間)で除すれば、年間の平均電力が算出される(電力量はMW、電力はkWなので、単位を換算し忘れないこと)。

(4)
不等率は、負荷の最大電力の和/系統の最大需要電力 で求められる。ようは、負荷単位での最大電力が同時に集中するとは限らない、という事も含め、実際変圧器で見た最大需要電力≠負荷の最大電力合計となる。この比が不等率。

よって、(1)~(3)で求めた最大電力を合算し、それを不等率で除算すれば、トータルの最大需要電力が算出できる。

(5)
利用率とは、最大需要電力/定格なので、(4)が算出されれば計算できる。

なんとなく、覚えてたけど、言葉から推測しても解けるかもしれませんね。

問7 架空電線の着氷雪害
送電線への着氷雪害に関して。ギャロッピングは配電線に雪や氷が付着し、それが翼状になって風を受けると揚力を受ける、という現象。着氷雪が考えられる事の他、風が強い、など気象・地形他の条件・要因が重なって発生する。

自励振動が起こる→振動周期と、揚力とが、同調したら振幅がどんどん大きくなる、って事だと思われます。

防止策としては、振動しても送電線同士が接触しない対策、ということになります。

水曜日, 9月 12, 2007

07年種法規問3,4,5、の補足。

ここの補足です。

問3 高圧配電線との連系
冷静に考えればそんなに問題なし、の問題です。
a.について
一般電気事業者、卸電気事業者、つまり、電力会社等と考え、そこと高圧で連系し、かつ、自家発電をもっている場合。自家発電があることを前提に受電用配線などが設計されている場合が多い。逆に言うと、自家発電が脱落した場合には配電線等が過負荷になると、配電線過熱等、問題がおこる。そのため、構内の負荷を制限しなければならない、と。
例えば、配電線容量が500A。構内負荷の合計が1000Aで、構内発電が800Aの場合、
通常は500Aしか受電していない(配電線には流れていない)。ここで、発電機が脱落すると、発電分800Aも配電線にかかり、合計1300Aの電流が流れ、危険である。そのため、構内負荷を300A(以上)制限する必要がある、という事です。

b.について
系統に負荷を連系する→並列に負荷が繋がる形なので、電源から見た負荷のインピーダンスは小さくなる、可能性がある(増設分のインピーダンスにもよるけど)。なので、負荷の短絡容量が電源側(電力会社側)などの電線の瞬時許容電流や遮断器の遮断容量を超える短絡電流が流れるような値となると、危険(遮断できない)。そこで、事故電流を制限する措置が必要、という問題。

問4 油入変圧器の劣化診断方法で、油中ガス分析
これは、ちょっと職務の経験上、覚えていたのでラッキーでした。内部異常(アークの発生とか?)によって、絶縁油が化学変化を起こし、異常なガスが発生するので、このガス濃度測定によって劣化傾向を知る方法。

このガスとしては、アセチレンやエチレンがある(この、アセチレンを覚えてて、ラッキー!)。また、この数値に異常があった場合には、さらに精密な診断を行うよ,と言う話。

後は密閉型の場合には空気(外気)の侵入を測定する、として、窒素濃度の測定も劣化診断には有効である、と。

問5 電気工作物の維持
良くある問題。
ただ、このc.、d.はよく知りませんでした。なので、(5)は間違えたけど…。この文章は多分良く出るので、他の場所が穴になった場合でも答えられるようにしなければならないです。
例えば、

一 事業用電気工作物は、人体(2)に危害を及ぼし、又は物件に損傷を与えないようにすること。

の文章で、「人体」部分が穴になってましたが、「物件」が穴になってる場合もありました。
他にも、そんな感じでありませうので、注意は必要。

後は、覚えるしかないし…。

とりあえず、以上です。

火曜日, 9月 11, 2007

07年種法規問1、2、の補足。

この補足

今度は法規シリーズです。2問。

問1 電気工事士法及びその関連による、電気工事に該当しない軽微な工事及び電気工事士でなければ従事することができない一般用電気工作物に係る電気工事に作業

a.電気工事に該当しない工事
本番では間違えたんですが…、
・電圧600V以下→低圧の機器でである事
・スイッチ類に配線を接続(コネクタ系を含む)
・ただし、配線器具の工事を除く
・電鈴やインターホーン、他に使用する小型変圧器で、二次電圧が36V以下のものの配線工事。

b.電気工事士でなければ従事する事ができない一般用電気工作物に係る電気工事
・電線類が造営物を貫通する部分に防護装置を取り付ける作業
・金属製の電線管類又はこれらの付属品を建造物の金属張りなどの部分に取り付ける作業

ん~、よくわからない。覚えるしかない類かも。

問2 架空電線等の高さに関する記述
a.架空電線類は接触や誘導作用による感電のおそれがないようにしなければいけない。
接触はもちろん、高圧・特高では、ケーブルが非接地だと誘導による感電もあり得るので注意。
もちろん、交通にも支障はだめ。

他はなんとなく常識的に考えればOK。
b.の、表については数値を覚えなければいけませんが、本問で埋めるのは数値2箇所。
で、(2)、(3)は文面より(2)>(3)。また、文面より(2)<5.5。
つまり、括弧書きに条件が緩和または強化される要因が書いてあるので、
そこから推察すればOK,かな。

氷雪の多い…、は、電線は積雪上の高さ、です。

以上。補足ってほどでもありませんね。

月曜日, 9月 10, 2007

07年種理論問7,8。の補足。

ここの補足です。

問7
(1)~(5)
ちょっとイレギュラーな考え方かもしれませんが、単位で考えればOK、です。

密度p、n:m^-3
電荷q:c
電界E:V/m
電流:A→c/s
電流密度J:A/m^2

電流密度JをqpμEとすると(問題の通り)、移動度μは、
μ=J/(pqE) (正孔の場合。電子でも同様)
この単位は、
A/m^2・(m^-3・c・V/m)^-1
→c・s^-1・m^-2・m^3・c^-1・V^-1・m
→c・c^-1・m^(-2+1+3)・(Vs)^-1
→m^2/Vs
また、移動度の定義を考えると、速度vと電界Eの比例定数だから、
v=μE。速度v:m/sだから、
μ=v/Eの単位は、
m/s/(V/m)→m^2/Vs

となり、双方は合致する。
また、電子と正孔が同じ電界(電荷)で、同時に動き、
その方向が逆で、電荷も逆なので、電流としては和算でよい。

導電率γは抵抗率の逆数であり、その単位は、
Ωm。ΩはV/Aと表現できるので、導電率の単位は、
A/Vm

よって、電流密度A/m^2を電界V/mで除すれば、導電率γとなる事がわかる。
(qμ→c・m^2/Vs・m^-3→c/sVm→A/Vmで、導電率はqμで表現できる、ともいえる)

問8
これは、試験時やってない(選択問題なので)し、今ちらっとやってもよくわかりませんでしたが…。

(1)I≫Iより、Vccに対し、Iを無視する事ができる。この時、VはVccの、RとRによる分圧と考えればよい。

(2)I=(V-VBE)/Rより(1)で求めたV,問で与えられたVBE,Rから解くことができる。

(3)~(5)
コンデンサは交流に対し短絡、と考える。この時、v01、v02には、そのまま電圧が出る。
(抵抗分の電圧が)ただし、符号はv02は逆転するので、位相は180度。
(負荷特性曲線から導くようですが、覚えておかなきゃ解けない?)

ただ、この問題に関して、直感的には。
トランジスタのベース側に対しそこを基に考えると、接地側に向けてv01、電源側に向けてv02をとっている。ここで、コンデンサによって電圧位相は90度ずれるが、この考えにより、v01は進み、v02は遅れの90度、になるとするとv01~v02の電圧位相は180度となる。

多分、大きくは外れてないと思うけど…。
後、v01、v02が共に入力に対して1倍になるのは、RとRの抵抗値が同じだから、だと思いますが、その辺を証明する手立ても見つからなきゃ、思いつきもしません。

まぁ、雰囲気的には解答の選択肢から、こうなるんだろうなぁ、とは考えられますが…。


煮え切らないけど、理論編、終了!

日曜日, 9月 09, 2007

07年種理論問6、の補足。

ここの補足、です。
問題分解答内容については、ここ参照で。


各解答(1)~(5)については以下です。
もっと簡単な方法があるのかもしれませんが、計算が大変でした。本番では時間が無く、断念。どっちみち考え方が多少違ってましたが…。計算過程については添付の手書き、2枚目の画像を参照してください。

(1)
,PのインピーダンスをZ、P,PのインピーダンスをZとすると、電圧vは、

/{Z+(Z-Z}=Z/Z

に比例する。(分圧)
この式より、vは右肩上がり(Zは定数、Zは距離xに対して右肩上がりのため)となる。
ただし、PがP,Pに極近くない位置では、インピーダンスはほぼP,Pの接地抵抗分のみ(つまり定数)と考えられ、その分圧による電圧vも一定となる。これは、この部分において大地の静電容量は∞となり、交流に対しインピーダンス1/ωCは0となるから、である。
※この解釈については後で解答を見てから自分なりに納得できる考えはこう、って考えたものなので100%の自信はないです。本番では右肩上がりの直線を選択しましたし。

(2)
この問について、ブリッジ回路で表すと手書きの図3に表すブリッジ回路において、A=R、B=R、C=R+R、D=Rとした場合と等価である。これより、平衡条件AC=BDから、導出する事ができる。

(3)
同様に、図3においてA=R+R、B=R-R、C=R、D=R+Rとした場合と等価。ここで、平衡する時にはRには電流が流れない。よって、抵抗Rは考慮しない。
※これも本番では間違えました(Rを入れちゃった)。考慮しない理由は(1)の時と同じく、解答見てから自分なりに考えた事なので、自信はほどほど、です。

(4)
後は式変形。手書き2枚目参照。

(5)
Wに目盛りを振る→Rを指示値とする、という事。よって、R、Rを固定値→R/Rを定数とし、Rの読みでRを求める事ができる。

以上。



土曜日, 9月 08, 2007

07年種理論問5、の補足。

ここの補足、です。
問題分解答内容については、ここ参照で。


静電気(静電界)の問題。普通にやれば問題なしの問題ですね。

各解答(1)~(5)については以下です。
図を見ればわかるけど、正六角形では
1辺の長さ=頂点から中心(重心:対角線の交点)の長さ=r
です。

(1)P-Pの距離は、図より2rなので、

=Q^2/{4πε(2r)^2}=Q^2/(4πεr^2)・(1/4)

となる。また、電荷は正・負であるため吸引力のため、Pでは左向き。

(2)Pに対し、P,Pは距離rなので、力の大きさF、Fは等しく、共に負電荷であるため吸引力となる。その大きさは、

=F=Q^2/(4πεr^2)

となる。
この合力を考えると、F,Fのy軸成分は大きさが等しく、向きが逆の為、打消しあう。
また、x軸成分は、大きさ、向き共に等しくなり(左向き)、大きさは(r/2)/r=1/2。よって、FとFの合力、F26は、

26=Q^2/(4πεr^2)×(1/2)×2
   =Q^2/(4πεr^2)

となる。

(3)これも(2)と基本的には同様の考え方であるが、
・電荷は全て正のため反発力→y成分は打消し合い、x成分は右向き
・距離はx=3r/2、y=√3r/2 の直角三角形の斜辺であり、√3rとなる。
・よって、x軸成分は(3r/2)/(√3r)=√3/2
これらより、

=F=Q^2/{4πε(√3r)^2}
  =Q^2/(4πεr^2)・(1/3)

合力F35は、

35=Q^2/(4πεr^2)・(1/√3)

となる。

(4)右向きを正とすると、合力Fは

F=F+F26+F35
 =Q^2/(4πεr^2)(1/√3-1-1/4)
 =(4√3-15)/12

(5)原点における電界のうち、各電荷によるものをそれぞれE~Eとする。大きさは全て等しく、Q/(4πεr^2)。x軸上で向かい合う、EとEに注目すると、共に向きは左向きとなり
、合力は単純に和算でよい(電界の定義は任意の点に電荷+1[C]を置いた時に働く力なので、正電荷では反発力、負電荷では吸引力方向の電界)。
他にも向かい合う、E,E及びE,Eは向きが等しい。
ここで、E,Eの合力E14,E,Eの合力E25、E,Eの合力E36を考えると、これらは大きさが等しく、互いに120度ずつのベクトル。よって、全ての合力は0となる。

金曜日, 9月 07, 2007

07年理論試験問題補足。

ここの補足、です。

問4
(1)
電圧で式を立てており、ここにはコンデンサ電圧が入る。コンデンサでは、
q=CV、i=dq/dt→q=∫idt
の関係があり、これより、v=(1/C)∫idt となる。

(2)(3)
微分方程式Ri+(1/C)∫idt+Ri=Eを解く。ここで、回路解析上、RとRは直列接続であるため、Z=R+Rとして解く。微分方程式の両辺をラプラス変換すると、
E/S=ZI+I/SC+q(0)/SC。ここで、q(0)/Cは、初期条件よりVであるため(q(0)=cVより)、
I=(E-V)/{S+(1/CZ)}
両辺を逆ラプラス変換すると(Zを元に戻す)、
i=(E-V)/(R+R)e^-t/C(R1+R2)
よって、v=Ri=(E-V)・R/(R+R)e^-t/C(R1+R2) となる。

(4)
t→∞で、e^-t/C(R1+R2)=e^-∞=1/∞=0。よって、vは初期値
(E-V)R/(R+R
で、時刻とともに0に漸近する。

(5)
問4より、
=E-(R+R)i=E-(E-V)e^-t/C(R1+R2)
であり、t=0で、v(0)=V
また、t=∞で、v(∞)=E
よって、初期値Vで、Eに漸近する曲線がvの電圧を表す。

※十分時間経過→Cのインピーダンスは∞(直流に対し1/ωC=∞;コンデンサの構造を考えれば明白)→回路には電流が流れず、電圧のみが発生する。(最終的にvがEに漸近するのは、RとRと∞の直列回路→電圧は全て∞:コンデンサにかかると考えればOK)また、時刻0において、Cのインピーダンスは0→回路はR,Rの直列であり、電流i(0)=(E-V)/(R+R)となる事は、こちらも明白。このあたりの関係を使えば(4)(5)あたり、または初期値を表す(2)あたりもわかると思います(微分方程式を解ける必要はあまりない)。また、結局はRC直列回路であるため、時定数がRCとなる一般解を知っていれば、微分方程式を全く解くことなく導出が可能です。

木曜日, 9月 06, 2007

07年種理論問3、の補足。

ここの補足、です。

あ、さらに同時受験した3種も自己採点。3種は機械、法規が残ってたんですが…、機械は55/100で、1問足りない。が、例年合格点調整が行われる事が多い模様…。皆様のできが悪い事をお祈りです。法規は大丈夫と思われます。

さて、ポイントを。

問3
ポイントは下記。
(1)
重ねの理より、単純にi(t)=i(t)+i(t)として解けば問題なしです。いや、解く必要すらないのか。多分、iがcosで与えられ、iがsinで与えられることによる引っ掛けかとは思われますが、本問はひずみ波の解析をする事、もっと言ったら電力を求める事が目的ではないので、単純に足された物を選択すればOKです。

(2)(3)
電源がEのみのとき、角周波数ωなので回路のインピーダンスをZとすると、

=R+jω
|Z|=√(R^2+(ωL)^2)=√(1^2+4^2)=√17

よって、電流波形の波高を表す、Aは、

=E/|Z|=10/√17

また、φは位相角を表し、tan^-1(虚部/実部)で表されるので、

φ=tan^-1(-√17)

ここで、“-”となっているのは、コイルは位相遅れの要素であるからである。
(電流はE/jωL=-jE/ωLと表す事ができるから)

(4)(5)
、φと同様の考え方で、

|Z|=√(1^2+6^2)=√37。

=E/|Z|=5/√37

φ=tan^-1(-√37)
これも、cos表現sin表現に惑う必要はなく、位相角はあくまで「電圧と電流の角度」であり、電圧と電流が同じ表現(cos、sin)をされている限りは単純に位相角を求めれば良い。ただし、仮に電圧がcos、電流がsinなど、違う表現をされている時は、さらにπ/2ずらして変換する必要がある。そのあたりは解答群から判断する必要があり。

ここで注意点が一つ。
試験には関数電卓は持ち込み不可。なので、実質この問題は解けるの?と思い。実際、試験では勘で適当に書きました。それで今回冷静に考えてみたのですが…。

別解(もっと正しい)があるかは不明ですが、とりあえず解答の特定が可能である事はわかりました。でも、こんなの気づかないよ、試験中には…。
「関数電卓、ないじゃん!無理無理!!時間ないし!!!」ってなっちゃいますよ。

さて、その方法。条件を挙げると…、

1.上記の通り、コイルであるので、角度は負になります。よって、解答候補は4つに絞られます。(解答群については全部あげるの面倒なので)負である4つだけ挙げると、-1.33、-1.41、-0.165、-0.245。

2.これは知ってなきゃどうしようもない特性ですが、tan関数は、X>Yならばtan^-1X>tan^-1Yとなります。知ってなきゃ、というか、直角三角形をいくつか書いてみて、tanを考えて、角度との関係を考えればわかるのですが。これを本問に当てはめると√37>√17より、|φ|>|φ|となります。ここで、絶対値としたのは、本問ではφは負の値となるから。

3.最後に、角度45度の点について考えます。この時、実部と虚部の長さが同じ(tanが1)であり、これより実部が長いか虚部が長いか、はわかれば角度が45度以上か以下か判断できる。本問では角度は45度以上(負側)であり、45度をラジアン表記に変換すると、45×(π/180)≒0.785。よって、求める|φ|、|φ|は共に0.785より大きい事になります。

1~3より、φ、φは-1.33か-1.41であり、|φ|>|φ|より、φ=-1.33、φ=-1.41と特定できる。

長くなりましたが、以上です。

水曜日, 9月 05, 2007

07年種理論問2、の補足。

ここの補足、です。

自己採点の結果、理論は比較的いい点。
7~8割はいけたと思われます。
ちなみに、法規も行けたっぽい。
なんで、2種1次は無事合格、が、濃厚です…。

問2
ポイントは下記。
(1)(2)
抵抗Rと電圧Eの直流電圧源との直列接続を、電流源Ixと抵抗Rxの並列へと変換する問題。
結局、直列部分を取外したと考え、その端子で見た電圧(抵抗の両端電圧)が等しくなればよい。
つまり、I=E/Rであり、R=Rでよいことになる。
(さらに逆変換を考えると、I×Rが電圧源電圧と考えられるので、計算は合致する)

(3)
端子1-1’を短絡すると、並列抵抗6Ωは無視できる(分流の電流は全て抵抗なしの枝に流れる)ので、短絡した端子に流れる電流は2Ωと4Ωの抵抗による、電流源電流の分流。
さて、ここで電流源について考えると、手書きにあるように、結局は2Aと1Aの電流源が並列→3Aの電流源が一個ある、と考えられ、これが分流される。

(4)
端子1-1’から見た回路網インピーダンスの逆数を考えればよい。回路網のインピーダンスは、6Ω〃(2Ω+4Ω)と考えられ、合成インピーダンスは3Ω。
(ここで、「〃」は並列、「+」は直列とする)

(5)
ノートンの定理は、テブナンの電流版、のような感じであり、短絡電流と回路網コンダクタンス、負荷コンダクタンスから端子開放電圧を求める定理である。
短絡電流をI、回路網コンダクタンスをY、負荷コンダクタンスをY、負荷両端電圧をVとすると、

V=I/(Y+Y

で求められる。(Y=1/Zです)


ちなみに…。
これをテブナンて考える(元もとの回路で)。
回路網インピーダンスは3Ω。開放端子電圧は6V(電圧源では2,4,6Ωの分圧による、6Ωの両端電圧、電流源では2Aの電流が4Ω〃(2Ω+6Ω)に分流され、の電流による、6Ωでの電圧降下分、これら二つの電圧を足すと6Vになる)。
なので、負荷に3Ωを接続すると、テブナンの定理より、負荷電流Iは、

I=V/(Z+Z)=6/(3+3)=1

であり、負荷は3Ωであるため負荷での電圧降下は3×1=3Vとなる。

開放端子電圧を求めるのに、電流源変換後で考えるなら3Aの電流源の分流、で、6Ωの電圧降下を考えても同じ。

さらに、閉路解析法(キルヒホッフとか)でも電圧・電流自体は解けるはず(さすがにここまではやってないですが)だし、今回細かい計算に重ねの理を使ってますが、それだけで一気に解く事も可能。

重要なのは「解けること」ですので、どんな方法でも解ければいいのだと思っています。本来は。ただ、電験においては、特に2種ではこのように、解き方を指定される事があります。微分方程式を、ラプラス変換で解きたいのに一般解から解かされたり。

なので、得意の方法を一つずつ身につけ、最悪でも求めたい回路は解析できるようにする必要はあると思います。その上で、知らない定理でも逆算で解く事は可能なはず…。

と言う感じで、この問は以上です。

火曜日, 9月 04, 2007

2種理論 07年の問題 問1の補足

補足

ここの補足、です。

いよいよ終わった07年一次試験。しばらくは、解答編ですね。
(一日1〜2問の、スローペースにて)

問1
ポイントは下記。

(1)断面積S、長さlの磁気抵抗Rは、透磁率をμとすると、

=l/μS

また、空げき部(幅d)では、透磁率はμなので、

=d/μ

(R=R+R
となる。

(2)
巻線1、2それぞれの自己インダクタンスをL、Lとすると、

=N^2/R、L=N^2/R

また、相互インダクタンスMは、片方の巻線に電流を流して発生した磁束にて他方の磁束に誘起される磁束の割合にて定義されるため、巻線1に電流Iを流したとすると、

Φ=LI/N=NI/R

よって、M=NΦ/I=N/R

ここから、Lに対する倍率が求められる。

(3)(4)(5)

巻線2に誘起される電圧は、電流の時間微分に相互インダクタンスを掛けたものとなる。と、いうか、インダクタンスは、電流時間変化分(微分)と電圧の比を表すものであり、この場合は巻線2自身で流れる電流はない(→iは0:しかも、端子開放だし)ので、巻線2の自己インダクタンスLは考慮しなくてよい。

よって、相互インダクタンスと、電流iの微分を掛ければvが求められる。

さて、ここで微分の式を変形する事を考えてみる。

di/dtを変形し、左辺にdi、右辺にdtがくるようにし、両辺の積分を考える。積分範囲として、時間t:0→∞を考えると、t=∞に対応する電流iは、

(t=∞)=E/rとなる。

これは、電源は直流であり、直流に対して定常状態(時刻∞)でのコイルのインピーダンスは0となるからである(つまり、抵抗はRのみで、電流はE/r)。

さらに、この積分を解いて(定数の積分なので、解くというほどでもないけど…)、相互インダクタンスの関数が求められる。

以上。